血糖値には「炊き立てごはん」より「冷えたおにぎり」が効果的…専門医が勧める"ゆるい糖質制限"の新常識
血管、臓器の老化を防ぎ、ダイエットにもなる
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健康を保つにはどうすればいいのか。医師の池谷敏郎さんは「糖質の摂りすぎは危険だ。血糖値の急上昇と急降下を招き、血管を痛めつけてしまうだろう。全身の血管を健康な状態にするために、ぜひ実践してほしい食べ方がある」という――。(第1回) ※本稿は、池谷敏郎『高血圧、脳卒中、心筋梗塞をよせつけない! 「100年血管」のつくり方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
「不健康である」という自覚が大切
人生100年時代、100歳まで生きるということは、今80歳の人なら、あと20年。50歳の人なら50年という年月があります。定年を迎えても人生はまだまだ続きます。「そうはいっても、もう体にガタがき始めているよ……」なんて思う人も、もしかしたらいるかもしれませんね。
でも、弱い部分を抱えていることは決して悪いことではありません。健康に自信がある人ほど、自身の体力を過信して日頃から無理をしがちなので、ある日突然重大な病気に倒れる……ということはよくあるのです。弱い部分を持っているからこそ、健康に気をつけようと思うもの。だから、不健康な部分を自覚していることはとても大切なことだと私は思います。
私は、診察にいらした患者さんに、血管の状態をサクラの木にたとえてお話しすることがあります。大動脈は「幹」、末端の動脈や静脈、毛細血管は「枝葉」に相当します。1つひとつの花が、脳や心臓、肺、腸、骨といった臓器です。
幹や枝葉が健康な状態であれば、1つひとつの花びらのすみずみまで栄養がしっかり行き渡り、樹齢に関係なく、美しい花が咲きます。年を重ねたサクラが素晴らしい満開を見せてくれるのは、健康な幹・枝葉を維持しているからです。
しかし、幹や枝葉が何らかの原因で不健康になっていたとしたら? あの美しい「満開のサクラ」にはなりません。
健康のベースは“血管力”
私たちの体も同じなのです。幹や枝葉、つまり全身の血管が健康であることがすべてのベースになっているのです。血管が健康であれば、栄養が全身の細胞1つひとつのすみずみまで行き渡り、臓器も健康を維持できます。この「幹と枝葉から元気にする」ことが、私たちの体でいえば「血管を若返らせること=100年血管をつくること」です。
「100年血管」をつくるとは、血管を若返らせるケアのこと。「血管がしなやかに開くこと」「血管の内側がなめらかで、血液をスムーズに循環させることができるようにすること」という両方を兼ね備えた「血管力」を高めることです。
血管力に注目して健康づくりを行えば、寿命を短くする要因も、健康寿命を短くする要因も予防することができます。さあ、早速、具体的な方法に入っていきましょう!