規格外のトマトが「闇落ちとまと」で"人気者"に…"言い換える"だけで魅力が高まる4つのテクニック
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伝え方がうまい人は、何が違うのか。元東洋経済オンライン編集長の武政秀明さんは「誰もが見たことある“よくある表現”を使わないほうがいい。注目されず、魅力も伝わらなくなってしまうだろう。ビジネスで活用できる4つの視点がある」という――。(第2回) ※本稿は、武政秀明『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
“ありふれた表現”では、魅力が伝わらない
「何をどう書けばいいのかわからない」
「何を書いても、どこかで見たことのある文章になってしまう」
そう感じた時は、きっとそのものの「よさ」や「何を伝えたいか」「何を伝えるべきか」が見えていません。どんなものにも、本当はそれぞれの価値があるのだと思います。でも、それを伝える人が気づいていなければ、その価値は埋もれてしまいます。
「心を込めて作った料理」
こんなキャッチフレーズ、よく見かけますね。ほかにも「業務効率化のご提案」「品質にこだわった新商品」「生活をもっと快適に」「大切な人に食べてほしい」「親がやっていいこと/悪いこと」などなど。SNSの投稿から企業のプレスリリースまで、ほとんどがどこかで見たような、誰かが書いたような言葉の組み合わせでしかないものも多いように思います。残念ながら、これではたくさんの情報の中に埋もれてしまいます。
なぜでしょうか。それは、どこかで見たような言葉の組み合わせだけでは、どんな場面なのか、何をしているのか、頭に絵が浮かばないからです。では、なぜこのような表現ばかりが生み出されるのでしょうか? それは、本来あるはずの価値を見落としているからだと思います。
「事実」をあらゆる角度から見る
コーラの入ったグラスを考えてみましょう。上から見ると、そこには黒い丸が見えるだけ。でも、横から見ると、褐色の液体に光が差し込み、泡が立ち上る様子が見えます。斜め上から覗のぞき込めば、それがグラスに入っているとわかります。

言葉も同じです。同じ事実でも、どの角度から光を当てるかで、まったく違う表情を見せてくれます。その中に、あなたが書くべき「価値」があるはずです。
もっと別の見方があるのに、「視点」を変えて見ていないから、そのものの価値に気づかないし、「何を伝えたいか」「何を伝えるべきか」につながってこないのです。すると、どうしてもどこかで見聞きしたことのある表現を用いがちです。「見聞きしたことのある表現」がすべてよくないわけではありませんが、借り物の表現だと、その本当の価値は伝わらないものだと思います。
大事なのは「事実」を色々な角度から見ること。そのものの価値をわかったうえで言葉にしないと、差別化もできないし、伝わらないのです。ただし、言葉を盛ればいいというものではありません。あくまでも「事実」から見つけていくのが正攻法だと思います。





























