「会場案内」のメールでグーグルマップを送るのは三流…一流の秘書が実践する「ひと手間」の気づかい
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デキる人の気配りは何が違うのか。セクレタリーアドバイザーの渡邉華織さんは「経済的な合理性や能率は追求しすぎず心が伝わる気づかいをするとよい。『自分なりのアレンジ』があれば、信頼につながる」という――。 ※本稿は、渡邉華織『好かれる人のさり気ない気配り100式』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
定型文そのままはNG
ある企業で秘書の方々とお話をしているときに、「お礼状や招待状、イベントの案内文などはどうしていますか?」と聞いたことがあります。
するとその会社では、秘書が共有しているクラウドの中に挨拶文やお礼状などの定型文がすべて保管されているので、「それを適宜変更して活用しています」ということでした。
ただし、詳しく話を聞いてみると、変更を加えるのは相手の名前と日付だけ。失礼があってはならないから、ほかは一切手を加えず、プリンターで印刷したものを送っているとのことでした。
「そのほうが時間がかからなくて合理的ですから」と言われたのですが、心を伝えようとするとき、経済的な合理性や能率は追求しすぎないほうがいいです。
サンプルの文章を参考にするのが悪いと言っているのではありません。「自分なりのアレンジを加えない」のが問題なのです。
コピペのお礼文は逆効果
多くの人は、何度か挨拶状を送ったり、もらったりしています。ということは、いろいろな定型文を読んだことがあるわけです。したがって、コピペした挨拶文を受け取ると、「ああ、この文章ってコピペしたものだな」とすぐわかってしまいます。
そんなお礼状を送ったら、逆にマイナスイメージになりかねません。
それよりはSNSやLINE、あるいはメッセンジャーで自分らしい言葉でお礼を伝えたほうが、よっぽどいいでしょう。少なくとも、LINEのメッセージをコピペする人はいないでしょうから。
手紙として送るのであれば、絶対にアレンジを加えてほしい。本当は3行と言いたいところですが、百歩譲って、いちばん印象に残ったことを1行だけでもいいです。
「○○様のこんな言葉がすごく勉強になりました」
「こんなおもてなしが、とても心に響きました」
「○○と仰っていたことが大変勉強になりました。今後ともご指導をお願いいたします」など。
それから自分の名前を直筆で書く。最低限、これだけ守れば気持ちは伝わるはずです。