嵐は"普通以上に普通"だから史上最強のアイドルになった…活動終了発表の嵐と他のグループとの決定的な違い
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人気アイドルグループ・嵐が、2026年5月で活動を終了すると発表した。社会学者の太田省一さんは「彼らほどテレビと好相性だったアイドルグループは他にいない。できれば、最後に5人そろってのテレビ出演する姿を見たい」という――。
なぜ嵐は唯一無二なアイドルと言えるのか
今月7日、嵐が来年5月での活動終了を発表した。実質的な解散とみなされる。1999年のメジャーデビューから25年余り。活動休止期間もあったが、「国民的アイドル」としての地位にあり続けた。だが「国民的」とはどのような意味でそう言えるのか? 「普通以上に普通」をキーワードに、唯一無二なアイドルとしての嵐について考えてみたい。
2010年代、間違いなく嵐はテレビのど真ん中にいた。
2015年の年末から2016年の年始、テレビ番組出演本数ランキングの1位から5位を嵐のメンバー5人で独占。1位の二宮和也の32本を筆頭に、他のメンバーもすべて20本以上の出演。20本を超えたのは、この5人しかいない。並み居る人気芸人を抑えたかたちである(株式会社エム・データ調べ)。
むろん音楽番組での活躍があった。『NHK紅白歌合戦』では2010年から5年連続で嵐として司会(グループでの司会は史上初だった)を務め、そして2014年には初のトリに。紛れもなく『紅白』の中心だった。
NHKホール(写真=Kakidai/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons)
グループの冠バラエティ番組も好調だった。当時、夜7時台から10時台のプライムタイムに『VS嵐』(フジテレビ系、2008~2020年)、『嵐にしやがれ』(日本テレビ系、2010~2020年)と冠番組を2つ持っていたのは、旧ジャニーズ勢のなかで嵐だけだった。
なぜここまで嵐はテレビで際立った活躍ができたのか? グループの成り立ちから紐解いていこう。