【2018年1月から】主婦パートの税金。配偶者控除の限度額が150万円に

【2018年1月から】主婦パートの税金。配偶者控除の限度額が150万円に

2017.11.07

2018年から、配偶者控除の限度額が103万円が150万円に変わることをご存じでしょうか。主婦のパートやアルバイトなどの税金がどうなるか気になるママもいるのではないでしょうか。今回の記事では、新しく変わる配偶者控除について詳しくみていきます。

配偶者控除とは

配偶者控除とは対象となる配偶者がいる場合、一定金額の所得控除が受けられることをいいます。

家族が増えるほど生活が大変になるので、税金の負担を軽くすることを考えて作られた仕組みで、一般的には納税者=夫、配偶者=妻となることが多いでしょう。

配偶者控除の内容

控除される金額は38万円

配偶者控除を受けられる条件を満たしていれば、納税者の所得控除額は38万円です。

2017年現在では、納税者の所得金額に関わらず38万円ですが、2018年の改正後には所得金額によって変わります。所得合計が900万円以下なら38万円、900万円を超え950万円以下の場合は26万円、950万円を超え1,000万円以下の場合は13万円となり、1,000万円を超える場合は控除無しとなるようです。


配偶者控除が受けられる条件

配偶者控除を受ける為にはいくつかの条件があります。配偶者控除は、配偶者の所得によっても変わります。控除が受けられる配偶者の所得合計は38万円以下です。

よく耳にする103万円とは所得の収入がアルバイト(バイト)・パートなどの給与所得の場合、給与所得控除が65万円適応されます。103万円以下の収入であれば、給与控除の65万円を差し引いた額が38万円よりも少なくなり、配偶者控除が受けられるそうです。


給与以外の所得がある場合

不動産所得などの給与以外の所得がある場合でも38万円以下ならば控除が受けられます。また配偶者特別控除というものがあり、納税者の所得合計が1,000万円以下の場合、配偶者の所得が38万円を超え76万円未満まで3~38万円と段階的に控除があります。1,000万円以上の所得がある場合、配偶者特別控除はありません。

2018年から「103万円」が「150万円」へ

主婦のアルバイト
hilight/Shutterstock.com

控除の適用条件が年収150万円に

アルバイト(バイト)・パートでの給与収入がある場合、控除の適応額が103万円でしたが、2018年1月以降の変更ではどのように変わるのでしょうか。


所得が900万円以下の場合

納税者の所得が900万円以下の場合、基本的に配偶者所得が38万円以下で38万円の控除が受けられることは変わりません。変わってくるのは配偶者特別控除の適応範囲と金額です。

38万円を超えて76万円未満の所得に適応されていた配偶者特別控除が123万円以下と大きく引き上げられました。38万円を超えて123万円以下まで、3~38万円と段階的に控除があります。

所得が38万円を超えて85万円以下の場合、控除される金額が38万円と基本の控除額と変わらないところから、85万円に給与所得控除額である65万円を加えた150万円まで38万円の控除が受けられるということになるのです。


所得が多い人の負担が増える

納税者の所得が900万円を超えて、950万円以下の場合は、配偶者所得150万円までの控除が26万円、950万円を超えて1,000万円以下の場合、13万円、1,000万円を超える場合は基本控除も特別控除も無くなります。

基本控除額も納税者の所得に合わせて、同じ額に変更になるので、所得が多い人にとっては負担が増える仕組みです。


控除額が見直された背景

控除額が見直された背景には、専業主婦が多かった昔に比べて働きに出ている配偶者が多いことがあるようです。103万円という金額を意識して就業時間を調節することなく、多様な働き方が出来ることが目的です。

さらに、一律に配偶者控除の金額が決まっていた今までと比べ、改正後は納税者の所得によって配偶者控除の金額が大きく変わってくることになります。

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例 年収103万円の場合

年収103万円を月ごとに考えると、約8万5,000円です。時給800円で1日5時間勤務の場合、月に20日出勤で8万円なので、控除範囲内です。


例 年収150万円になった場合

年収150万円を月で考えると12万5,000円です。時給800円で1日7時間、月20日勤務した場合でも11万2,000円とまだ控除範囲に入るようですね。

注意が必要な人はこんな人

夫が会社員で家族手当をもらっている人

配偶者や扶養家族がいる従業員に手当を付けている企業も多くあります。手当の条件として配偶者の収入基準が103万円になっている場合、それを超えてしまうと手当がもらえなくなってしまうので注意が必要でしょう。


年収130万円以上

配偶者控除と混合されがちなのが、健康保険の130万円の壁です。健康保険の被保険者の被扶養者として認定される条件のひとつに被扶養者の収入130万円未満があります。

2016年より会社の従業員数501人以上、労働時間が週20時間以上、月額8万8,000円以上の収入があるなどの、一定の条件を満たす場合、被保険者として加入する必要があります。被保険者は扶養にはなれないので、8万8,000円×12ヶ月=約106万円を新たな壁として考える人もいます。

税金のことをよく知って

主婦のパート
shutter_o/Shutterstock.com

配偶者控除の限度額が150万円に変わることによって、パートやアルバイトの勤務時間も変えようと考える主婦の方もいるかもしれませんね。

税金のことをよく調べて、最新情報を確認しながら納得のいく働き方ができたらいいですね。

出典元:国税庁ホームページ「配偶者控除」

※記事内で使用している参照に関する内容は、2017年11月7日時点の情報となります。

2017.11.07

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