三流上司は「とにかくやれ」と怒鳴り、嫌われる。では一流は?…若手社員に好かれる上司の"心を掴むひと言"
「上からの指示」では動かない
Profile
若手社員と仕事をする際、上司はどんなことに気をつけたらいいのか。『上司が足りない 管理職候補をどう育てるか』(日本能率協会マネジメントセンター)から、若い世代の部下への指示の出し方や、成長を後押しする接し方などについて紹介する――。 ※本稿は、仲真良広、高橋睦史『上司が足りない 管理職候補をどう育てるか』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。
若手社員は「自分の視点を尊重」してもらいたい
最近の若い世代の特徴として、「タイパ(タイムパフォーマンス、時間対効果)を重視する」「納得感を大切にする」「承認欲求が強い」などが挙げられます。若手社員の特徴に合わせ、仕事やキャリアにおけるニーズに応えることで、やる気を引き出しましょう。伴走のポイントをまとめます。
近年、管理職候補の若手は、「上から指示を出すリーダー」ではなく「自分たちの視点を尊重してくれるリーダー」を上司に望む傾向が強いです。そのため、上司には「若手社員の成長をサポートする」「メンバーと一緒に考える」姿勢が大切です。これは、若手社員がなりたい管理職像でもあります。
上下関係にとらわれず、上司が若手の意見やアイデアに耳を傾ければ、若手社員は「自分の存在価値を認めてもらった」と感じるはずです。若手社員との間での1on1を設けるなど、「人となりを知る時間」を作り、良い意味で「しっかり見てくれている」と若手社員が安心できる工夫も有効です。
“どのようなマネジメントを「されたい」か”を尋ねたアンケート結果(図表1)からも、「上から指示」より、「チームの雰囲気を良くしてほしい」「長所を褒めて伸ばしてほしい」など、令和の「理想の管理職像」が垣間見られます。

「なぜやるのか」を伝えた上で、「意見を聞きたい」「一緒に考えてほしい」
今の若手社員は、意図が不明確な指示を嫌う傾向にあります。その状態で、上司や先輩から「これをやれ」「常識だから」と言われても、言われた本人が「何のための指示なのか?」について納得できない場合は、動きません。
そのため、上司は単なる指示ではなく、「業務の背景や目的」「実施することで、どんな将来が拓けるのか」「キャリア上の位置づけ」などが伝わることを意識して説明しましょう。若手社員は仕事の目的・意図を理解し、自発的に取り組みやすくなります。
言い換え例:「とにかくやれ」→「なぜやるのか」 NG OK |
|---|





























