夏休み4人家族16万円の旅費を2万円下げるコスパ革命…フェリーからケーキ食べ放題まで"驚きの宿"ベスト7
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どうすればお得な家族旅行ができるか。旅行会社に勤めるコンテンツツーリズム研究家の古関和典さんは「旅行計画は情報が何よりも大事。家計にやさしい国内の宿泊サービスはいろいろある」という――。
夏休みの国内旅行は1人当たり約4万円
家族のレジャー費ほど難しいものはない。どれくらいが最も妥当か、その額が不確かだからだ。大いに使って良し、使わずもまた良し。家計の大蔵大臣のパパママは悩むばかりである。
加えて、近ごろの宿泊費の高騰が、その悩みを一層大きくしている。新型コロナ5類移行以後の国内での需要の増加や、インバウンド客の増加が主な要因と言われており、ビジネスホテルでも1泊1万円以上するのは、もはや常識となった。公私共に全国各地に宿泊している筆者も、そのような傾向を日ごろ肌で感じている。
調査(株式会社JTB「2024年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向」)によれば、夏休みの国内旅行は「子供づれ(中学生まで)の家族旅行」が全体の24.5%を占め、増加している。また、旅行期間は「1泊2日」の割合が増え、やはり高騰が影響しているのか、短くなっている。
1人当たりの旅行費用は平均4万2000円であり、「4人家族/2泊3日」を基準として16万円超になるわけで、大人数の家族旅行においてはアップ分が大きくなり、思わず出費をためらってしまうのも自然な流れである。
今年は最大で11連休にもなったゴールデンウィークの収支決算もおぼつかないままに、夏休みの計画シーズンもすぐそこだ。旅行計画は先手必勝だといわれるが、一に情報、二に情報である。そこでファミリー向けの国内旅行で、お得な情報を集めてみた。
フェリーは移動しながら宿泊できる絶好の機会
国内を車で移動することの多いファミリー層におススメなのが、フェリーでの移動である。言うまでもなく車が積めるので、高速道路の渋滞知らず。そしてお父さんの運転の負担も減るし、寝ている間に目的地に到着するのが強み。
さらに最近のフェリーでの船旅は、船体のリニューアルなどもあって、ちょっとした海上の贅沢を味わえる。
たとえば「商船三井さんふらわあ」は、北海道航路として「苫小牧~大洗(茨城県)」、さらに九州航路として、「大阪~別府」「神戸~大分」そして「大阪~鹿児島」という路線を運航していて、それぞれ船内ではコンサートやマジックショーなどのイベントが開催。また、食事はもちろんのこと、展望大浴場やショッピングも楽しめる。
クルーズの旅といえば、とかく豪華で高額なイメージであるが、フェリーでの移動は比較的リーズナブルに非日常を味わえる絶好の機会なのである。
たとえば、2023年就航の「くれない」「むらさき」が運航している「大阪~別府」航路では、大人1人当たりの片道運賃が1万3200円からだ。3~4名定員の「グループ和室」を使うと1人当たり2000円の追加で済む。同区間を新幹線+在来線特急を利用した場合、1万9120円かかることから、宿泊費を加えると1人当たり3万円ほどとなるため、半額ほどで非日常が楽しめるということになる。