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主婦がパートで働く場合の収入はいくらまで?税金や社会保険の壁
ママたちの平均収入や扶養の上限金額
主婦がパートで働く場合は上限をいくらまでにするとよいのか気になるママもいるのではないでしょうか。今回の記事ではママたちに聞いた収入の平均額や、税金、社会保険などの収入を得るときに知っておきたいこと、申告の注意点や扶養の範囲となるための収入の壁についてご紹介します。
パートの平均収入は?
パートで働く主婦の平均収入がいくらになるのか気になるママもいるかもしれません。パートで働くママたちに、年間の収入額を聞いてみました。
「子どもが保育園に通っているので、1日5時間の勤務で、平均週4日働いています。行事があるときや年末年始などで保育園が休みのときはお休みをもらうため年間の収入は80万円ほどになります」(30代ママ)
「家事や育児とのバランスをとることや、扶養の範囲内で働くということを意識して、月の収入が平均10万円を超えないように調整しています」(40代ママ)
一言でパートと言えど、働く時間や何を基準に働くのかは人によって違うようです。厚生労働省の資料によると、平成29年度のパート労働者の月収平均は98,347円となるそうです。主婦の場合、育児や家事などのバランスや、扶養の範囲内に収めるかなどの目安にあわせて収入の金額や勤務時間の上限を決める必要があるかもしれません。
主婦がパートで収入を得たいときや夫の扶養の範囲内で働きたいと考えたときには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょう。
パートの収入を得るときに知っておきたいこと
主婦がパートで収入を得たいと思ったとき、どのようなことを知っておくとよいのでしょうか。パートをすることでかかる税金や社会保険料についてまとめてみました。
住民税
国税庁のホームページによると、パート収入が年間「100万円以下」で他に所得がない場合は、住民税(所得割)がかからないとされているようです。自治体によってはパートの収入が100万円以下であっても住民税(均等割)がかかる場合があるようなので、詳しくは住んでいる市区町村の窓口に確認するとよいかもしれません。
所得税
国税庁のホームページによると、パート収入が年間「103万円以下」の場合は夫が配偶者控除を受けることができ、所得税がかからないとされているようです。所得税の税率は所得金額によって変動するようなので、詳しくは国税庁のホームページを参考にするとよいかもしれません。なお、出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金などは課税対象にならないそうです。
社会保険料
日本年金機構のホームページによると、パート収入が年間「130万円以上」となる主婦は社会保険の加入対象となり、夫の保険ではなく自身の勤め先の社会保険に入る必要があるようです。
また、厚生労働省のホームページによると、2016年10月から社会保険の加入対象が拡大されたため、1週間あたりの所定労働時間が20時間以上である、1カ月の決まった賃金が88,000円以上であるなどの条件全てに該当する方は、年収が130万円未満であっても自分で社会保険に加入しなければならないそうです。
月収88,000円を年収に換算すると約106万円になることから、106万円以上の収入が見込まれる方は社会保険に加入する必要があるかを会社に確認しておくとよいかもしれません。
パートをする主婦が受けられる控除や給付
パートをする主婦が受けられる控除や給付にはどのようなものがあるのでしょうか。パートで働く場合に知っておきたい控除や社会保険の給付についてまとめてみました。
配偶者控除
国税庁と財務省のホームページによると、主婦の収入が「150万円以下」であれば、夫は自身の所得金額に応じて最大38万円の配偶者控除を受けられるそうです。
また、主婦の収入が150万円を超えてしまっている場合でも、主婦の収入が「201万円以下」であれば、配偶者特別控除として段階的に控除を受けることができるようです。
2018年分の申請より配偶者特別控除を受けるための申告書の様式が変更になったようなので、2019年の確定申告のときには注意が必要となりそうです。
社会保険の給付
厚生労働省のホームページによると、加入している社会保険によっては将来の年金額が増えたり、傷病手当金や出産手当金などの一部の現金給付が厚くなったりすることもあるそうです。
また、自分で国民年金保険料や国民健康保険料を支払っている方は、社会保険に加入することで会社も保険料を負担するようになるため、賃金の額によっては支払う保険料が安くなることもあるようです。
扶養の範囲で働くときの上限はいくらまで?
税金や社会保険で控除を受けるために夫の扶養の範囲内で働くには、収入の上限をいくらまでにするとよいのでしょう。収入の上限となる「収入の壁」についてまとめてみました。
税金の扶養
住民税が100万円、所得税が103万円から発生することから、税金の支払いが免除になるためには年間収入の上限を、住民税の場合は「100万円以下」、所得税の場合は「103万円以下」にするとよさそうです。
また、「150万の壁」と言われるように、扶養の範囲内で配偶者控除を最大で受けるためには、年間の給与所得を150万円以下に抑えるとよいかもしれません。国税庁と財務省のホームページによると、通勤手当や交通費は原則として給与所得に含まれますが、非課税分の交通費は年収に含まれないようです。
交通手段や通勤距離によって課税対象となるかが変わるようなので詳しくは国税庁のホームページを参照し、自分の交通費が課税対象かどうかを確認しておくととよいかもしれません。
社会保険の扶養
社会保険の扶養に入るには、被扶養者の年間収入が130万円未満であることが条件となります。このことから、社会保険の扶養に入れる収入の上限である130万円のことを「130万の壁」と呼んでいるようです。
収入が130万円未満であっても加入条件を満たしていれば106万円から社会保険への加入が必要となるため、社会保険を配偶者の扶養内でまかないたい場合は収入の上限を130万円未満、加入条件に該当する場合は106万円未満にするとよさそうです。
日本年金機構のホームページによると、年間収入とは過去の収入ではなく被扶養者に認定された日以降の見込みの年収を指し、金額には給付金や手当金も含まれるそうなので、これらを受け取っている場合はその金額を差し引いた上でいくらまで稼げるかを考えるとよさそうです。
また、社会保険料を計算するときの基準となる標準報酬月額には、交通費による収入も含むそうなので、社会保険の扶養の範囲内で働く場合は、交通費を含めた月収がいくらになるのかを計算してみるとよさそうです。
働くことでかかるお金を確認しよう
主婦がパートで働く場合は、税金や社会保険をいくらから支払う必要があるのかや、働くことで受けられる控除や給付をふまえて、上限をいくらまでにするとよいかを考えるとよいかもしれません。
扶養の範囲となるための収入の壁は税金か社会保険かによって金額が異なるので、申告のときに困ることがないよう、月の平均収入や受けられる手当などを事前にしっかり確認しておけるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2018年12月10日時点で作成した記事になります。