地元の北海道大でも早慶でもMARCHでもない…3年連続「就職人気ランキング1位」ニトリが大量採用する大学の名前
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学生の就職先として、どのような企業が人気なのか。学歴研究家の伊藤滉一郎さんは「26年卒の就職人気ランキングでは、文系はニトリが1位となった。ニトリの採用大学を見れば、その特徴がよくわかる」という――。
3年連続、文系就職の人気No.1企業
「ニトリ」「デコホーム」という2ブランドの店舗を運営し、手頃に買える家具を提供し続けるニトリ。家具小売業界としては国内でも頭一つ抜けており、国内2位の良品計画と比べても、売上高でも2倍近い差をつけている。国内のみならず、グローバルでも注目される家具業界の有力企業と言って差し支えないだろう。
そんなニトリが「就職人気企業」としても注目を集めている。日本経済新聞社と就職情報サイトのマイナビが、2026年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生対象の就職希望企業の調査を行った。それによると、文系はニトリが3年連続首位。10年前は同様のランキングで30位程度であり、大躍進そのものだ。
ユニクロを運営するファーストリテイリングのほか、イオンやセブン&アイなど、規模で勝る小売業界のトップティア企業に対しても、文系就活市場で確かな存在感を示しつつある。まずはニトリが就職先として人気を集める背景を探りたい。
北海道ローカルチェーン発祥、今では1兆円企業も目前
ニトリは1967年、現会長の似鳥昭雄氏が札幌市で開業した個人商店「似鳥家具店」が始まりだ。1980年代までは北海道内のローカルチェーン家具店であり、1990年代のバブル崩壊後から全国展開し、今ではグループ店舗として日本全国で822店舗、海外にも179店舗(2024年3月現在)を抱える大所帯となっている。
さらに、売り上げは過去10年で2.3倍に成長し、売り上げ1兆円企業も目前である。同業界2位の良品計画も同期間で2.5倍増であり、小売家具業界自体に勢いがあることは確かだ。しかし、その中でも追随を許さず、業界全体の成長を牽引し、最も勢いを実感できる企業といえる。
新卒採用者数も過去10年間で2.4倍となった。2024年卒の総合職入社は1013人であり、2025卒もこれより多い水準になりそうだ。2023年以前の400~600人程度から大幅に採用増となり、事業拡大のさらなる加速が予想される。