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LGBTや人種の違いを考える。多様性について理解を深める絵本10選
6月はアメリカをはじめ、世界各地で「プライド月間(Pride Month)」と称されています。これを機に絵本を通して、多様性への理解と誰もが生きやすい社会をこれからを生きる子どもたちに伝えてみてはいかがでしょう。今回は、子どもが親しみやすいテーマで、多様性を知ることができる絵本10選をご紹介します。
個性を描いた絵本
自分と他者との違い。子どもが生活する保育園や幼稚園でも、さまざまなお友だちが生活する中で、「自分とは違う」ことを知る機会はたくさんあります。そういった違いを認め合うことで、自分だけでなく他者の良さに気づくことができるかもしれません。
かっくん どうしてボクだけしかくいの?
乙武洋匡さんがはじめて翻訳した、こちらの絵本。みんながまんまるの、まんまる家族のお話です。
まんまる家族に生まれてきた、まんまるではない四角の赤ちゃん。みんなと違う特徴をもった子の個性を認め、仲良くすることの大切さを、シンプルで美しいイラストとリズミカルな文章でわかりやすく伝えてくれます。小さい子どもにとっても共感できる部分が多くありそうな一冊です。
One ワン
全米で絵本・児童書に贈られる15もの賞を受賞した作品。
登場するのは数字と色のみですが、子どもにとって一番身近なそれらをキャラクターにすることで、興味をぐっと引き寄せます。個々の違いからうまれる対立にどう立ち向かうとよいのか……子どもだけでなく大人にとっても学びの多い絵本かもしれません。
ジェンダーを考える絵本
誰もが自分らしく生きるために、欠かせないテーマのひとつであるジェンダーやLGBT。子どもにこういったテーマをどう伝えようか悩む保護者もいるでしょう。誰もがありのままに、そして幸福になる権利があるということを、絵本だからこそ伝えられることがあるかもしれません。
Red あかくてあおいクレヨンのはなし
赤いラベルのクレヨン、レッド。でもレッドは赤く塗るのが得意ではありませんでした……
見た目と中身の違いに悩むレッドの姿に、誰しも経験したことがあるであろう苦しさやもどかしさを重ね合わせることができそうです。ありのままの自分を知ってもらうことは、自分だけでなく周りも幸せにすることができるのではないでしょうか。日々感じる悩みを乗り越えるきっかけになりそうな一冊です。
にじいろのしあわせ
やさしいうさぎの表情が印象的な表紙のこの絵本は、全米40万部のベストセラーになった話題の一冊です。
アメリカの有名コメディアン、ジョン・オリバー氏が第48代副大統領マイク・ペンス一家がワシントンの公邸で飼っているうさぎをモデルに刊行しました。
子どもが親しみやすい登場人物とストーリーで、個性を尊重しあう大切さや枠にあてはめることの無意味さ、友だちを応援する優しさが、素直に心に響きます。
ジュリアンはマーメイド
人魚になりたかった少年ジュリアンの物語。
絵本を開くと、そこにはただただ美しい絵が存在し、私たちをうっとりさせるような色彩豊かな世界が広がっています。LGBTをテーマにした絵本ですが、ジェンダーを超えた美しすぎる情景に誰もが心奪われるはずです。
さまざまな家族のかたちを知る絵本
子どもにとって家族は一番身近でありながら、とても大きな存在です。お友だちの家族にもさまざまな形があり、徐々にそういったことを知る機会も増えてくるでしょう。多様性を理解する最初の一歩になりそうな、”家族のかたち”を知る絵本を集めました。
タンタンタンゴはパパふたり
本当にあった、おすペンギンのカップルのお話。
ロイとシロのおすペンギンは、一緒に泳いで一緒に巣づくりして、いつも一緒。ペンギンの世界にも同性同士が家族になることがあるということに驚く方もいるかもしれません。子どもにとって親しみやすい動物の生態を絵本を通して知ることで、素敵な家族のかたちをナチュラルに受け入れられるとよいですね。
いろいろ いろんな かぞくの ほん
この世界には実にさまざまな”家族”が存在しています。家族構成や住んでいるところ、仕事、休日のすごし方、お祝いごとも家族によってそれぞれ。
子どもがお友だちの家族を見て「なんで?」と思ったときにこそ、読んで欲しい一冊です。コミカルな楽しいイラストを見ながら、親子で家族について話し合ってみてはいかがでしょう。
ふたりママの家で
この絵本は、ふたりの母親と子どもたちの何気ない日常を描いた絵本です。
表情豊かな家族とリアルであたたかな愛情からは、毎日を生きる力強ささえも感じとることができます。何よりもふたりの母親と子どもたちが笑顔に満ちあふれていて、私たちが描きがちな典型的な家族よりも素敵だなと感じずにはいられないでしょう。家族の愛が心にしみる一冊です。
人種の違いを理解する絵本
世界に目を向けると、多様な人種が共存していることがわかります。日本にいるとわかりづらいことも絵本で世界を旅すると、多様性にあふれていることが実感できるかもしれません。今を、そしてこれからを生きる子どもたちがグローバルに活躍する未来に希望を込めた絵本です。
せかいのひとびと
この地球に存在しているあらゆる人の体の大きさや肌の色、顔の形、住んでる家、好きな遊び、話す言葉などを紹介してくれる一冊。
世界で暮らす人々の違いを子どもに言葉で伝えるのは難しいけれど、この絵本なら想像以上に詳細に、そして豊かに、やさしく説明できるかもしれません。大型絵本で子どもの興味を引きつけるだけでなく、視野を広げるきっかけになるはずです。
てをつなぐ
手がどんどんつながって世界との関わりを知ることができる絵本。
絵本に登場する、さまざまな手。「これはいったい誰の手だろう?」と子どもと話し合ってみるのもよいでしょう。ずっと遠いと思っていた存在が、手のつながりからとても身近に感じられるかもしれません。つながることの喜びを子どもにも伝えられるとよいですね。
<執筆>KIDSNA編集部
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