なぜ任天堂は「78円」しかDL版を安くしないのか…パッケージ版との価格差にプロが読み取った絶妙なカラクリ
プレステとは違う戦略
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任天堂のゲーム機「Switch2」の売れ行きが好調だ。決算によると約4カ月間で1036万台を販売し、過去最高のペースを記録している。値決めのコンサルティングサービスを手掛ける「プライシングスタジオ」代表の高橋嘉尋さんは「Switchのソフトには『パッケージ版』と『ダウンロード版』で価格差が存在するものがある。公式説明はないが、実際の価格設定パターンを分析すると共通点が浮かび上がってくる」という――。
ゲームソフトを買うときの「悩み」
Nintendo Switchのゲームを購入するとき、多くの人が一度は悩むのが「パッケージ版」と「ダウンロード(DL)版」のどちらを選ぶかという問題です。見た目の価格が同じでも、実際にかかる費用や使い勝手には意外な違いがあり、ネット上でも「DL版は割高?」「中古で売れるパッケージ版のほうが得?」といった議論が絶えません。
本記事では、任天堂公式の希望小売価格をベースに、人気タイトルの価格差を比較。そのうえで、パッケージ版とDL版それぞれのメリット・デメリット、そしてなぜ価格差がほとんどないのかといった背景事情まで掘り下げて解説します。
Nintendo Switchの主要タイトルについて、パッケージ版とダウンロード(DL)版の価格を任天堂公式の希望小売価格(税込)ベースで比較すると、ほとんどのタイトルで両者の価格は同一です。
ただし、2021年以降に発売されたタイトルでは、DL版のみ数十円程度安く設定されているケースも見られます。一方、サードパーティ製のゲームではDL版をより安価に設定する例もあり、価格差の傾向には差があります。
図表1は、代表的なタイトルの価格比較とその差額をまとめたものです。

このように、任天堂ファーストパーティのタイトルでは定価はほぼ同一(あっても数十円差)。一方、カプコンなどの一部サードパーティではDL版を明確に安く設定するなど、メーカーによって方針に差があるようです。





























