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【産婦人科医監修】妊娠29週目(妊娠8ヶ月)を迎えた妊婦さんと赤ちゃん
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田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠8ヶ月である妊娠29週目は、安定期といわれる妊娠中期を終えて妊娠後期が始まったところです。妊娠29週の妊婦さんの体調や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠週数29週目とはどんな時期?
妊娠29週は週数でいうと、妊娠8ヶ月の2週目です。安定期とよばれていた妊娠中期をすぎ、妊娠後期に入ったところです。
妊娠29週目の妊婦さんの特徴
安定期をすぎた妊娠8ヶ月、妊娠29週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
胎動の激しさで夜中に起きてしまい、眠りが浅くなる妊婦さんもいるようです。
子宮が大きくなり、胃を圧迫するので、胃もたれを感じたり、女性ホルモンの変化やお腹が大きくなって思うように動けなくなることからイライラしたり、気持ちが不安定になりやすい時期です。
お腹の大きさ
子宮底は、おへそとみぞおちの間くらいに達します。お腹がかなり前にせり出し、胃を圧迫するくらい大きくなるので、足元が見えづらくなります。
妊娠29週目の妊婦さんの身体
お腹の上からでも分かるくらいに胎動が激しくなります。
お腹が大きくなって、体重が増加すると、足に負担がかかって足がつることが増えたり、お腹の張りを感じやすくなります。子宮が大きくなって、下大静脈を圧迫するので特に手足がむくみやすくなるのも妊娠中の特徴です。血圧が上がり、少し動いただけで息切れを感じる人もいるでしょう。
妊娠29週の健診で逆子といわれることがあるかもしれませんが、妊娠8ヶ月はまだお腹のなかに赤ちゃんが動き回れるスペースがあるので、自然と治ることもあります。心配しすぎないようにしましょう。
ホルモンの影響で、1度おさまったおりものの量がまた増えてきます。妊娠29週目は、赤ちゃんが大きく成長するので、妊婦さんの体重も一気に増加します。
妊娠29週目の赤ちゃん
赤ちゃんの身体
妊娠29週の赤ちゃんの身長は、40㎝程度です。赤ちゃんの体重は平均で1100g~1600gくらいに成長します。皮膚の表面のしわが伸びて、なめらかになり、肌の色も白くなってきます。
胎内での様子
超音波(エコー)検査で、左右の肺や心臓の各部屋の大きさや弁の動き、心拍数なども確認できるようになります。妊娠29週になると、知覚や記憶を司る大脳皮質が細かく形成され、脳のしわができ始めます。脳の発達が進み、赤ちゃんは自分で体温調節ができるようになります。また、喜んだり、悲しんだり感受性を備えるのは、この時期です。
妊娠29週目のうちにやっておきたいこと
昼寝を取り入れる
妊娠29週になると、胎動が激しくなり、胎動で夜中に起きてしまうママもいるようです。
夜中に起きてしまい、睡眠不足になったときは、我慢せず昼寝の時間をとるなど工夫しましょう。
入院や赤ちゃんとの生活の準備を始める
妊娠29週ころになったら、いつ入院しても大丈夫なように入院に必要なパジャマや授乳用ブラジャー、T字帯などを揃えて入院、出産準備を始めましょう。赤ちゃんの衣類や寝具などもこの時期にはそろえておけるとよいですね。
出産後の赤ちゃんの部屋をどこにするか、ベビーベッドの位置などを考えると出産がより楽しみになるかもしれませんね。
イライラ解消
ホルモンバランスの関係やお腹が大きくなり、思うように動けなくなることや、出産への不安などから情緒が不安定になりやすい時期です。親やパパなど話せる人に気持ちを話してみたり、自分の好きなことに熱中したり、友達に会うなどイライラを解消できるようにしましょう。
その日の家事はやらずに横になり休息をとる日をつくるなど割り切ることもよいかもしれません。
赤ちゃんに話しかける
この時期、赤ちゃんに感情が生まれ始めます。一説では胎内の記憶などを持つようになるというのもこの時期です。ママのうれしい気持ちや楽しみな気持ちが赤ちゃんに伝わったり、この時期に話しかけた言葉をおぼえているかもしれません。早く会いたい気持ちをお腹のなかの赤ちゃんに話しかけてみましょう。
妊娠29週目の妊婦さんが注意すること
無理なダイエットはしない
赤ちゃんはより大きく成長し、エネルギーが必要になるので、つい食べ過ぎてしまう人もいるかもしれません。しかし、体重が増加しすぎると、妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などの病気の心配が出てきます。
しかし妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などの病気を心配して、妊婦さんが無理なダイエットするとお腹の赤ちゃんに十分な栄養がいきわたらなくなります。タンパク質やビタミンなどをしっかり摂り、バランスのよい食事を心がけることが大切です。
おりもの対策
妊娠29週になると、1度落ち着いていたおりものがホルモンの関係で再び増えてきます。おりものは、腟内に雑菌が入ったり繁殖するのを防いでくれる役割があります。特に妊娠中は、免疫力が低下していて感染症にかかりやすいので、おりものを洗い流すよりもおりものシートを活用したり、通気性のよい下着を身に着け不快感を減らせるように工夫しましょう。
おりものの色や匂いがいつもと違うときには感染症にかかっている可能性があるので、早めに受診することが重要です。
妊娠線対策
お腹が大きくなってくるので、妊娠線ができ始める時期です。妊娠線は特にお腹にできやすいですが、脂肪がつきやすい胸や足などにもできやすいです。
妊娠線は、1度できると消えないので、お風呂上りや乾燥を感じるときなどに妊娠線専用のクリームやオイルをたっぷり塗ることが大事です。
落ち着いているときも無理は禁物
妊娠8ヶ月の妊娠29週は、安定期ではなく妊娠後期です。ときには痛いくらいに元気な胎動を感じる時期です。お腹はさらに大きくなり、赤ちゃんの成長をこれまで以上に感じられるかもしれませんね。
妊婦さんはまだ動ける時期ですが、お腹が大きくなることでお腹の張りを頻繁に感じるようになったり、むくみや1度落ち着いていたおりものが再び多くなったり、身体のマイナートラブルを感じることが多くなるかもしれません。症状が出ていないときに動けるからと、家事や仕事を頑張りすぎて無理をしないように、身体の変化を感じたらすぐに休憩をとるようにしましょう。
妊娠29週は、身体の変化についていくのが大変かもしれませんが、妊婦生活も後半戦です。赤ちゃんとの生活を考えながら、お腹のなかの赤ちゃんにたくさん話しかけて、限られた妊婦さんの時間を大切にすごしましょう。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。