【小児科医監修】熱性けいれんは幼児がかかりやすい?種類別の原因と症状

【小児科医監修】熱性けいれんは幼児がかかりやすい?種類別の原因と症状

後遺症になる確率は?

子どもにひきつけ症状が見られると焦るでしょう。ひきつけには高熱を伴うものや熱を伴わないものなどいくつか種類があります。幼児に多いひきつけと原因、対処法についてご紹介します。また、ひきつけで後遺症が残るのかについても解説します。

千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)

ひきつけとけいれんの違いは?

ひきつけとけいれんは同じ意味です。子どものひきつけの原因は、子どもの年齢によって変わってきますが、新生児だと、先天性要因が関係している場合もあるようです。幼児だと、激しく泣いたときや怒ったとき、脱水症状を引き起こしたときや高熱が出てひきつけを起こす場合があります。

子どものひきつけの種類別に原因や症状を詳しく解説します。

熱性けいれん

原因

子どものひきつけは、発熱が原因で起こることが多く、高熱をともなうひきつけは「熱性けいれん」といいます。

脳がまだ十分に発達していないことや遺伝的な要素が原因と考えられています。

症状

  • 両手両足が硬く突っ張ったあとに両手両足をガクガク震える
  • 白目をむく
  • 唇が紫色になることがある
  • 意識がなくなる

熱性けいれんの発作はほとんどの場合、2~3分以内に治まることが多いです。
熱性けいれんは、1度のみの子どももいれば、発熱のたびに繰り返す子どももいます。

てんかん

原因

てんかんの原因は、脳に何かしらの傷や障がいがあることによる脳内の異常放電です。

その異常脳波の拡大の仕方で「全般てんかん」や「焦点性てんかん」に分類されます。

症状

  • 意識を失う
  • 全身硬直
  • 全身がガタガタとけいれんする
  • 全身脱力して倒れる
  • 手足のしびれ
  • 突然動作が停止する
  • 突然手足がビクンとけいれんする

てんかんの症状は数多くあり、一律ではありません。

てんかんは熱がでないで、ひきつけの症状を繰り返すことが特徴です。

憤怒によるけいれん

激しく泣く幼児
iStock.com/yaoinlove

原因

激しく泣いたあとに呼吸がしづらくなり、けいれんが起こります。

症状

  • だんだんと顔色が悪くなる
  • 皮膚や粘膜が青紫色になるチアノーゼを起こす

赤ちゃんが激しく泣いたあとに上記のような症状が起こったら憤怒けいれんでしょう。

なかには、意識をなくして全身けいれんを起こす場合もあります。泣き入りひきつけと呼ばれることもあるようです。

ほかにも、潜在的な鉄欠乏状態により症状が不安定になっていることもあるので、すぐに症状がおさまった場合でもかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

子どもはひきつけを起こしやすい?

子どもの脳は大人と比べるとまだ十分に発達していないため、発熱などの刺激でひきつけを起こしやすいです。

特に熱性けいれんは、生後6カ月から5,6歳くらいの子どもがかかりやすい幼児の病気なので、子どもが発熱した場合などには注意が必要です。


ひきつけから後遺症が起こる?

ひきつけから後遺症を起こすことはほとんどなく、自然と治まる場合がほとんどです。しかし、約3%の子どもはてんかんの後遺症を引き起こすケースがあるといわれています。てんかんを引き起こすのは、今まで熱性けいれんを起こしたことのない子どもの方が多いといわれています。

現在は、熱性けいれんのあと、てんかんを防ぐ予防法はまだありません。

ひきつけの予防法

こまめな水分補給

水分補給をする子ども
iStock.com/Sasiistock

脱水症状がひきつけを起こす原因ともなるため、こまめな水分補給が大切です。特に、体内の水分の割合が多い乳幼児はママが意識をして水分補給をするようにしましょう。

冷やす

熱性けいれんの場合は、熱が出始めて24時間以内に症状が出る場合が多いです。子どもの熱が上がり始めたら、冷却剤や氷のうなどで頭や首の後ろ、脇の下などを冷やすことです。

栄養バランスのとれた食事

バランスのとれた食事は身体の免疫力を作ります。免疫力が上がると、病気にかかりにくくなります。

受診の目安

熱を伴わずにひきつけの症状があるときはてんかんかもしれません。てんかんは病院での治療が必要です。子どもが初めてひきつけを起こしたときや熱を伴わないひきのつけ症状のときは必ず受診しましょう。

また、ひきつけ症状が5分以上続くときや、ひきつけが身体の一部や左右対称でない場合、ひきつけのあと子どもがぐったりしたり、意識がはっきりしないときには迷わず受診することが大事です。

ひきつけ症状は慌てず、正確な対処が大事

冷却剤で熱を冷ます幼児
Mama Belle and the kids/Shutterstock.com

子どもは、高熱などの刺激からひきつけを起こしやすいです。子どもがひきつけを起こすといつもと違う姿に焦るでしょう。

高熱を伴うひきつけ症状の熱性けいれんは、子どもに特に多く見られます。熱性けいれんや憤怒けいれんは少し様子をみると自然に治まる場合も多いですが、5分以上持続するなら、救急受診しましょう。また、無熱性のけいれんでてんかんが疑われる場合は受診が必要です。

こまめな水分補給や栄養バランスのとれた食事を心がけ、熱がで始めたら身体を冷やすなどの対策をすることでひきつけの症状が起こるのを防げるかもしれません。

ひきつけの様子や持続時間、子どもの意識など子どもの状態をよく観察することが大切です。

監修:千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)

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千葉智子(上高田ちば整形外科・小児科)

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上高田ちば整形外科・小児科 副院長。

小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。

上高田ちば整形外科・小児科

2019年06月29日

専門家のコメント
6
    ゆう先生 保育士
    教え子に熱性けいれん持ちの子どもがいました。身近では甥っ子が熱性けいれんにかかりました。救急車を呼ぶほど危なかった時もあり、一度かかると再発しやすくなるようです。水分補給や、バランスのとれた食事など基本的なことが大切なんだと改めて実感しました。
    ゆき 保育士
    熱性痙攣は保育園で勤務しているとかならず熱が上がった際には気をつけなければいけません。 1度経験した子は熱が上がった時は要注意で頻回に体温を計測、数回ある子は保育園で病児対応していても37.5度になったらお電話させていただいていました。
    かよう先生 保育士
    ひきつけにも種類があって症状を見極めて受診することが大切だと思いました。
    よっしー【シッター】 保育士
    大人がパニックになってバタバタすると、周りの子どもや兄弟もパニックになり、二次的被害も考えられます。 熱性痙攣もてんかん発作も対応したことがありますが、卒倒して頭部を強打することが1番怖いです。 まずは安全確保して体を横にすること。体が強張っているので、無理やり動かして後々痛くならないように、力加減も考えてくださいね。 次に原因に合わせた処置。 というように冷静に対処することが大切だと思います。
    かよう先生 保育士
    熱性けいれん、症状が見られたら早めに適切な対処が本当に大事だと改めて感じました。 症状の把握しておきたいです。
    まな先生 保育士
    ひきつけにも症状があるので、パニックにならずによく観察して正しい対処をしようと思いました。 何分続いたのか、手足はどうなっているか、意識は戻っているか、ぐったりしていないか など観察し、また、どう対応すべきなのか知識が必要だと思いました。

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