「毎日3食きっちり食べる人」ほど早く老ける…生物学者が「現代人は食べすぎ」と断言する科学的根拠
ノーベル賞を受賞した「細胞を若返らせる仕組み」
Profile
元気に長生きするために、何を心がけるべきか。生物学者の池田清彦氏は「現代人は食べすぎが当たり前になっているが、『食べない時間』を意識的につくることが老化を遅らせる。週1〜2回、16時間断食するだけで健康状態が良くなるという報告もある」という――。 ※本稿は、池田清彦『老いと死の流儀』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。
長生きの鍵は「食べすぎないこと」
哺乳類である人間が「より長く生きる」ことを目指すのは、はっきり言えば、「自然の仕組みに反する試み」です。
とはいえ、「できるだけ老化を遅くして、できるだけ長く生きたい」というのは、発達した脳を持つ人間の個人として当然のパトス(感情)でしょう。
かくいう私だって、まだまだやりたいことはいろいろありますし、当分死なずに済むのであればもちろんそうしたいですから、その願いを否定するつもりはありません。
そして完全に止めることは無理だとしても、うまく対処することで、多少なりとも老化を遅らせられる可能性はもちろんあります。
さまざまな動物実験のデータから、長生きに寄与する可能性が高いことのうちの一つがカロリー制限です。
現代人はいつでも食べられる環境にあるせいで、食べすぎが当たり前になっていますが、人間も含めて、野生動物というのはギリギリのカロリーで生きるようにもともとできています。
つまり、食べすぎというのは体にとっては大きな負担なのです。





























