妊娠8ヶ月である妊娠29週目は、安定期といわれる妊娠中期を終えて妊娠後期が始まったところです。妊娠29週の妊婦さんの体調や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
安定期をすぎた妊娠8ヶ月、妊娠29週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
妊娠29週になると、胎動が激しくなり、胎動で夜中に起きてしまうママもいるようです。
夜中に起きてしまい、睡眠不足になったときは、我慢せず昼寝の時間をとるなど工夫しましょう。
妊娠29週ころになったら、いつ入院しても大丈夫なように入院に必要なパジャマや授乳用ブラジャー、T字帯などを揃えて入院、出産準備を始めましょう。赤ちゃんの衣類や寝具などもこの時期にはそろえておけるとよいですね。
出産後の赤ちゃんの部屋をどこにするか、ベビーベッドの位置などを考えると出産がより楽しみになるかもしれませんね。
ホルモンバランスの関係やお腹が大きくなり、思うように動けなくなることや、出産への不安などから情緒が不安定になりやすい時期です。親やパパなど話せる人に気持ちを話してみたり、自分の好きなことに熱中したり、友達に会うなどイライラを解消できるようにしましょう。
その日の家事はやらずに横になり休息をとる日をつくるなど割り切ることもよいかもしれません。
この時期、赤ちゃんに感情が生まれ始めます。一説では胎内の記憶などを持つようになるというのもこの時期です。ママのうれしい気持ちや楽しみな気持ちが赤ちゃんに伝わったり、この時期に話しかけた言葉をおぼえているかもしれません。早く会いたい気持ちをお腹のなかの赤ちゃんに話しかけてみましょう。
赤ちゃんはより大きく成長し、エネルギーが必要になるので、つい食べ過ぎてしまう人もいるかもしれません。しかし、体重が増加しすぎると、妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などの病気の心配が出てきます。
しかし妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などの病気を心配して、妊婦さんが無理なダイエットするとお腹の赤ちゃんに十分な栄養がいきわたらなくなります。タンパク質やビタミンなどをしっかり摂り、バランスのよい食事を心がけることが大切です。
妊娠29週になると、1度落ち着いていたおりものがホルモンの関係で再び増えてきます。おりものは、腟内に雑菌が入ったり繁殖するのを防いでくれる役割があります。特に妊娠中は、免疫力が低下していて感染症にかかりやすいので、おりものを洗い流すよりもおりものシートを活用したり、通気性のよい下着を身に着け不快感を減らせるように工夫しましょう。
おりものの色や匂いがいつもと違うときには感染症にかかっている可能性があるので、早めに受診することが重要です。
お腹が大きくなってくるので、妊娠線ができ始める時期です。妊娠線は特にお腹にできやすいですが、脂肪がつきやすい胸や足などにもできやすいです。
妊娠線は、1度できると消えないので、お風呂上りや乾燥を感じるときなどに妊娠線専用のクリームやオイルをたっぷり塗ることが大事です。
妊娠8ヶ月の妊娠29週は、安定期ではなく妊娠後期です。ときには痛いくらいに元気な胎動を感じる時期です。お腹はさらに大きくなり、赤ちゃんの成長をこれまで以上に感じられるかもしれませんね。
妊婦さんはまだ動ける時期ですが、お腹が大きくなることでお腹の張りを頻繁に感じるようになったり、むくみや1度落ち着いていたおりものが再び多くなったり、身体のマイナートラブルを感じることが多くなるかもしれません。症状が出ていないときに動けるからと、家事や仕事を頑張りすぎて無理をしないように、身体の変化を感じたらすぐに休憩をとるようにしましょう。
妊娠29週は、身体の変化についていくのが大変かもしれませんが、妊婦生活も後半戦です。赤ちゃんとの生活を考えながら、お腹のなかの赤ちゃんにたくさん話しかけて、限られた妊婦さんの時間を大切にすごしましょう。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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