平日の遅延率は驚異の95%…「イライラMAX路線の代表」JR中央・総武線の"ワンマン化"に不安が募るワケ
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JR東日本は2027年春から京浜東北・根岸線と中央・総武線でワンマン運転を実施すると発表した。「より効率的でサステナブルな輸送モードとしていくため」と説明しているが、利用者にはどんな影響があるのか。鉄道ジャーナリストの東香名子さんが解説する――。
どんどん進む通勤電車の「ワンマン運転」
JR東日本の通勤電車のワンマン運転化が加速している。2030年頃までに首都圏主要線区をワンマン運転とする計画を2024年11月に発表。2025年3月には常磐線(綾瀬~取手間)、南武線でワンマン運転を開始した。
また2026年春には横浜・根岸線(八王子~大船間)で開始することも発表。さらには、2027年春から京浜東北・根岸線(大宮~南浦和間と蒲田~大船間)、中央・総武線(各駅停車・三鷹~千葉間)でワンマン運転を開始するという。

「運転士1人だけ」を可能にする技術
JR東が進めるワンマン運転は、運転士のみが乗務し、車掌が行っていたドア開閉や乗降監視などの業務も担う方式だ。
運転席にはモニタを設置し、全ドアの状況を視認できるようにするほか、ATO(自動列車運転装置)やTASC(定位置停止装置)といった技術の導入により、発車・停車時の精度と安全性を向上させる。
何か車内で異常があった際は、指令室が車内カメラの映像をリアルタイムで確認し、遠隔で放送をしたり、乗客とやり取りをするなどの機能も導入。また安定性向上を目指して、ホームドア整備と並行して進められている。
JR東はグループ経営ビジョンにおいて、「ワンマン運転を拡大することにより、人手不足や社員の就労意識の変化などに対応し、鉄道をより効率的でサステナブルな輸送モードに変革する」としている。なるほど。
これから人口も減り、労働力の不足が懸念される。もちろん首都圏に住む人々は、電車がなくなったら困るし、何十年と先も鉄道を運行し続けられるように備えてくれるのはありがたい。しかし、このワンマン運転は、利用者にとって本当にメリットがあるのか。毎日電車に乗る通勤客からは疑問の声が上がっている。





























