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生後6カ月の1週間分の献立を紹介。離乳食作りを楽にするポイント
離乳食開始から約1ヶ月が経過し、離乳初期の終わりにさしかかる生後6ヶ月になると、1日2回食に進める赤ちゃんが徐々に増えるようです。しかしまだ進め方や献立について悩んでいる方もいるかもしれません。今回の記事では、生後6ヶ月の離乳食について、1週間分の献立内容やメニュー、スケジュール、離乳食作りを楽にするポイントについて、厚生労働省などの資料や体験談を交えてご紹介します。
生後6カ月の1週間分の離乳食献立内容
離乳食開始したばかりの離乳初期から離乳食中期に向けたこの時期、離乳食の量の目安と1週間の献立内容の一例を見ていきましょう。
先輩ママたちに聞いた1週間の献立内容
上の画像とは別に、先輩ママたちの体験談をもとにした1週間の献立内容をつくってみました。あくまで一例として参考にしてください。
月曜日:10倍おかゆ、にんじんペースト
火曜日:じゃがいものマッシュ、豆腐ペースト
水曜日:かぼちゃのペースト、バナナをつぶしたもの
木曜日:さつまおかゆ、白身魚のペースト
土曜日:うどんのペースト、ほうれん草のペースト
日曜日:10倍おかゆ、和風だし入りかぼちゃポタージュ
離乳食初期の後半にあたる生後6カ月は、おかゆ・野菜ペースト・白身魚などたんぱく質のペーストの組み合わせで食べさせているママが多いようです。離乳食を毎日作ることは大変です。先輩ママたちはこの献立例の中に、作り置きやベビーフードなどもうまく活用しているようです。
この時期はまだ新しい食材を取り入れることが多いため、食物アレルギーに注意が必要です。新しい食材を導入する際は、離乳食スプーン1さじ、小さじ1さじなど少量から始め、食物アレルギーの反応が出ないか慎重に観察しましょう。
量の目安
保護者の体験談によれば、1日2回食になる頃の離乳食の1食の量の目安は、小さじ3~4杯(50〜60g、離乳食スプーン12杯程度)くらいとしていた方が多いようです。食事の量は赤ちゃんによっても違いがあるようなので、様子を見ながら調整するとよさそうです。
離乳食初期は飲み込むことを覚えて食べることに慣れる時期(ゴックン期)です。目安量を食べられなくても、成長曲線のカーブに沿って成長しているなら心配いりません。
赤ちゃんが離乳食に慣れてきたら、おかゆだけでなく、麺類やパンなどの穀物、白身魚や豆腐などのタンパク質を取り入れたメニューや献立を作ってもよいかもしれません。
離乳食初期・生後6カ月の離乳食スケジュール
こども家庭庁、厚生労働省の資料によると、月齢別の離乳食スケジュールがあり、進め方・食べられる食材・量などの目安が決められています。
ただし、こども家庭庁や厚生労働省の資料に記載されている量などの目安はあくまで基準のひとつで、離乳食の進み具合には個人差が大きいといわれています。
こども家庭庁の離乳食スケジュールによると、離乳食開始して2カ月以内の生後5カ月から6カ月頃は離乳初期(ゴックン期)とされています。この時期の食事のタイミングは、体調やご機嫌がよいなど子どもの様子を見ながらあげていくとよいようです。ちなみに離乳食中期は7カ月から8カ月といわれています。
離乳食スケジュールの例
離乳食開始して1カ月を過ぎて、離乳食初期の後半ごろから、離乳食は1日2回にしていくのがよいようです。離乳初期から2回食が始まった頃の、一般的な離乳食スケジュールの一例を見てみましょう。
- 朝:授乳(母乳またはミルク)
- 10時頃:離乳食(1回目)
- 昼:授乳(母乳またはミルク)
- 15時頃:離乳食(2回目)
- 夕方:授乳(母乳またはミルク)
- 夜:授乳(母乳またはミルク)
離乳開始して1カ月を過ぎて離乳食初期の後半ごろから、離乳食は1日2回にしていくとよいようです。授乳は、母乳または育児用ミルクは離乳食の後にそれぞれ与え、離乳食とは別に母乳は子どもの欲するままに、育児用ミルクは1日に3回程度与えるとよいようです。
食材と調理方法の例
穀類、野菜・果物、たんぱく質性食品を組み合わせた食事にし、家族の食事から調味する前のものを取り分けるなど、食品の種類や調理方法が多様となるような食事内容にするとよいかもしれません。調理形態は、なめらかにすりつぶしたポタージュ状がよいようです。離乳食開始したばかりの離乳食初期はまだ味をつけず、だしや素材の味を活かした調理をしましょう。
離乳食スプーンの選び方
離乳食を始める際は、赤ちゃん用の専用スプーンを使用することが推奨されています。離乳食スプーンは、赤ちゃんの小さな口に合わせて設計されており、柔らかい素材で作られているものが多いようです。初めは小さめのスプーンから始め、赤ちゃんの口の成長に合わせて徐々に大きいサイズに移行していくとよいでしょう。
生後6か月の離乳食で使える食材
離乳初期(ゴックン期)とされている生後6カ月の離乳食では、基本的には生後5カ月あたりからなめらかなつぶしがゆから始めている場合であれば、すりつぶしたほうれん草やにんじんなどの野菜も試してみるのもよいようです。この時期に使える食材について見ていきましょう。
米・パン
離乳の開始は、まずおかゆからと言われています。お米でのおかゆだけでなく、パンがゆなども作ってあげると味に変化が出てよいかもしれません。どちらも炊飯器で作ることができます。おかゆは離乳食スプーンで1さじずつ与えましょう。
なお、パンはお米のおかゆに慣れてから与えるようにしましょう。パンは食物アレルギーを起こす食材のひとつなので、初めて食べさせる場合は離乳食スプーン1さじ程度にとどめて、様子を見ましょう。
野菜・果物
なめらかにすりつぶしたものであれば、野菜や果物の食品はさまざま試してみてもよいでしょう。かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、にんじん、ほうれん草、バナナなどはこの時期でもポタージュ状にしてあげることができます。複数の食材を野菜ペーストとして作ったり、野菜からでただしを活かした野菜スープを作っているママもいるようです。
野菜を苦手と感じる赤ちゃんもいるかもしれません。ペースト状にした野菜にミルクを混ぜると食べてくれたというママの声も聞かれました。
また、離乳食スケジュールが進むにつれて、キャベツなどの繊維の多い野菜も追加していきましょう。
豆腐・白身魚
野菜に慣れてきたら豆腐や白身魚などたんぱく質を含んだ食品もあげることができるでしょう。豆腐はつぶして簡単に提供できるたんぱく質なので、野菜ペーストや野菜スープなどと合わせてもよいかもしれません。魚はこの時期はたらや鯛などの白身魚から始めるのがよいようです。
ヨーグルト・チーズ
生後5カ月から離乳食を始めて、生後6か月目で離乳食2カ月目という場合は、離乳食中期に向けてプレーンヨーグルトなどを足してあげるのもよいでしょう。塩分や脂肪の少ないチーズも用いてよいとされています。
離乳食初期の栄養バランス
離乳食初期(ゴックン期)は食べることに慣れる時期のため、栄養バランスをまだそこまで考慮する必要はないようです。ゴックン期は、食べられる食材を増やしたり、楽しく食事をすることを基準にして離乳食を進めていきましょう。
ただし、母乳育児の場合、栄養バランスに注意が必要なようです。生後6カ月頃から鉄やビタミンDの欠乏を生じやすいという指摘があります。母乳育児をしているママは、鉄やビタミンDの供給源となるような食材を積極的に離乳食に取り入れましょう。
ミルク育児の場合は、ミルク缶に記載された量・回数を飲ませるようにしましょう。
離乳食初期は便秘に注意
離乳食開始したばかりの離乳食初期(ゴックン期)は、消化吸収機能が未熟のため赤ちゃんの便秘に悩まされるママも多いようです。こまめに水分補給をしたり、離乳食にほうれん草などの食物繊維の多い食材を取り入れるといいかもしれません。
月齢別に離乳食が進むと同時に、赤ちゃんの消化吸収機能も発達していくようなので、便秘は一時的なものが多いようです。また、「○日出なかったら便秘」という定義もないため、赤ちゃんの機嫌が良ければ様子を見るというママの声もありました。
便秘で機嫌が悪い、ずっと泣いているなど気になることがあれば、かかりつけの小児科に相談してみましょう。
生後6カ月に作ったおすすめ離乳食レシピ
Africa Studio/Shutterstock.com
大根と玉ねぎのトロトロ
30代ママ
大根や玉ねぎなどの野菜は、加熱することで甘みが増すようです。赤ちゃんが少し苦手な食材も甘みがある食材と組み合わせて、離乳食メニューに取り入れると食べやすいかもしれませんね。
野菜と鯛のうどん
20代ママ
ほうれん草とにんじん、鯛を柔らかく茹で、裏ごししてペースト状にします。柔らかく茹でて裏ごししたうどんと、だし汁をいっしょに盛り合わせます。
うどんを取り入れた離乳食レシピです。お米のおかゆに慣れてくると、うどんなどの麺類も離乳食に使えるようです。さまざまな食材を取り入れるために、ほうれん草などの野菜や白身魚などのたんぱく質といっしょに混ぜてあげるのもよいかもしれませんね。
ブロッコリーのポタージュ
20代ママ
ブロッコリーは子房に分けて柔らかくなるまで茹でて裏ごしし、お湯で溶いた粉ミルクと混ぜ合わせてでき上がりです。
野菜を食べるときに、赤ちゃんに馴染みのあるミルクと混ぜ合わせたメニューにしてあげると口当たりがよくなり、食べやすいようです。ブロッコリーの緑を取り入れることで、彩りがよくなり見た目でも喜んで食べてくれるかもしれません。
苦手な食材がある赤ちゃんにおすすめの離乳食レシピです。
キャベツとじゃがいものポタージュスープ
20代ママ
キャベツとじゃがいもを柔らかく茹でて、ポタージュ状になるまでブレンダーでなめらかに撹拌しました。最後に炊飯器で炊いたおかゆを少量加えてさらに混ぜ合わせます。娘も息子も喜んで食べてくれました。
キャベツは栄養価が高く、消化も良いので離乳食の食材として優秀です。じゃがいもと組み合わせることで、まろやかな味わいになり、キャベツが苦手な赤ちゃんでも、このようなポタージュ状のスープにすることで食べやすくなるかもしれませんね。
さつまいもとキャベツの蒸し煮
30代ママ
娘があまり食べない子だったので、さつまいもとキャベツを蒸してよく潰し、製氷機のトレーで冷凍保存しました。使うときは電子レンジで解凍してなめらかに混ぜ合わせるだけです。
さつまいもの自然な甘みとキャベツのほのかな甘みが合わさり、赤ちゃんも喜んで食べてくれるメニューです。冷凍保存しておくことで、忙しい日でも手軽に栄養バランスの良い離乳食を提供できます。キャベツの栄養を逃さないよう、蒸し調理がおすすめです。味を足したい場合は和風だし入りにしても。
生後6カ月の離乳食作りを楽にするポイント
生後6カ月の離乳食を時間や手間をかけずに作りたいと考えるママもいるのではないでしょうか。この時期の離乳食作りを楽にするポイントについて、ママたちに聞いてみました。
冷凍保存する
iStock.com/bigacis
20代ママ
野菜をまとめて茹でてペースト状にし、製氷機のトレーで冷凍保存していました。いろいろな種類の野菜を冷凍保存しておくと、離乳食作りが楽になるだけでなく、メニューのバリエーションも増えました。
40代ママ
野菜や白身魚などをペースト状にしたあと、1食分ずつ肉団子のように丸めて冷凍保存をしていました。電子レンジで温めるだけで1食分の離乳食がすぐにできるので、時短になります。
30代ママ
毎回作ると手間のかかるだし汁や野菜スープは多めに作って冷凍保存し、いろいろなメニューに使っていました。電子レンジで解凍してから、そのまま野菜スープとして出したり、おかゆにしていました。
離乳食初期の献立は赤ちゃんの食べる量も少ないので、毎日少量調理することを大変と感じるママもいるようです。ペーストした野菜やだし汁などをたくさん作って冷凍保存しておくと、電子レンジで温めるだけでいろいろなメニューに使えて便利かもしれません。
冷凍保存のときは、製氷機のトレーを活用する、肉団子のように1食分を丸めるなどさまざまな方法で保存しているようです。
便利グッズを使う
30代ママ
食材をペースト状にするときは、ブレンダーを使っていました。裏ごししする手間が省けて離乳食作りが楽になりました。
40代ママ
大人のご飯といっしょに赤ちゃん用のおかゆが炊ける炊飯器を使っていました。 大人用のご飯と赤ちゃん用のおかゆが同時に作れて便利でした。
必要に応じて便利グッズを使うと、離乳食作りが楽になるかもしれません。また、少量を調理するための鍋などを一つずつ用意するのではなく、離乳食用調理器具セットを使っていたというママの声もありました。
大人用から取り分ける
20代ママ
味をつける前の味噌汁から野菜を取り出してペースト状にしてあげていたので、調理時間の短縮になりました。
30代ママ
大人用に買ってきた刺身を離乳食用に取り分け、加熱し裏ごししてから娘に食べさせていました。
献立によっては大人用から取り分けると、離乳食用に別に調理する手間が省けて、時短につながりそうです。ママたちのなかには、カレーや煮物などのメニューを作るときも多めに野菜を入れて作り、調味する前に離乳食用に取り分けているという声もありました。
ベビーフードの活用
30代ママ
時間がないときや外出先では、ベビーフードを活用していました。特に、野菜や果物のペーストタイプは便利でした。
ベビーフードは栄養バランスが整っており、衛生的に管理されているので、忙しい日や旅行時などに利用するのも一つの方法です。ただし、手作りの離乳食とベビーフードをバランスよく組み合わせることが大切なようです。
保育園の離乳食を参考にする
20代ママ
娘を保育園に預けていたので、園の離乳食メニューを参考にして家でも同じようなものを作っていました。
保育園に通っている場合は、園での離乳食メニューを参考にすることで、バランスの取れた食事を提供しやすくなるでしょう。また、園と家庭で同じような食事を提供することで、赤ちゃんの食べる習慣が安定しやすくなるかもしれません。
離乳食中期に向けての準備
離乳食の月齢別のスケジュールによると、生後7〜8カ月から離乳食中期(モグモグ期)になります。
月齢別に見た場合、生後6カ月は離乳初期の終わりに当たるため、次の離乳食中期に向けての準備を始めるのもよいでしょう。
保育園の入園準備
ママやパパの仕事の状況によっては、離乳食中期には保育園への入園準備を考えることも重要です。保育園では、家庭での食事とは異なるメニューが提供されることが多いため、赤ちゃんがさまざまな食材や食感に慣れることが求められます。
にんじんやさつまいも、バナナなどの柔らかい食材を使ったメニューを家庭で試し、食べられる範囲を広げておくと、保育園での食事にスムーズに移行できます。また、和風だし入りのメニューを家庭で取り入れることで、和食中心の給食にも慣れやすくなります。
離乳食中期には豆腐や白身魚だけでなく、肉類や乳製品も取り入れられるようになるため、さまざまな食材にチャレンジしてみましょう。
離乳食中期に向けた食材選び
離乳食中期に入ると、赤ちゃんの口腔機能や消化吸収機能が発達し、食べ物を飲み込むことができるようになります。ここでは、母乳育児を続けながらも、バラエティに富んだ食材を使った離乳食のレシピをいくつかご紹介します。
- バナナとヨーグルトのミックス
- にんじんとさつまいもの和風だし入りおかゆ
- かぼちゃと豆腐の滑らかスープ
ヨーグルトやスープに使う乳製品で食物アレルギーが気になる場合は、初めて与えるタイミングではすぐ病院に行ける午前中に少量から始めて、赤ちゃんの反応を観察してください。
また、食物アレルギーのリスクが低い豆腐や、人参・かぼちゃ・サツマイモなどの野菜などは安心して食べさせることができるでしょう。
離乳食中期に向けた注意点
離乳初期を過ぎた離乳食中期では、肉類や乳製品などたんぱく質を含むさまざまな食材を取り入れられるようになります。食材の種類を増やし、固さも少しずつ変えていきましょう。例えば、ヨーグルトを少量ずつ試してみたり、豆腐をより粗くつぶしたりするなど、徐々に新しい食感を導入していくことができます。
一方、離乳食中期には、食物アレルギーに対する注意も必要です。新しい食材を試す際は、少量から始めて、赤ちゃんの反応をしっかり観察しましょう。また、母乳育児を続けている場合でも、赤ちゃんに与える食事のバランスに注意して、必要な栄養素をしっかり摂取できるようにしましょう。
ただし、ゴックン期からの移行は個々の赤ちゃんの発達状況に合わせて進めることが大切です。無理をせず、赤ちゃんのペースに合わせて離乳食を進めていきましょう。
生後6カ月の離乳食の献立を工夫してみよう
iStock.com/KEN226
今回の記事では、生後6カ月の離乳食について、1週間分の献立例やメニュー、離乳食スケジュール、離乳食作りを楽にするポイントについて、厚生労働省などの資料や体験談を交えてご紹介しました。
離乳食開始して1カ月程度経過した生後6カ月になると、離乳食にも次第に慣れてきて、1日2回食になる赤ちゃんも徐々に増えるようです。生後5カ月の頃より取り入れられる食材も増えるようなので、栄養のバランスを見ながら、調理方法や献立に工夫して、赤ちゃんに喜んで食べてもらえるような離乳食メニューを作れるとよいですね。今回の記事でご紹介したレシピを参考にしてみてください。
※今回の記事でご紹介したものは、離乳食の一例です。新しい食材をとり入れる場合は、お子様の消化機能の発達に合わせた適切な食材・調理法を選びましょう。
※記事内で使用している参照内容は、2018年7月10日作成、2025年3月14日に更新した記事になります。
玉ねぎと大根の皮を剥いて柔らかく茹で、トロトロになるまですりつぶして完成です。離乳食をはじめたばかりの娘が好きでよく食べていました。