「人が乗っていなければいくらでも爆発させていい」イーロン・マスクが爆速でロケットを開発する納得の理由
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常識を超える成果を出すにはどうすればいいか。早稲田大学名誉教授の内田和成さんは「イーロン・マスクは、実験の段階で人が乗っていなければ、『いくらでも爆発させていいから』と、スピード最優先で開発を行わせている。これには開発者や技術者の優秀さもさることながら、『上位概念の共有』をしていることが大きい」という――。 ※本稿は、内田和成『客観より主観 “仕事に差がつく”シンプルな思考法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
イーロン・マスクの「常識を突破する」考え方
一見すると「常識外れで、無謀なこと」であっても、それを「当然」とみなせるような価値観が組織内に形成されていれば、ときに不可能を可能にすることもできる。
イーロン・マスクがつくり上げた民間の宇宙開発会社「スペースX」が、まさにその好例だ。2020年には民間で初めて、ISS(国際宇宙ステーション)に到達する有人宇宙船を開発し、現在も有人宇宙輸送を続けている。
彼はまさしく、“常識を超えるスピード”でロケットを開発し続けているわけだが、それができるのは、開発者や技術者の優秀さもさることながら、理念やビジョンなどの「上位概念の共有」が大きいのではないかと思う。
ロケットというのは、宇宙空間で修理することができないため、NASAでもJAXAでも、「できるだけ完璧なもの」を仕上げてから、宇宙へ飛ばす実験をしようと考えるのが普通だ。そのため開発には、どんなに早くても数年単位で時間がかかる。
しかしイーロン・マスクは、実験の段階で人が乗っていなければ、「いくらでも爆発させていいから」と、スピード最優先で開発を行わせている。
すると湯水のようにお金を使うことにはなるが、開発のスピードは格段に早くなる。ようは、とにかく試行回数を増やして、結果的に成功したものを実用に回していこうという発想だ。





























