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【産婦人科医監修】妊娠17週目(妊娠5カ月)のエコー検査や胎動
お腹の大きさや赤ちゃんの性別
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊婦さんらしくお腹が膨らみ、胎動を感じたり、エコーで女の子か男の子か性別が判明することもある妊娠5ヶ月ごろ。妊娠17週目のママの身体のトラブルや注意点、おなかの赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと、解説します。
妊娠週数17週目とはどんな時期?
妊娠17週は、妊娠5ヶ月の2週目で、妊娠中期の真っただ中です。
妊娠中期は、一般的に安定期とよばれ、人によってはつわりが終わり、体調がすこぶるよくなったと感じるかもしれません。しかし妊娠中に、完全に安定している時期はなく、無理は禁物です。
妊娠17週目の妊婦さんの特徴
お腹の赤ちゃんが急激に成長する妊娠17週は、胎動を感じたり、超音波(エコー)検査で男の子か女の子か性別が分かる人も出てくる時期です。
妊娠5ヶ月、17週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
つわりのつらさから解放された妊婦さんも多いようですが、なかにはまだつわりが終わらない妊婦さんもいたりと、つわりの終わりに個人差が出るころです。
妊娠17週を過ぎると血液の生産が増え、胎盤に送り込む血液量も増えます。胎盤へ血液をどんどん循環させるので、動悸や息切れが激しくなる妊婦さんも多いようです。
新陳代謝が活発になるため、汗をかきやすくなったり、肌トラブルがでやすい時期でもあります。
この時期には、赤ちゃんが急成長することで腸を圧迫し、痔や便秘になる人もいます。
また、ホルモンバランスが崩れやすい妊娠中期は、耳が詰まったように感じたり、周りの声や音が聴こえづらいなど耳のトラブルを起こすこともあるようです。
疲れやストレス、水分不足、血液の流れが悪くてもこのような症状が起こるといわれていますが、産後には症状がなくなることがほとんどです。
お腹の大きさ
妊娠17週ごろのママの多くは全身に皮下脂肪がついて、お腹の膨らみが実感でき、妊婦さんらしい体形になってきます。
妊娠17週目の妊婦さんの身体
産後の授乳に向けて乳腺が発達するので、胸が膨らみ、子宮が大きくなって、お腹も重くなるので、背中を反るような姿勢になる人もいます。
妊娠5ヶ月の17週目になると、赤ちゃんの手足が子宮の壁に届くため胎動を感じる人もでてきます。
しかし、この時期の胎動は個人差があり、お腹のなかの腸が動いている程度の些細な感覚です。
赤ちゃんの位置や向きによってエコー検査で性別が分かる人もでてきますが、男の子と比べて女の子は外性器がないので、判別が難しいようです。
妊娠17週目の赤ちゃん
大きさや胎内での様子
個人差はありますが、この時期の赤ちゃんは手のひらサイズです。
妊娠17週になると、大脳の一部で聴覚と記憶を管理している海馬が発達してくるため、赤ちゃんがママの声を聞き分けられるようになるといわれていますが、低い声ははまだ聞きとれないので、パパの声は届きにくいようです。
脂肪も発達し、皮膚はより厚くなります。脂肪が発達することで赤ちゃん自身が自分で体温調節できるようになります。また、甲状腺が発達して飲み込んだり吸ったりする動作が始まり、超音波(エコー)検査をすると、指しゃぶりをしている姿や口が動く姿が見られるかもしれません。
身体の形
妊娠17週の赤ちゃんの身長は、16~17㎝程度です。重さでいうと、キウイ1個分程度の重さです。
骨が丈夫になり、筋肉がついてくるので超音波(エコー)検査のときに手の指を握るしぐさがみられるようになります。
妊娠17週目のうちにやっておきたいこと
職場への報告
妊娠経過も落ち着いたので、まだ妊娠報告をしていない人は、産休育休中の引継ぎのためにもこの妊娠5カ月の間に職場に報告しておきましょう。引継ぎの内容などもこの時期には明確にしておいた方がよいでしょう。
マタニティグッズの活用
妊娠5ヶ月でお腹が大きくなってくると、背中を反るような姿勢になったり、お腹を支えようとして腰痛を感じる人がいます。
妊娠後期になると、お腹がよりもっと大きくなってくるため腰痛が激しくなることがあるので、この時期から腰痛対策をしておくことが大事です。
骨盤ベルトやマタニティガードルを準備しておくと、骨盤が支えられて腰痛が軽減できます。
肌を清潔に保つ
新陳代謝が活発化して汗をかきやすくなるので、タオルでこまめに汗をふくように心がけます。
外出時や汗をたくさんかいたときにはシャワーで汗を流したり、肌を常に清潔に保ち、肌トラブルになる前にケアを徹底しておきましょう。
胎動を感じるかも?妊娠17週ごろの胎動をチェック
妊娠17週くらいになると、胎動を感じる人もいます。特に初産のときの胎動は、ポコポコとしたガスの動きと勘違いするくらい小さな動きであることが多いです。胎動かもしれないと感じた日はメモしておきましょう。まだ胎動を感じていない人も焦らないでゆっくり待ちましょう。
妊娠17週目の妊婦さんが注意すること
感染症に気をつける
妊娠中はさまざまな感染症に気をつけなければなりません。症状の強いカンジタ腟炎や、生ものを食べたことで感染するリステリア菌は、妊娠の経過や胎児に影響することがわかっています。
特に妊娠初期から30週までの妊婦さんを対象に、性病であるクラミジア感染症の検査が義務付けられています。普段から下着を清潔に保ち、妊娠中は生ものを食べないように配慮して、感染症にかからないように気をつけましょう。
栄養バランスがとれた食事
食事で取った栄養が、そのまま赤ちゃんにいくためバランスのとれた食事を心がけることが大切です。
腸の圧迫から痔や便秘になる人もいるので、食物繊維を多く含んだ食べ物を意識して取るとよいでしょう。
体を冷やさない
妊娠17週になると、赤ちゃん自身で体温調節ができるようになってきますが、まだまだママの体温に頼っているところがあるため、妊婦さんは身体を冷やさないように注意が必要です。
飲み物は常温や温かいものを選んだり、ブランケットやマタニティ用のあたたかいパンツを使って過ごすなど身体を温める工夫をしましょう。
胎動を感じ、性別が分かる人も出てくる時期
妊娠中期の真っただ中の妊娠5ヶ月は、周りの人から見てもお腹の膨らみが分かるようになってきます。
なかには胎動が始まり、超音波(エコー)検査で女の子か男の子かの性別が判断できる人もいます。しかし、この時期の胎動はお腹がピクピクけいれんしていたり、グルグルと腸内をガスが動いている程度の感覚なので、胎動だと気づかない場合もあります。
お腹のなかの赤ちゃんが急速に大きくなっているときなので、腰痛や腹痛、痔などマイナートラブルに悩む人もいるかもしれません。栄養バランスのとれた食事や腹帯やあたたかいパンツなど身体を冷やさないグッズを使って体を労わりましょう。
Profile
杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。