【耳鼻咽喉科監修】妊娠中に副鼻腔炎になったら薬は飲める?正しい治療法

【耳鼻咽喉科監修】妊娠中に副鼻腔炎になったら薬は飲める?正しい治療法

大人の副鼻腔炎の症状

妊娠中、副鼻腔炎になる妊婦さんは少なくないようです。胎児への影響を考えて、妊娠中は抗生物質や痛み止めなどの薬の服用ができない場合にどのような治療を行うのでしょうか。大人の副鼻腔炎の症状と、自然治癒するのかや妊娠中に副鼻腔炎になったときのホームケアについて解説します。

金髙清佳(おひさまクリニック)

妊婦さんは副鼻腔炎になりやすい?

副鼻腔炎は、鼻の周囲にある「副鼻腔」という部分にウイルスや細菌が入って炎症を起こした状態です。

副鼻腔の炎症が長引き、ふく膿が溜まった状態を「副鼻腔炎」と言います。ドロドロとした鼻水や発熱、顔面痛を伴う急性副鼻腔炎と、炎症が慢性化した状態になると慢性副鼻腔炎と言います。(以前は「蓄膿症」とも呼ばれていました。)

副鼻腔炎は、風邪を引いたときにウイルスや細菌が副鼻腔に感染して炎症を起こします。妊娠中は粘膜がむくみやすく副鼻腔の出口が塞がりやすくなることや、免疫力が低下するため、妊婦さんがなりやすい病気の1つでもあります。また妊婦さんが副鼻腔炎にかかると治りにくい傾向にあります。妊娠後期や臨月に副鼻腔炎になったという妊婦さんも少なくないようです。

妊婦さんや大人が副鼻腔炎になるとどのような症状が見られるのでしょうか。

副鼻腔炎の種類と症状

副鼻腔炎には「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」があります。副鼻腔炎の種類によって症状が異なります。

急性副鼻腔炎の症状

頭痛
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  • 頭痛・顔面痛
  • 鼻づまり
  • ドロッとした黄色い鼻水が出る
  • 後鼻漏
  • 鼻や口から嫌なにおいがする
  • 匂いが分かりにくい
  • 発熱
  • 痰の絡む咳
急性副鼻腔炎は、鼻づまりと黄色や黄緑色の粘り気のある鼻水がたくさん出るのが特徴です。鼻とのど、耳は繋がっているため、鼻水がのどに流れてのどに不快感を感じたり、のどの炎症や気管支炎を引き起こす場合があります。

子どもの副鼻腔炎では、顔の腫れや痛みなどで緊急に治療が必要な場合はほとんどありませんが、大人の副鼻腔炎は頭痛や顔面痛の症状が強く出ることがあります。虫歯はないのに歯茎が痛いと感じたり、歯痛を感じることもあります。目の痛みや物が二重に見えるような症状が出る場合もあり緊急の処置が必要になります。

なかには、頭重感で集中力が低下したり、疲労感を感やすくなるなど日常生活に支障がでる人もいます。

慢性副鼻腔炎の症状

  • 鼻づまり
  • 後鼻漏
  • 倦怠感
慢性副鼻腔炎では、頭痛や顔面痛などの痛みはほとんどなく、鼻づまりや鼻水、頭重感や身体のだるさなどの症状が続くことが特徴です。

急性副鼻腔炎は、自然治癒することは稀で、時間がかかるうえ、放っておくと症状が長引いて慢性副鼻腔炎になる可能性もあるため、早めに受診することが大切です。

妊娠中に副鼻腔炎になったときの治療法

妊婦さんが副鼻腔炎になった場合、薬が使用できないこともあるでしょう。妊娠中の副鼻腔炎の治療法をご紹介します。

鼻水を吸引する

妊娠中で薬の服用が限られる場合があります。薬の治療ができないときは、副鼻腔に溜まっている膿を取り除く処置を行います。
鼻水の吸引でばい菌を取り除くと副鼻腔炎の症状が解消することがあります。

鼻を洗浄する

妊婦さんが副鼻腔炎にかかったときの治療法に、鼻の洗浄があります。鼻水を吸ったあと、鼻腔にチューブを差し込んで、専用の洗浄液や生理食塩水で鼻のなかを洗浄します。

ウイルスや鼻水を洗い流すことができるため、鼻のつまりが解消されて症状が緩和されます。専用の器具が必要なため、産婦人科では治療が難しく、耳鼻咽喉科で治療することになります。

ネブライザー療法

ネブライザー療法とは、薬剤を細かい霧状にして、鼻やのどに直接吸入して炎症を抑える治療法です。

耳鼻科では一般的に行われる治療法で、副鼻腔炎の炎症を和らげる効果があります。

妊娠中に副鼻腔炎になったときに薬は飲んでもよい?

妊娠中の薬の服用
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副鼻腔炎の治療では、鼻水や痰を切る薬や、炎症を抑える痛み止めのほか、抗生物質が処方される場合があります。

しかし、妊娠初期は胎児の器官が形成される時期なので、お腹の赤ちゃんへの影響を考えて抗生物質など薬を使わない治療法を勧める病院もあります。

妊娠中期や後期では比較的安全性の高い薬を処方できる場合も多いので、耳鼻咽喉科に相談しましょう。

妊婦さんは妊娠時期によって飲める薬の種類が変わってくるため市販薬は使わず、医師の指示に従うようにしましょう。

妊娠中の副鼻腔炎のホームケア

妊婦さんが副鼻腔炎になったときには、どのように対処したらよいのでしょうか。

加湿をする

副鼻腔炎の症状に鼻づまりがありますが、加湿加温をすると鼻づまりが改善されます。加湿器を使ったり、飲み物は温かい物を選ぶようにしましょう。

温めたタオルで顔を覆うと蒸気で鼻のなかが温まり、鼻づまりの症状が和らぎます。

マスクを着用する

マスクを着用すると自分の息で鼻の中が保湿されるため、症状が緩和されることがあります。

こまめに吸引をする

うまく鼻が咬めない場合には市販の吸引器を使ってこまめに吸引をするのも1つの方法です。

鼻水がつまって吸いにくいときには、お風呂で身体を温めると鼻水が出やすくなり、吸引しやすくなります。

妊娠中の副鼻腔炎は我慢せず受診しよう

妊娠中の副鼻腔炎は早めの受診をする
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妊娠中は免疫力が下がり、風邪を引きやすくなります。風邪から副鼻腔炎になる妊婦さんは少なくないようです。

大人の副鼻腔炎は子どもと比べて頭痛や顔面痛の症状が強く出たり、発熱を伴うなど症状が重たくなる場合があります。

つらい症状が続くと薬を飲んで症状を少しでも和らげたいと思うかもしれませんが、妊娠初期はお腹の赤ちゃんの影響を考えて抗生物質など薬の服用ができない場合があります。鼻水を吸引したり、鼻の洗浄やネブライザー療法は、妊婦さんでも治療ができます。

部屋を加湿したり、マスクの着用や鼻水をこまめに吸引すると、副鼻腔炎の症状が緩和できるかもしれません。妊娠時期や薬の種類によっては副鼻腔炎に効果的な薬を妊娠中でも処方できる場合もあるので、我慢せずに受診することが大切です。

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金髙清佳(おひさまクリニック)

横浜市立大学医学部卒。耳鼻咽喉科専門医。補聴器相談医。大学病院や地域の中核病院で研鑽を積んだ後、おひさまクリニックにて耳鼻咽喉科を担当。小児から高齢者まで幅広く対応しています。

おひさまクリニック

2020年02月10日

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