「今月使えるお金」を数える節約家ほど失敗する…「自然とお金が貯まる人」が給料日にやっていること
「ごほうび消費」と「リバウンド消費」に要注意
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お金が貯まる人と貯まらない人の違いは何か。金融教育家の上原千華子さんは「給料日直後に『ごほうび』として散財してしまう人はお金が貯まりにくい。一方、いつもがんばって節約している人にも落とし穴がある」という――。
ドーパミンが正常な判断力を奪う
「節約しているのに、なぜかお金が貯まらない……」
そんな悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。月末になるとカツカツになってしまうのは、必ずしも「収入が少ない」からとは限りません。自然にお金が貯まる人と、そうでない人との違いは「お金ぐせ」と「マネー習慣」にあるのです。
今回は、給料日直後にやりがちなNG行動や、節約の落とし穴を紹介しながら、「自然にお金が貯まる仕組み」について一緒に考えていきましょう。
NG行動①「ごほうび消費」
「よし、今月も乗り切った!」と、給料日になるとつい、自分にごほうびをあげていませんか。高級ディナーを予約したり、前からほしかった服を買ったり、気が大きくなることもあるかもしれません。
がんばった自分へのごほうびは、生活にハリが出て、やる気も出ますよね。脳が報酬を感じると、快楽を司るドーパミンが分泌されるためです。
ただ「無計画なごほうび消費」が恒例行事になると危険です。ドーパミンがネガティブに働く可能性があります。脳は再び「気持ちよさ」を味わいたくなり、「本当に必要かどうか」の判断が鈍ってしまうのです。こうした無意識のパターンが、気づかぬうちに「お金が貯まらない体質」を作ってしまいます。
ごほうび消費は度が過ぎると、ショッピングの高揚感が忘れられず、買い物依存に陥るリスクもあります。「衝動買い」と「まとめ買い」には注意したいものですね。
真面目な節約家がある日、突然…
NG行動②「リバウンド消費」
物価高が続く中、節約を意識している人は多いでしょう。「今月使えるお金はあと○○円」と、質素な食事で済ませたり、ちょっとした買い物も我慢したり、なるべくお金を使わないよう心がけている人も少なくありません。
その姿勢はとても堅実で、努力の表れでもあります。ただ、あまりにも「使わないこと」に意識が向きすぎてしまうと、思わぬ落とし穴にハマることがあります。それが「リバウンド消費」です。
ダイエットでいう「ドカ食い」のように、節約も我慢が続くと、ある日突然ストレスが爆発し、反動で散財してしまいます。真面目でがんばり屋の人ほど、必要以上に自分を律してしまい、結果として疲れ切ってしまうケースもあります。