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【産婦人科医監修】妊娠中や産後に痔になりやすい原因と予防法

【産婦人科医監修】妊娠中や産後に痔になりやすい原因と予防法

悪化しないための方法や治療法など

妊娠や出産をきっかけに痔になったママは多いようです。妊娠中や産後はなぜ痔になりやすいのか原因や痔の種類別に症状を解説します。痔はいつ治るのかや痔を悪化させないための予防法、痔になったときの治療法も併せてご紹介します。

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

妊娠中や産後の痔

妊娠中や産後に痔になるママが多いようです。痔の原因や症状について解説します。

原因

妊娠中は、女性ホルモンの関係で腸の働きが弱まったり、大きくなった子宮が肛門を圧迫して便秘や痔になりやすいです。また、分娩時のいきみで肛門に更に負担がかかり、痔が悪化するケースはよくあります。

便秘のときにトイレでいきむことが肛門によりダメージを与えて痔になりやすくなります。

症状

トイレ
New Africa/Shutterstock.com

・排便時に出血がある
・排便のあとも便意が残る
・肛門からいぼのようなものが出てくる
・排便後や排便時に痛いと感じる
・腫れ
・下着が汚れる

痔の種類によって症状に違いがありますが、上記のような症状が現れると痔になっている可能性があります。

妊娠中や産後になりやすい痔の種類

痔にもいくつかの種類があります。妊娠中や産後になりやすい痔についてご紹介します。

いぼ痔

妊娠や出産のきっかけでいぼ痔になったという妊婦さんは多くいます。

出産時のいきみと妊娠中の血行不良が原因の場合が多く、肛門の外側と内側にできる痔があります。

脱肛といい、内側にできるいぼ痔が肛門の外側に出た状態になると、痛いと感じて発見が早くできますが、内側にできると痛くないため発見が遅くなる場合があります。

切れ痔

授乳などによる水分不足で便秘になることが原因で切れ痔になる人もいます。

切れ痔は、排泄時に激しい痛みを感じます。痛みが強いので、排便を我慢してしまう人も多く、我慢が続くと便秘が悪化するので、注意が必要です。切れ痔は痛いけれど出血は少ないことが特徴です。

痔は産後に悪化する?

産後に痔が悪化する場合が多いようですが、なぜ産後は痔が悪化するのでしょうか。

出産後は、赤ちゃんのお世話で生活リズムが不規則になり、トイレのタイミングを逃すことで便秘になりやすくなります。また、授乳でママの身体が水分不足になりやすかったり、育児の疲れやストレスで便秘がちになると痔が悪化します。

痔はいつ治る?

いつ治るかは、痔の大きさや症状によって変わってきます。

通常は3~4日間で痛みや腫れはなくなります。治療をすると3~4週間で痔核はなくなります。正しい治療と血行をよくする生活習慣を意識することで痔は早く治すことができます。

痔を悪化させないための予防法

痔になったら症状を悪化させないためにどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。

便秘の解消

便秘になり、排便時のいきみが強くなると便秘は悪化します。

便秘にならないようにこまめな水分補給とバナナやりんご、ひじき、海藻類、豆類などの食物繊維が多く含まれる食べ物を意識して食べるとよいです。赤ちゃんのお世話が忙しく、トイレのタイミングを逃してしまう場合もあるかもしれませんが、便意があるときにトイレに行かないと便秘になりやすくなるので、便意を感じたら我慢しないことも大切です。

長時間同じ姿勢をとらない

長時間同じ姿勢でいると、血行が悪くなって痔になりやすいです。長時間同じ姿勢は避け、意識して姿勢を変えましょう。

肛門に負担をかけない

痔は肛門の周りを圧迫して血液がたまる状態です。座るときにドーナツ型のクッションや座布団を使って肛門周りを圧迫しないようにしましょう。

身体を冷やさない

お風呂に入るママ
iStock.com/paylessimages

半身浴で身体を温めることもおすすめです。しかし、赤ちゃんのお世話があるとゆっくり半身浴をする時間をとれないこともあるでしょう。そのような場合は、足湯でも十分です。

また、下着がきつくて締めつけられると血行が悪くなるので、下着のサイズは自分に合ったものをつけることが重要です。授乳後はストレッチをして血行をよくしたり、エアコンの温度を調節して身体を冷やさないようにしましょう。

適度な運動

身体を動かすと腸の動きもよくなります。激しい運動の必要はないので、簡単なストレッチや体操を取り入れてみてください。

治療法

痔と診断されたら以下のような治療を行います。

坐薬や軟膏で痛みや腫れ、出血を抑えたり、内服薬で便を柔らかくしたり、炎症を抑えます。

注射

注射で痔の核を硬化させて、縮小させる方法もあります。

注射は痛みを感じない部分に行うため、麻酔の必要ありません。外来で処置ができるので、入院せずに治療ができます。

ゴム輪結紮(けっさつ)療法

痔の症状が悪化したらゴム輪結紮(けっさつ)という器具を使って治療する場合もあります。内側の痔核の根元に小さな輪ゴムをはめ込むと、輪ゴムが根元を締めつけて1~2週間で便といっしょに痔核と輪ゴムがとれます。ゴム輪結紮(けっさつ)療法は、特別注意することはなく、普段と同じ生活が送れますが、脱肛している場合や内側にできている痔でも小さすぎたり、痔核が硬くなっている場合には適さないです。

痔は早めの治療で治る

ママと赤ちゃん
iStock.com/Yagi-Studio

妊娠や出産がきっかけで痔になる人は多いです。痔にも種類があり、痛くないものと脱肛して痛くなるものなど痔の種類によって症状も変わってきます。出産では特にいぼ痔や切れ痔になる人が多いようです。

出産のいきみなどで痔が大きくなる場合もあり、トイレで出血したり、痛みがあると痔かもしれないと心配になるでしょう。

痔はいつ治るのかや放置していても治るのか心配でも、恥ずかしさなどからなかなか病院に行けないと痔がもっとひどい状態になるかもしれません。早めの受診と正しい治療で3週間程度で治るので、症状に気づいたら早めの受診が大切です。

便秘にならない食生活やこまめな水分補給をしたり、身体を冷やさない適度な運動などで痔を悪化させない対処法を心がけましょう。

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杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)監修の記事一覧(バックナンバー)

信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。

患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

田園調布オリーブレディースクリニック

2018年12月03日

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