「お弁当の9割は冷凍食品」で何が悪いのか…「味の素や冷食は体に悪い」という人に伝えたい「うま味調味料」の正体

「お弁当の9割は冷凍食品」で何が悪いのか…「味の素や冷食は体に悪い」という人に伝えたい「うま味調味料」の正体

冷凍野菜のほうがむしろ栄養価が高い場合もある

「冷凍食品は体に悪い」は本当?

「冷凍食品は保存料やうま味調味料を大量に使っているから体に悪い」

このような言葉を、あなたも一度は耳にしたことがあると思う。特に、幼少期に親や祖父母から「冷凍食品は手抜き」「栄養がない」「体に悪い」などと言われた経験を持つ人も少なくないだろう。しかし、これは根深い誤解に基づいた、まったくの誤りであると言わざるを得ない。あたかも味の素のうま味調味料に化学薬品が入っているかのような誤解が長年続いてきたように、冷凍食品もまた、不当なレッテルを貼られ続けてきたのだ。

本稿では、冷凍食品にまつわる保存料やうま味調味料への多くの誤解を解き、その真実を明らかにするべく、科学的な知見に基づき、冷凍食品が安全であり、私たちの食生活において重要な役割を果たしていることを、詳細に論じながら、さらに、冷凍食品が抱えるイメージの問題、その背景にある社会的な要因、そして今後の展望についても考察を深めていきたいと思う。

冷凍食品に保存料は必要ない

冷凍食品の製造方法と流通をシステムとして理解することは、保存料に関する誤解を解く上で不可欠である。

食品の劣化は、微生物の繁殖、酸化など、さまざまな要因によって引き起こされるわけだが、これらの要因を抑制することが、食品の保存性を高める上で重要となることはお分かりいただけるだろう。

微生物は、水分、栄養分、温度などの条件が揃そろうと、急速に繁殖し、食品を腐敗させる。

そして酸化は、食品中の油脂が酸素と結合することで起こり、風味の劣化や変色を引き起こす。

これらの食品劣化の要因を根本的に抑制する方法として、冷凍は極めて有効な手段と言えるのだ。

食品を急速に凍結させることで、食品中の水分は細かな結晶となり、微生物は活動を停止し、加えて、酸化も抑制されるため、食品の品質を長期間維持することが可能となる。

急速凍結技術は、食品の組織をなるべく壊さずに凍結することで、栄養や味わいといった本来の品質を維持するのに役立ち、マイナス18℃以下での保存・流通は、保存料の代わりとして微生物の繁殖を抑えて腐敗を防ぎ、品質劣化の速度を遅らせる効果があるため、国際機関が定めた経済的な保存温度であるマイナス18℃以下(食品衛生法の規格はマイナス15℃以下)で保存すれば、おおむね1年間は当初の品質を維持することができるのだ。

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2025.05.29

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