建築家と建てる家、建築家住宅とは?

ひと口に「マイホーム」と言っても、今は多様な選択肢があります。ハウスメーカーの建売住宅を買う、工務店に家の設計から建築までお願いする、などさまざまです。

多様な選択肢の中で、建築家との家づくりが実現する「建築家住宅」が最近注目されています。 

建築家住宅は、家を建てたい人の要望を建築家がヒアリングをし、ライフスタイルや暮らし方に合わせてプランニングするため、ずっと思い描いていた理想の家をかたちにすることができる注文住宅です。

「でも建築家って近寄りがたいイメージがあるし、金額も高くなりそうで心配。要望とかも伝えづらそう…」というイメージを持っている読者も多いと思います。

そこで、建築家が設計したR+house国分寺モデルハウスの見学会に行き、内部の様子や全体的な印象、住み心地などを、読者代表ママ3人と一緒にチェックしてみました。

当日は、モデルハウスを設計された白子秀隆建築設計事務所の白子先生、施工されたR+house国分寺店(株式会社リガード)の谷関さんがご案内してくれました。

理想のオシャレな家に出会える!建築家住宅見学会

見た目のデザインだけで終わらない。家族の視線や会話をデザインした建築家住宅

R+house国分寺モデルルーム
外観はR+houseオリジナル部材のミナモと木を組み合わせ、モダンなのに温かみのある雰囲気に(撮影=野秋達也)

今回見学に訪れたモデルハウスの基本データ

【外観】

ミナモと木が融合したデザイン。モダンでスタイリッシュなのに、温かみを感じられるのが特長。

 

【間取り】

1Fに寝室と子ども部屋(パーテーションで後から分割可能)トイレ、そして土間、パティオ(中庭)。2FにLDKとお風呂、トイレ、バルコニーです。

 

【広さ】

27坪

文字にすると、いたってスタンダードな家のよう感じられますが、どんなところに建築家住宅ならではの魅力があるのか探ってみましょう。 

「通り土間(庭)」のある家が魅せる空間

小林さん、忍さん、古屋さん
玄関を開けた瞬間、「お~っ」と歓声が聞こえました(左から小林さん、忍さん、古屋さん)
土間スペース
ママたちの歓声の理由は、右の土間スペース(撮影=野秋達也)

まず、読者ママ全員が玄関を入って「おーっすごい!」と歓声をあげたのが、玄関から裏庭へ続く1Fの右半分に配された「中庭風の土間」です。

建築家の白子先生に土間スペースのポイントを伺いました。

白子先生
白子先生

この家のコンセプトが<通り庭のある家>です。都内だと庭つき一戸建ての広さを確保するのが、なかなか難しいですよね。

『ならば家の中に庭を感じられるスペースを作ってみよう』と思って形にしてみました。京都の町家に近いイメージです。

小林さん
小林さん

土間があると、家の中なのに外っぽく感じられて、開放感ありますね。

忍舞さん
忍舞さん

この土間って外履きを使った方がいいのでしょうか?

白子先生
白子先生

外履きかスリッパかは正解はないですね。住む方が土間の使い方を決めたらよいと思います。

土間は、使う用途もその家の家族構成やライフスタイルによってカスタマイズできます。例えば、子どもが小さいうちはベビーカーを置くスペースにし、大きくなったら帰宅後に手足の泥を落とすスペースとして活用することもできます。

また、『絵の具やクレヨンが床や壁についたらどうしよう…』と考えがちなお絵かき遊びも、土間なら思い切りさせてあげることができるのではないかと思っています。

土間
子どもが小さいうちは土間をベビーカー置き場として活用したいという案も出ました
白子先生
白子先生

左側の廊下と土間に約15cmの段差があるので、腰かけると縁側にいる気分も楽しめます。

小林さん
小林さん

本当ですね。なんかホッとする~。座るとちょうどガラス越しに庭が見えますね。

古屋さん
古屋さん

雨で遊びに行けないときに、土間で遊ばせられて便利かも。

忍舞さん
忍舞さん

ガーデニングの準備にも使えるし、パティオ(1F奥にある小さな庭)で水遊びさせる際のお着替えスペースとしても使えそう!

小林さん
小林さん

なかなか自分たちだけでは考え付かないから、こういう提案してくれるのがいいですね。

土間
土間に足を下ろしてすわると、縁側に座っている気分に(真ん中上が白子先生)

読者ママみんながこの「土間スペース」に驚きつつも、「こんな風に活用できそう」と、住んだ後の具体的なイメージをわかせていました。

「土間」は、ママたちから大好評でした。その他もみてみましょう。

寝室の収納もたっぷりで、子ども部屋も一緒に「成長」できる工夫が

窓の高さと位置を工夫して狭いながらくつろげる空間に

寝室
ベッドにすわると外の人と目線が合わないよう工夫が

続いて寝室をチェック。広さ約4.5帖とのことですが、「思った以上に広く感じられた」というママの意見が見受けらました。

白子先生
白子先生

この家は全部で27坪と、決して広くはありません。なので、コンパクトにできるところはしています。寝室もその1つ。

でも圧迫感があると住みづらいので、窓の位置と高さを工夫して、開放感を出しています。

忍舞さん
忍舞さん

確かに窓が高い位置にあると、抜け感があって広く感じますね。

小林さん
小林さん

ベッドに座った時に、外を歩いている人が見えないのもいい。安心してダラッとできそう(笑)

気になる収納スペースも広々

マイホームを検討するにあたり「収納スペースがどのくらいとれるか」「収納の広さが気になる…」というママは多いでしょう。

白子先生
白子先生

実際にそういった要望は多いので、できるだけ収納は広くなるように設計しました。

全体的な広さから考えて、読者ママ全員がコンパクトな収納スペースを想像していたようで、収納スペースをチラッとのぞいた瞬間、

小林さん
小林さん

こんなに広いなら、寝室にタンスを置くスペースを考えなくていいのが魅力ですね。

忍舞さん
忍舞さん

歩けるほど広くて驚き!物も探しやすそう。

収納スペースなど、こちらの細かい要望を伝えて形にしてもらいやすいのも、建築家注文住宅の特長の1つと言えます。

家族の成長によって住み方を変えられる部屋

子ども部屋
扉を2つつけ、将来2部屋にできるようにしているそう

子ども部屋は、約6.5帖。ここは1部屋なのに、なぜか扉が2つ。その理由を聞いてみると、

白子先生
白子先生

子どもが大きくなったら、中央をパーテーションで仕切って使えるよう、2つ扉を作りました。子どもの成長とともに部屋もできるようにしたのです。

忍舞さん
忍舞さん

なるほど~。部屋の大きさを変えられるのって魅力的。

白子先生
白子先生

例えば、お子様が小さいときはこの部屋を寝室にして、家族みんなで寝ていただいても良いと思います。逆に『子ども部屋はもう少し狭くてもいい』という場合は、コンパクトにし、その代わり寝室を広くとるという方法ももちろんOKです。

ご家族のスタイルにあわせて快適に長く住んでいただける家を提案します。

古屋さん
古屋さん

なるほど~。この広さなら充分。子どもが成長したら別の使い方が想定できるのもいいですね。

家族の今の状況、将来の生活スタイルまで考えて設計し、フレキシブルに部屋を活用できるという点に、読者のみなさんは魅力を感じているようです。

中2階
1Fと2Fをつなぐスペースも、建築家・白子先生の技によって素敵なスペースに変身!(撮影=野秋達也)
中2階
「ここならボーっとするのにちょうどいいかも」中2階でくつろぐ忍さん

また、この家の大きな特長として中2Fにフリースペースが設けられています。

白子先生
白子先生

ここは1Fとも2Fともつながることができるスペースなので、ここで作業しながら、1階と2階どちらのフロアにいる家族とも会話できるんです。

忍舞さん
忍舞さん

フリースペースなので、机を置いてプチ書斎、椅子だけ置いて窓から外を眺めつつ、お茶する空間など、発想次第でさまざまなスペースに活用できそう。

小林さん
小林さん

ハンモックとかつるしてゆっくりするのもすてき。

単なる階段の中間になりがちなスペースも、うまく活用することで魅力的な空間になることがわかりました。

段差を活かし、みんなが「一緒」に楽しめるLDK

段差を活かしたLDK

リビングダイニング
ダイニングよりリビングが1段高くなっているのが面白い

2Fで目をひくのが、リビングとダイニングの「段差」です。

白子先生
白子先生

段差をつけると、目線が変わるので広く感じたり、楽しい気分になれるんです。

忍舞さん
忍舞さん

確かに。何気ない段差なのですが、段差に座ると椅子に座るよりもなんだかホッとしますね。

また、段差が上がったスペースの壁に沿ったスペースにベンチが設置されているのも気になります。

リビングダイニング
リビングのスペースを有効活用するために、ソファの代わりに壁付のベンチに
白子先生
白子先生

これは、よく『新居にうつったらソファを置きたい』という方が多くいらっしゃいますよね。

小林さん
小林さん

そうですね。私の周りにも多いかも。

白子先生
白子先生

でもソファはスペースをとるし、みなさんを見ていると意外とソファに座らず、ソファによりかかって床に座っていることって多いですよね。

そこでソファと同じようにゴロンとでき、場所を取らないを作りました。

古屋さん
古屋さん

今、子どもが伝い歩きするのにちょうどいいし、成長したらベンチをテーブル代わりにして遊べそうなので、いいですね。

段差を上ったり下りたりするのも、楽しそう!

小林さん
小林さん

ソファを置くとテレビの位置も自ずときまってしまうから自由度がなくなって…。ベンチのアイデア、いいですね!

シンクからテーブルが続き、作る人も食べる人も一緒に楽しめる空間に

キッチンダイニング
みんなでパーティーを楽しめるよう、アイランドキッチンからダイニングテーブルがひと続きに(撮影=野秋達也)

キッチンでぱっと目に留まるのは、決して広くないスペースにシンクが2つあること。

白子先生
白子先生

今、ホームパーティーや友達家族を呼んでをする人が増えていますよね。

でも、料理を作る人って孤独になりがち…。

そんな状況をふまえてように、キッチンを2つにし、キッチンからダイニングテーブルまでひと続きにしてみました。

さらに、このダイニングテーブルは、脚の長さが左右で異なっていて、少し移動させると、テレビのあるリビングでも卓袱台として活用できる工夫が施されています。

キッチン
テーブルの左右の脚の長さをかえ、リビングでも使えるような仕様に
忍舞さん
忍舞さん

小さいと、ずっと椅子に座っていると飽きちゃうから、座る場所を変えられるのは、子どもにとっても親にとってもストレスが減らせそう!

吹き抜けに向けて窓をつけることで、孤立感のないランドリールームに⁉

ランドリールーム
ランドリールームは広めで洗濯以外の活用法もできそう

できるだけスペースを有効活用するために、お風呂とトイレ、ランドリールームは、「ひと部屋」のようなつくりになっているのも特長です。

特にランドリールームは、家の中に向けた窓辺風のスペースをもうけることで、洗濯して、干すというお洗濯のためだけではなく、さまざまな使い道ができるようになっています。また、家事をしている時にも家族との繋がりを感じられる工夫が、随所にちりばめられていました。

小林さん
小林さん

このぐらい広いと、洗濯物を干した後、この窓辺から家の中を眺めながら、ボーっとリラックスしたり、椅子を持ってきて読書してもいいですね。

また、リビングの様子も見られて安心リビングにいる子どもや夫とも会話が楽しめますね。

古屋さん
古屋さん

トイレが広いので、子どものトイレトレーニングもスムーズにできそう!

忍舞さん
忍舞さん

ランドリールームの床はセメント調のタイルなので、もっと寒いと思ったのに、暖かいのにビックリ!

ランドリールーム
「ランドリールームなのに出窓があるのが素敵」と、ママたちもお気に入りに
ランドリールーム
ママたちからは「セメント調のタイルの床なのに寒くないのも魅力!」という意見も出ていました
白子先生
白子先生

断熱性と気密性をしっかり確保しているからこそ、窓を大きくとったり開放的なプランにしても、冬は暖かさを、夏は涼しさをキープできるんですよ。

一戸建ての場合、玄関やお風呂場等は冬は寒く、夏は暑くなりやすい印象をもっていましたが、R+house国分寺モデルハウスは家中が快適な温度なのにも、読者ママは驚いた様子でした。(見学に伺った当日は雨が降っていて寒い日でした。)

座談会で学んだ、断熱性や気密性等の住宅性能が良いからこそ、建築家のアイデアを活かせることを見学会を通して知ることができました。

「建築家住宅」のイメージが変わったという声が!

見学会を終えて、読者ママたちに感想を聞いてみました。

小林さん
小林さん

木のぬくもりと無機質なコンクリートの組み合わせが絶妙ですね。木は経年すると深みが増し味がでるので、もっと素敵になりそう。

また、スイッチ類などもスッキリしたデザインになっていて。そういった細かい部分にまでこだわれるのがいいなと思いました。

忍舞さん
忍舞さん

本当に素敵なお家で、感動しました。帰宅後、現実をみて『あ~あっ』となりそうで怖いです(笑)。今まで典型的な2階建ての家しか見学に行ったことがなかったので、『こんな風にもできるのだ』など、いろいろ発見がありました。今度は夫も一緒に連れてきたいです。

古屋さん
古屋さん

中2Fがあるのがいいですね。電話がかかってきてちょっとしゃべりたいときとかに便利そう。それと、窓=寒くなるというイメージがありましたが、断熱の話を建築家の先生から聞いて『窓をあきらめなくていいんだ』というのがわかったのも大きな収穫です。

今まで先入観から「あきらめよう」「無理そう」と思っていたことも、建築家注文住宅のモデルハウス見学会に参加してみて「建築家さんとなら理想の住まいがかなえられそう」「細かい要望も気さくに伝えられ、反映もしてもらえる」ということがわかりました。

また、自分ではなかなか想像できない、建築家ならではのスペースの新たな活用法を学ぶことができたようです。

バルコニー
2Fのバルコニーは、省スペースながらも庭のような「外」気分が楽しめる

プロならではの提案や工夫を体感できる建築家住宅

今回、建築家注文住宅の見学を通し、

「家事している時に孤立せず、食べている人といっしょに楽しめる=空間が一続きになったキッチンダイニング」

「別の部屋にいても会話が生まれて、つながりを感じられる=中2階のスペース」

「家の中なのに庭を感じられる=1F土間スペース」

など、「ちょっと無理かな」「欲張りすぎているかな」と感じる希望も、建築家の先生に相談することで、実現できる、工夫をすることで近づくことができることがわかりました。

27坪という決して広くはない敷地ながら、10人入っても全く窮屈感がない点も驚き(今回取材メンバー含め、総勢10名で参加させていただきました)。

また、取材当日は冷たい雨でとても寒い日でしたが、性能のよいお家は部屋のすみずみまで暖かくポカポカ。快適に過ごすことができました。

参加した読者のママたちも「建築家の先生にお願いするマイホーム、希望が叶えられるし、オシャレでありながら機能的で住む楽しさがふくらむ!」という意見で盛り上がっていました。

建築家住宅をみたい!

見学会で建築家のデザイン、高気密・高断熱を体感しよう

リビング

「建築家が建てる家=費用がかかるので限られた人にしか叶わない…」と思われがちですが、R+houseの建築家住宅は「建築家と建てる家を、身近に、手軽に。」というコンセプトのもと、暮らしやすさ、デザインと性能、低コストの全ての共存を実現しています。

R+houseでは全国で[理想の建築家住宅見学会]を開催しています。

当日は、家づくりのプロである住宅会社スタッフがご案内してくれますので、

「建築家住宅ってどんな家?」
「高気密高断熱の家ってどう違うの?」

と思われている方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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2019年04月01日

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