最も幸福度が低いのは極貧、2番目は金持ちに生まれた人、では一番幸福を感じるのは…「幸せな年収」の分岐点
2つの「好き」を掛け合わせて成功するのが最強
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アメリカの研究によると、極貧の人は最も幸福度が低いが、意外にも2番目に低いのはお金持ちの家に生まれて、働く必要がない人なのだという。作家の橘玲さんは「いまはまだ年収800万円以下という人は、むしろラッキーと考えよう。そのラインに到達するまで、あなたの幸福度は上がり続けるのだから」という――。(第3回/全5回) ※本稿は、橘玲、樺山美夏『しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?』(文響社)の一部を再編集したものです。
将来の希望のない状況を逃れたい
Q 満員電車のストレスに耐えて、安い給料で将来に希望も持てない仕事をする毎日にうんざりしています。会社と家を往復するだけで、楽しいことが何もありません。このまま働き続けてもたいして年収は上がらず、40代になったらリストラされそうです。幸せに生きるためにはどのくらいの収入が必要で、どんな働き方をすればいいでしょうか。
(30代 メーカー人事 男性Bさん)
【Bさん】毎日、会社と自宅の往復だけでなんにも楽しいことがない。真夏の満員電車なんて地獄だし。生活のためとはいえ、いろいろ我慢しなきゃいけない人生を変えたいけど、どうすればいいんだろう?
【AI】“あるある”の悩みじゃな。1日2.15ドル(1ドル150円換算で約322円)しか使えない極度の貧困層が、世界には約7億人もおる。1日6.85ドル(約1000円)未満で暮らす人は、世界の人口のほぼ半数とされている。衣食住に困らないだけでも恵まれておるのだよ。
【Bさん】AIなのにいきなり説教? その貧困層って海外の話でしょ?
【AI】日本も貧困化が進んでおる。厚生労働省の2021年の調査によると、日本で相対的貧困とされるのは、年間所得127万円以下で、6人に1人(15.4%)もいる。この割合は先進国35カ国中7番目に高いんじゃ。
【Bさん】日本ってそんなに貧しい国なの? 年収127万円じゃ東京では暮らせないよね。でも生活のためにイヤなことを我慢して働き続ける人生も幸せとは思えない。いったいどうすれば幸せな生き方ができるんだろう?
幸福度の上昇は年収800万円で止まる
【AI】幸せな人生には、生活の不安がなくなるくらいの資産が必要じゃ。お金の心配をしないで暮らせる経済力があれば、精神的にも自由になれるからな。
【Bさん】じゃあ億万長者にならなきゃダメってこと?
【AI】いやいや、そこがおもしろくて、お金が増えれば増えるほど幸福になれるわけではないんじゃ。アメリカや日本の調査では、平均的には、ひとり暮らしなら年収800万円を超えると幸福度はたいして変わらなくなるらしい。
【Bさん】へえ〜。年収800万円か。ぼくの年収は今450万円くらいだから、キャリアコンサルタントや社会保険労務士の資格をとってキャリアアップしないとムリだなあ。
【AI】人事や労務の仕事が向いていると思うなら、今のうちに自己投資してスペシャリストになればもっと稼げるはずじゃ。
【Bさん】たしかに、少子高齢化で人手不足の時代だから、人事の重要性は高まっている。人事コンサルまでできれば何かと有利になりそう。





























