「リモートワーク→出社」で人生計画が激変…コロナ禍で郊外に"夢が詰まったマイホーム"を買った夫婦の後悔
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家を買うときに気をつけるべきことは何か。ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんは「コロナ禍で郊外に家を買ったものの、住み続けることが難しくなり、売却できずに困る人が出てきた。事情が変わる可能性があるなら、再販性を加味した家選び、家作りを考えた方が安全だ」という――。 ※この連載「高山一恵のお金の細道」では、高山さんの元に寄せられた相談内容を基に、お金との付き合い方をレクチャーしていきます。相談者のプライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
リモートワークの影響で郊外への移住を検討
“コロナ禍”という誰も経験したことのないパンデミックを経て、ここ数年でライフスタイルを大きく変化させた家族がいます。人生で一番大きな買い物、マイホーム購入に踏み切った彼らが今、悩みを抱えていました――。
イベント会社で働く大津広明さん(39歳/仮名)。コロナ禍で一気に仕事の形態が変化し、リモートワークが主流となったことから、郊外への移住を考えるようになりました。
大津さんはすでに小学生と幼稚園児のお子さんがおり、家族4人で家賃13万円の賃貸マンションで暮らしていたのですが、スペースにも限界を感じていました。リモートワークで在宅時間が増えたものの、60平米に満たない2LDKでは自分の仕事スペースを確保することも難しく、成長していく子どものプライベートスペースを作る必要も常々感じていたのです。
当時の大津家の収入は、夫・広明さんの年収500万円と、月3万円の妻のパート代のみ。都内に家を買えたらベストでしたが、貯金も300万円しかない状況で、マイホームは夢のまた夢と考えていた最中、あのコロナ禍がやってきたのです。
無理のないローンで「夢のマイホーム」を実現
まず、リモートワークとなったことで通勤時の利便性を考えずにすむようになったことから、隣接県で物件を探せるようになりました。おかげで自分たちの身の丈にあった価格帯の物件も見つかり、2020年、大津さんは中古の一軒家を1500万円で手に入れます。築30年の物件だったこともあり、リノベーションには800万円を投じました。
親からの援助を受け頭金を300万円入れ、残りの1200万円は変動金利0.5%ほどで30年ローンを組み、返済額は月3万6000円くらい。リノベーションは別のローンとなり、金利1.5%、10年ローンで毎月の返済額は月7万2000円ほど。2つのローン返済額を合わせると、住居費用としては月11万円程度となり、大津家の財政的にも問題ない範囲で夢のマイホームを持つことができたのです。……が、それから3年。大津さんはこの一軒家を手放そうとしていました。