人は話の「2割」しか記憶できない…「ロジカルなのになぜか伝わらない人」がハマっている落とし穴
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相手に伝わる説明とはどのようなものか。関西テレビ放送アナウンサーの石田一洋さんは「スマホや家電などの取扱説明書を実際に読んでいるのは、使用するのに最低限必要な情報だけであることが多い。同じように説明においても、いま必要なことだけ説明されれば、人は満足する。余計なことを伝えれば伝えるほど、本当に必要な情報は埋もれていく」という――。 ※本稿は、石田一洋『あなたの話はきちんと伝わっていますか?』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
友人、デート、医療機関…私たちの日常は「説明」でできている
あなたは、「説明」する場面というと、どのようなシーンをイメージしますか?
真っ先に思い浮かぶのは、プレゼンや会議、スピーチなど、複数の人の前で「自分一人が話す場面」ではないでしょうか。
「さあ、お前のプレゼンがいかほどのものか聞かせてみろ」
「どんな話を聞かせてくれるのか、お手並み拝見といこうじゃないか」
と、まるで周囲の人が全員自分を審査しているような、とてつもないプレッシャーを感じる場面をイメージするかもしれません。実際、そのようなプレッシャーが苦手で、いつしか説明そのものに苦手意識を持ってしまう人は少なくありません。
ただ、プレゼンやスピーチだけが説明というわけではありません。
仕事だけではなく、次のように日常のあらゆる場面で「説明」は行われているのです。
- 友人との会話→最近話題になったニュースや趣味の会話など
- 家族との会話→今日あった出来事や、明日の予定を伝えるときなど
- 明日のデート→飲食店へのリクエストや、自分がどんな人間か伝えるときなど
- 医療機関にて→医師に症状を伝える、治療法を聞くときなど
日頃意識することはないと思いますが、このように私たちの生活は「説明」によって成り立っているのです。