#10 ママたちへのエールを
〜LICOからのメッセージ〜
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作家/子育てアドバイザー
作家/子育てアドバイザー
作家/子育てアドバイザー。「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、京都在住アメーバオフィシャルママブロガー。 「子育てを大変だと感じる本当の理由」「夜泣きするきみへ」「ママの毎日」などの記事が爆発的な人気となり、シェアがネット上で120万を超えるなど、その等身大の育児観は圧倒的な共感を呼ぶことに。 各種キュレーションサイトの2015年上半期アクセス数ランキングにおいて、ブログ記事が殿堂入りを果たす。ブログを通じてつながったママ達へのアドバイスが話題となり、各方面への講演会出演依頼が続出。2019年4月現在、8歳の娘、6歳、4歳の息子を育てながら、講演活動、育児雑誌や育児サイトなどへの記事連載など幅広く活動している。 著書に『おだやかママの幸せ子育て法』(シリーズ2冊)、『不安なあなたがゆっくりラクになるメッセージ』(すべて主婦の友社刊)。
「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、作家/子育てアドバイザーLICOさんの連載コラム第10回です。
連載もいよいよ、一区切りの回になってしまいました。ここまで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます。
今回は、お母さんたちへのエールを、書かせていただこうと思います。
わたしは、子育て中のお母さんたちからのご相談を受けたり、話を聞かせていただくことがあります。
その中で何度か思うのは、優しいお母さんが多いなぁということです。それも、優しすぎるくらいに優しいお母さんです。
優しいというのは、人としてとても魅力的なことです。でも、優しすぎるお母さんの中には、気を遣いすぎて疲れてしまったり、過剰に心配性だったり、相手の反応を気にし過ぎてしまって心が重たくなってしまっている方が多いように感じます。
心の奥底に染み込んでいる日本人特有の謙遜・我慢・遠慮などの美徳が、子育ての場面になると、特に孤独とセットになると、自分の本当の気持ちが自分でも分からなくなってしまったり、抱え込んで身動きが取れなくなってしまうことがあります。
そんなお母さんたちに伝えたいのは、「自分の感情を大切にしてほしい」ということです。
自分の感情に蓋をすることが美しいと、さまざまな場面で教え込まれてきたわたしたちは、急に「感情を出せ!」と言われたからと言って、すぐにできるようにはならないかもしれません。
でも、
「今自分は何にイライラしたのかな」
「本当は何が悲しかったのかな」
と、自分を振り返る癖が付くだけでも、自分や周りを見る目が少し変わってくるはずです。
そしてこの、
「どうしたの?」
「本当に言いたいことはなに?」
という問いを、自分だけでなく、子どもにも、パパにも、問いかけること(心の中で見つめてみること)が癖になると、目や耳で受け取る言葉や態度だけではない、心のコミュニケーションが取れるようになるはずです。
また、
「あの人はそんなつもりじゃなかったはず」
「あの人にもいい所があるんだし」
そうやって相手を悪く思いたくないが故に、無意識に相手のフォローに回ってしまって、肝心な自分の気持ちがおざなりになってしまうことも、わたしも経験があるのでよく分かります。
感じたこと自体は、悪いことでも何でもないのです。
誰かを、何かを悪く思うこと、傷ついたこと、それらを拒否してしまうと、自分が「嫌だな」と感じた自分自身を拒否することになります。
そうすると、とても苦しいのです。
感情は感情で、それ以上でもそれ以下でもなく、あなたから生まれた愛しい子どものようなものです。その子を無視してしまっては、その子もあなたも苦しくなってしまいます。
「でも」
「きっと」
「あの人はそんなつもりじゃなかったんだろうし」
という相手へのフォローは少し置いておいて、自分は「どう感じたのか」という事実をきちんと発掘し、心の中で抱きとめてあげてください。
「わたしは悲しかったんだ」
「わたしはさみしかったんだ」
そんなあなたの気持ちは、紛れもなくあなただけのものです。誰かがそれを否定することも、評価することもできない、あなたの中に芽生えた真実なのですから。
お母さんも、子どものようにもっと甘えてもっと素直になっていいんです。もっと自分の気持ちに自由でいい。
自分を
「あなたはもう十分よくやってるよ」
「よくがんばってきたね」
と、優しく抱きしめてあげてください。そうすれば自然と周りや子どもたちに対しても同じ感覚で優しくなれる。
そしてもしあなたが苦しい時、周りの人に相談や愚痴、助けを求めにくいのなら、助けてくれる人と出会えるまで、諦めずに誰かを頼り続けてほしいのです。
あなたを助けてくれる人は、必ずいます。
自分は孤独なのだと諦めないで、今動けずにいるその部屋を出てみて欲しいのです。
子育てにおけるしんどいことは多いかもしれません。わたしも眠れない日が続いた時、コントロールできない怒りが自分の中にあることを知ってとても怖くなりました。でも、睡眠不足や体力的なこと以外のほとんどは、親の捉え方・考え方ひとつでいくらでも世界を変えることができると、私は信じています。
思考の癖を変える、というのは簡単なことではないかもしれません。
でも、気付けたなら、もうそこから新しい道が始まります。今日から、今から、変わることができるのです。
お母さんたちと子どもたちが、そして家族みんなが、自分と家族を抱きしめて、心から笑って過ごせるためのスタートは、いつだって、今ここにある。
わたしはそう信じています。
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