【専門家監修】早期教育で「音楽」を学ばせたい!メリットやデメリット、楽器別の教育の特徴

【専門家監修】早期教育で「音楽」を学ばせたい!メリットやデメリット、楽器別の教育の特徴

子どもに音楽の早期教育をしたいと検討しているママやパパは多いのではないでしょうか。色々な楽器や教室があり、進め方に悩んでしまう方もいるかもしれません。今回は、音楽の早期教育についてメリットやデメリットのほか、音楽の早期教育で何を習うか、早期教育のポイント、ママたちの体験談についてご紹介します。

「音楽」の早期教育は必要?

※写真はイメージ(iStock.com/Melpomenem)
※写真はイメージ(iStock.com/Melpomenem)
小学校入学前の未就学児に対して、知識や技術の向上を目的に行われる「早期教育」。

その中でも「音楽」の分野では、小さい頃から音楽に触れる生活や教育を受けることで、音やリズムに関する能力が培ったり身についたりすると言われています。

年齢が低いほど効果が望めるという説もあることから、ママのお腹にいる胎児のうちからクラシック音楽などを聴かせるという方もいるでしょう。

大手の幼児向け音楽教室では、様々な楽器の種類ごとに1歳から2歳、3歳児コースと細かくクラス分けされている教室もあります。

「音楽」の早期教育で期待できるメリット

音楽の早期教育で期待できるメリットについてご紹介します。

絶対音感や相対音感が身につきやすい

幼児期の頃にたくさんの音楽を聴いたり歌や楽器を学ぶことで、将来、音楽の色々なニュアンスを聞き分けたり、絶対音感や相対音感が身につくこともあるかもしれません。

スムーズに楽譜を読めるようになる

音楽の早期教育で小さいうちから楽譜に慣れておくと、大人になってから始めるよりもスムーズに楽譜を読めるようになることもあります。

楽譜は、子どもでも最初は五線の線と間を区別して読むことから始めますので、なかなか覚えられない子どももいますが、幼少期から始めることで楽譜に慣れることができます。

自己肯定感の高まりにつながる

早期教育を通して、人よりもうまく弾ける、得意なことができる、レベルの高い曲にトライするといったことができるようになると、子どもに自信がつきやすいでしょう。

自己肯定感が高まると、何でも積極的に挑戦しようとする意欲がわきやすいほか、自分の短所や他人の事も受け入れられる人に成長するかもしれません。

得意分野がみつかったり可能性を広げられる

ピアノとヴァイオリンなど複数の習い事を色々と体験してみることで、より興味を示す楽器や事柄が見つかる可能性もあります。

また、性格においても、実は活発な一面をもっていた、負けず嫌いだった、音楽に関しては好奇心旺盛な一面をもっていたなどのこれまで気づかなかった意外な発見をすることもあるでしょう。

得意なことがみつかった場合は、より専門的に学べる教室に入れば、さらに能力を伸ばせたり将来の職業として音楽が選択肢の一つになるかもしれません。

小学校に入ってから音楽の授業が理解しやすい

※写真はイメージ(iStock.com/Milatas)
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小学校入学前に、音楽の基礎が身についていれば、入学後の音楽の授業もスムーズに取り組みやすいでしょう。

先生にも褒めてもらえる回数も上がる可能性があり、それによって「もっと頑張ろう!」とやる気につながるかもしれません。

「音楽」早期教育のデメリット

音楽の早期教育ならではのデメリットについてご紹介します。

能力を維持するのが容易ではない

音楽の早期教育によって他の子どもよりも秀でた能力が身についたとしても、それを維持し続けることは簡単ではありません。

コンクールをたくさん受けることでコンクール燃え尽き症候群のようになってしまったり、せっかく上手くなったのに受験等で音楽を止めてしまう子どももいますが、音楽は本来勝ち負けを競うものではなくのびのびと続けていくことが大切でしょう。

楽器代やレッスン費がかかる

楽器の種類や音楽教室によっては、初期費用や毎月のレッスン代に高額なお金がかかる場合があります。

例えばピアノを用意するのであれば、アップライトピアノの新品なら安くても70万前後、中古でもおよそ40万円前後します。比較的安い電子ピアノでも10万円以上はかかるでしょう。

また、ヴァイオリンだと成長に合わせてサイズが変わるため、その都度買い替えが必要になります。

子どもの体に負担がかかる

その楽器を扱う骨格が備わっていない幼児期に、無理に楽器演奏をすることで体に負担がかかることがあるようです。

心配な場合は、まずは楽器を使わずに楽しめるリトミックやソルフェージュなどから始め、楽器を使うのは体格がしっかりしてくる3~4歳以降からなど、子どもの成長に合わせて始めるようにしましょう。

早期教育のデメリット

早期教育で懸念される一般的なデメリットについてご紹介します。

自主性や想像力、積極性が抑制される

早期教育では、親や先生が子どもに一方的に課題を与えて、それをこなすといったパターンが多いかもしれません。

そうすることで子ども自身の本来やりたいことができず、自主性や想像力、積極性が抑制されてしまう場合もあるようです。

周囲から浮くことがある

他の子との能力の差などから浮いてしまうケースもあるかもしれません。

また、楽器などの練習に熱心になりすぎてテレビを見たりする時間が削られる結果、メディアからの情報に疎くなると他の子との会話でついていけない場合もあるでしょう。

子どものストレスになる

※写真はイメージ(iStock.com/vejaa)
※写真はイメージ(iStock.com/vejaa)
音楽の早期教育に時間を割きすぎて子どもの遊ぶ時間が減ったり、親が過度に期待して教育が訓練になってしまうと子どものストレスになることも。

また、知識を頭に詰め込むことに重点を置いた詰め込み式教育では、心身に与える負担が大きいという説もあります。その負担のために睡眠不足を引き起こし、慢性的な体調不良の原因となる場合もあるようです。

「音楽」の早期教育で何を習うか

音楽の早期教育では何を習うのか、それぞれの教育の特徴や期待できる効果、懸念点などをご紹介します。

リトミック

スイスの作曲家 エミール・ジャック=ダルクローズ氏が、19世紀後半頃に開発したリトミックは、音楽と動作(運動)を掛け合わせたプログラムを中心とした、0歳から始められる音楽教育です。

初めての習い事として人気が高く、多くの幼稚園や保育園でも取り入れられています。

リトミックは、幼少期から続けることで聴力や感性を磨くことができると言われ、読み書きや計算、運動、創作を取り組むための基礎能力も身につきやすいと言われています。

また音楽教室によっては、入会の際リトミックに効果的な知育おもちゃセットがもらえることもあります。

歌うボーカルコースは3歳頃から始めることができ、童謡や合唱、英語の曲などを歌うほか本格的な歌の技術を学んだりできる教室もあります。

小さいうちからボイストレーニングをすることで、リズムや音程のとり方といった歌うために必要な基礎のほか、腹式呼吸など声帯を痛めないための正しい発声方法も身に付くかもしれません。

また、歌うことで姿勢が良くなったり、感受性や表現力も養うことができるでしょう。

ソルフェージュ

ソルフェージュは、主に楽譜に慣れることを目的とした教育で、ロジカルな側面をとりいれながら音楽を学びます。

2歳頃からレッスンを受けられる音楽教室もあり、リズム感や音感といった基本的な音楽の力なども身につけることができます。

ピアノの鍵盤それぞれに違う色のシールを貼り、音や、声を合わせていったり、鍵盤の色と同じ色のペンでお絵描きをしたりするなど、遊びを取り入れた内容もあるようです。

ピアノ

※写真はイメージ(iStock.com/Kativ)
※写真はイメージ(iStock.com/Kativ)
ピアノは、指で鍵盤を押さえられるようになってくる3歳頃から習うのが望ましいようです。

ピアノの演奏は、両手の指をバラバラに動かしながらメロディや伴奏を弾き、さらに足でペダルも踏む複雑な動きをします。そのため、他の楽器を習う場合と比べると、脳機能が大きく向上しやすいという説もあります。

また、自宅で練習するための楽器としては、アップライトピアノやグランドピアノ、電子ピアノ、ハイブリッドピアノがあります。

アップライトピアノ、グランドピアノは、弾く人やタッチによって多彩な音色の違いが表現できます。また、ハイブリッドピアノは、グランドピアノのアクションを内蔵した電子ピアノで、ヘッドフォンの使用も可能です。

電子ピアノは、音量調節やヘッドフォンで防音対策に適していますが、誰が弾いても同じ音色になるのが特徴です。

ドラム

ドラムは、誰でも叩けば音が出せるため、子どもにとって親しみやすい楽器でしょう。

見た目も音も大きく、楽器を奏でるというより、おもちゃやアトラクションを楽しむ感覚で興味を示す子は多いかもしれません。

感覚で本能的に演奏できる楽器なので、活発で落ち着きない子どもも違和感なく楽しめるようです。4歳頃から、子ども用の小さなキッズドラムやカクテルドラムでのレッスンを受けられる教室もあります。

両手両足を使って色々な音が出せるため、たくさんの刺激を受けながらリズム感やバランス感覚、全身の運動能力を鍛えられるかもしれません。

一方考えられるドラムのデメリットは、他の楽器に比べても音量が大きいので家で練習しづらいことや音量による耳への影響などがあります。

イヤープロテクター(耳栓)で保護したり、家では電子ドラムで練習するなどして対策しましょう。

ギター

ギターは、4歳頃になれば習い始めるには十分な年齢と言われています。

おもちゃのギターを与えたり、親が演奏している姿を見せるなどして興味がもてるような環境に触れることで、習い始めもスムーズかもしれません。

ギターを習う際は、大人用のギターは大きくて抱えられないため、子ども用のキッズギターを使います。ギターの種類は、弦がナイロン製で抑えやすく、演奏をピックではなく指で行うクラシックギターがおすすめです。

また、キッズギターでも子どもが重たがる場合は、ギターと構造が似ているウクレレからスタートしてみましょう。

ヴァイオリン

※写真はイメージ(iStock.com/Asia-Pacific Images Studio)
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ヴァイオリンは手でしっかり持って演奏する楽器のため、物を上手につかめるようになる2~3歳頃から習い始められるでしょう。

具体的には、子供用ヴァイオリンの一番小さいサイズが持てるかどうかが目安になります。

ヴァイオリンは、まず持ち方や姿勢をマスターした後に弾き方を練習する流れとなり、長い時間をかけて体に習慣をつける必要があります。そのため、なるべく早いうちから始めて弾き方の癖をつけるのが良いと言われています。

ヴァイオリンを習うことのメリットは、弦を押さえながら弓で音を出すという、左右バラバラの手の動きをすることからとても高い集中力が磨かれ、良い音を出すために正しい姿勢も自然と身に付く点です。

逆にデメリットは、ピアノやドラムのようにすぐに音が出る楽器ではなく、成長に合わせて楽器を買い替える必要も。また、弓や弦の調節や姿勢、指ポジションのチェックなど日々の練習時の親の役割が多いことも弦楽器の特徴です。

「音楽」の早期教育を行う時のポイント

音楽の早期教育を行う時のポイントについてご紹介します。

子どもの個性と向き合う

子どもは、1人ひとり性格や成長具合が違うため、どんな遊びや勉強が好きかは様々でしょう。

楽器の演奏が面白くて長く続ける子もいれば、音楽の習い事をしても続かない子もいるかもしれません。

また、他の子と競わせた方がモチベーションが上がる子もいれば、逆にそうすることでプレッシャーに感じてしまう子、最初から前向きに取り組む子もいれば、段々とのめり込んでいく子もいるでしょう。

その子の個性を理解したうえで、それぞれの成長段階に応じた早期教育の環境を整えてあげることが大切です。

音楽や楽器に自然に興味がもてるような環境を整える

将来のためにぜひ習わせたいといった場合は、おもちゃの楽器を与える、家で音楽を流す、音楽体験ができるイベントに参加するなど、音楽に関する多様な経験を通して自然に興味をもてるようにしましょう。

同年代の子どもが楽器演奏している姿や本格的な生のコンサートを見聴きしたり、音楽教室を見学した帰りにレストランやショッピングをして楽しい思い出ができたことで、興味を持ち始めるケースもあるようです。

子どものモチベーションを保つ工夫をする

子どもは、長時間集中するのがむずかしく、15分のレッスンでもじっと座っていられない子もいるでしょう。

練習に飽きてしまうと上達しにくかったり、レッスンや楽器を嫌いになってしまう可能性もあります。子どもがその習い事を長く続けられるような工夫をしましょう。

親子で一緒に練習する、同世代のライバルを見つける、家族や友達を呼んで演奏会を開き練習成果を披露するなどの工夫を試す方もいるようです。

相性の良い講師と出会う

音楽教室の講師と子どもとの相性が良くないと、長く続かずレッスンやその楽器自体を嫌いになってしまうことも。

子どもがあまりレッスンを楽しめていない場合には、思い切って別の講師を探した方がよいかもしれません。また、複数の講師が所属する教室の場合は、教室の事務や代表等に講師の変更について相談してみましょう。

「音楽」の早期教育に関するママたちの体験談

※写真はイメージ(iStock.com/Asia-Pacific Images Studio)
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音楽の早期教育に関するママたちの体験談についてご紹介します。
 
次女が1~2歳のころに、興味を持つかどうかをとりあえず試すためにヤマハの親子音楽教室に通いました。音楽が心を育てると思ったのと、子どもと一緒に楽しめることをしたかったからです。

しかし、同じ年齢の子は親子で楽しくカスタネットをたたいたり、手遊びや体をつかってリズムをとるのに、うちの子はまったく我関せず。音楽に興味がないんだと諦めました。

でも小学生になってからは、金管バンドに小4で入りアルトホルンを担当。中1になってからは吹奏楽部でトロンボーンを担当しているので、早期教育は関係ないかもしれませんが音楽好きになってよかったなと思っています
 
長女は、3歳から1年半、ソルフェージュとピアノを習いました。生まれたときから手指が長く、ピアノ向きの手をしていたことと、主人がやはりピアノを幼少期に習っていたことで『この子にはあっているかも』と思ったからです。

立派な音大受験をするような子たちが通う音楽教室に通わせ、ソルフェージュは楽しかったようですがピアノのレッスンは基本、15~30分。課題習得チェックと次回までに課題曲を覚えてくる必要があり、主に家でのレッスンが主体になるので母親の私が毎回イライラ。そんな背景もあり、1年半で辞めました
 
末っ子の通っていた園ではモンテッソーリ教育を導入しており、そこで2歳くらいからお仕事と呼ばれる教育を受け、ピアニカなど音楽の早期教育も受けていました
 
早期教育かわからないのですが、うちは私も夫も音楽好きで、よくギターやピアノを弾いたり歌をうたったり毎日音楽に触れる習慣があります。

そのためか4歳の娘は音程を外さずに歌うことができ、即興で替え歌を作ったり踊りの振り付けを考えたりすることもあります

子どもに合った「音楽」の早期教育を試そう

※写真はイメージ(iStock.com/kohei_hara)
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音楽の早期教育には、音感を培うメリットがある一方で、合わない場合はストレスになったり、その楽器がきらいになってしまったりといったデメリットもあります。

早期教育を行う際は、子どもの成長と個性、興味関心に応じて、適切な環境を整えることが大切です。

子どもの成長に合わせて、親子で楽しみながら音楽教育を行えるとよいですね。

監修:岡田暁子(名古屋学芸大学)

ヒューマンケア学部 子どもケア学科 准教授。保育者養成、領域「表現」、音楽、幼児教育を研究。
名古屋学芸大学の紹介

2023年01月17日

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