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忌引き休暇と有給休暇の違いとは
故人を悼み、葬儀の準備や参列のための忌引き休暇は、パートタイムやアルバイトなどの勤務条件で働くママも取得することができるのでしょうか。パート・アルバイトで働いている場合には忌引き休暇を取得できる日数が気になることがあるかもしれません。今回の記事では忌引き休暇の対象や実態、取得した際のマナーについてママたちの体験談を交えながらご紹介します。
忌引き休暇とは
忌引き休暇とは、亡くなった親族の葬儀や故人を悼むなどの理由で会社や学校などを休む特別休暇のことです。
忌引き休暇は必ず用意しないといけないと労働基準法などで定められているわけではなく、企業ごとに忌引き休暇を取得できる対象、日数など独自に定めています。ほとんどの企業で忌引き休暇は設けられていますが、企業によって規定内容が異なるので注意しましょう。
また、企業によっては「慶弔休暇」という名称で、通夜や葬儀だけでなく、結婚式などのお祝いの場面で休めるようになっていることも珍しくありません。
忌引き休暇中が有給か無給かも企業によって違います。法律上のルールはなく、給料の扱いをどうするのか、それぞれの企業の判断に任されているためです。
忌引き休暇の取得率
誰にでも起こりえる身内の不幸に対して、日本では忌引き休暇の日数はどのくらい取得されているのでしょうか。
平成29年9月に厚生労働省から発表された「平成28パートタイム労働者総合実態調査の概況」によると、慶弔休暇の利用率は下記のようになっています。
平成23年 正社員 82.7%
パート 42.2%
平成28年 正社員 79.4%
パート 40.3%
上記の調査結果は慶事での利用も含まれますが、パートタイムで働く方の6割は慶弔休暇を利用していないという結果になっています。
実際に忌引き休暇はとれているのかについてママの体験談を聞いてみました。
30代ママ
40代ママ
パートで働いていますが、忌引き休暇を取得したことがあります。親族の葬儀が遠方だったため、パートでも忌引きの制度が対象で助かりました。
企業により制度が異なるため、パートタイムでも忌引き休暇を取得できるケースとできないケースがあるようです。
忌引き休暇が取れる日数
忌引き休暇は、労働基準法などの法律で定められている制度ではなく、会社や学校が独自に規定する制度です。そのため、忌引き休暇が取得できる日数は、企業の規定内容により違いがあります。
忌引き休暇を定める会社では、基本的には故人とどのような関係なのかによって休暇日数を定めているようです。忌引き休暇で取得できる一般的な日数は以下の通りです。
亡くなった方 /忌引き休暇の日数
配偶者 ・ ・・・・10日間
父母 ・・・・・・7日間
子 ・・・・・・・5日間
兄弟姉妹 ・・・・3日間
祖父母 ・・・・・3日間
孫 ・・・・・・・1日間
叔父叔母 ・・・・1日間
配偶者の父母 ・・3日間
配偶者の祖父母 ・1日間
配偶者の兄弟 ・・1日間
厚生労働省の資料によると、忌引き休暇制度(父母死亡の場合)がある企業は、99.7%で平均休暇日数(日)6日という結果が出ています。
厚生労働省の資料によると、忌引き休暇制度(父母死亡の場合)がある企業は99.7%で、平均休暇日数(日)6日という結果が出ています。
企業によっては忌引き休暇を有給休暇としていたり、または忌引き休暇自体を制度として導入していない企業もあるため、入社時の契約書にある規定内容や会社の担当者に確認しましょう。
企業が定めている就業規則は守るべきものなので、万が一、忌引き休暇が就業規則に規定されているのに実際は取得ができない場合、労働基準監督署に相談してみてもよいでしょう。
仕事場に忌引き休暇の連絡をするとき
パートタイムで働くママにとっても、職場への急なお休みの連絡は気が重いと感じることがあるかもしれません。職場に忌引き休暇の連絡をするときの方法と伝え方についてご紹介します。
電話で連絡する場合
故人との関係、葬儀の日程・場所をしっかり伝えましょう。電話で連絡をする場合の例文をご紹介します。
「お疲れ様です。〇〇です。実は先日〇〇が他界し、急なご連絡となり大変申し訳ないのですが、忌引き休暇をいただきたくご連絡させていただきました。葬儀日程や場所はまだ未定となっておりますが、わかり次第ご連絡させていただきます。急なお休みとなってしまい大変申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします」
パートやアルバイトであっても休むことになったときの仕事の引き継ぎなどの対応の関係もあるため、上司にできる限り早めに連絡をすることが大切です。
また分かっていれば、葬儀や場所も伝えておくと緊急の連絡があったときなどにも安心でしょう。
メールで連絡する場合
状況によって電話の対応ができない場合は、まず先にメールで一報を入れておくとよいかもしれません。もしもの時に使えるメールテンプレートをご紹介いたします
-----------メールテンプレート-----------
〇〇さん
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
急なご連絡となり大変申し訳ないのですが、
先日、〇〇が他界いたしました。
お通夜・葬儀などの準備のため
3日間の忌引き休暇をいただきたくご連絡させていただきました。
期間...20○○年○月○日〜20○○年○月○日
葬儀の日程と場所は○○(葬儀場、住所)となります。
何かございましたら連絡の際には、×××-××××-××××(携帯電話番号)にお願いいたします。
以上、大変お手数をおかけしますが、なにとぞよろしくお願いいたします。
-----------メールテンプレート-----------
忌引きの期間や葬儀場所などが未定の場合には、未定であることや落ち着いたら改めて連絡をする旨を記載しましょう。パートやアルバイトであっても、会社にとってはいつから出勤できるのかが気になるところです。出勤予定がわかり次第、なるべく早く伝えられるとよいです。
忌引き休暇明けに気をつけるポイント
パートタイムやアルバイト、常勤であるかどうかに関わらず、忌引き休暇が明けて出勤したときにお世話になった職場の方へ挨拶を行ないましょう。
上司への挨拶
まず、初めに上司に以下のポイントを交えて挨拶をしましょう。
- 急なお休みになってしまったことのお詫び
- 休んでいる期間に関係各所の調整を行ってくれたことへの感謝
その次に同僚や部下へ挨拶していきましょう。休みの間に代理で仕事の対応を行なったり、親族を亡くしたことへの配慮に感謝の気持ちを伝えるとよさそうです。
手土産の有無
忌引き休暇が終わり出勤をするときには、手土産などを持参する必要はないでしょう。
ただし、急にお休みをいただいたことへの感謝の気持ちを形にしたい場合には持参してもよいかもしれません。職場の慣習に従い、手土産の有無を決めるとよさそうです。
パートタイムの忌引き休暇の制度を確認しておこう
忌引き休暇は故人への想いを整理したり、葬儀の準備や参列などを行なうための特別休暇ですが、労働基準法などの法律で定められた休暇ではありません。
もしもの場合は故人との関係、葬儀の日程や場所などを直属の上司に早めに連絡し、忌引き休暇が明けて出勤したときに、急な休みの対応や配慮などに対して感謝の気持ちを伝えましょう。
また、勤めている会社ではパートタイムやアルバイトの勤務条件でも忌引き休暇は認められているのかについても事前に確認しておくとよさそうです。
忌引き休暇の制度やマナー、対象、規定内容を知っておくことで、もしものときに備えることができるかもしれません。
※記事内で使用している参照内容は、2020年1月20日時点で作成した記事になります。
正社員で働いていたときに、忌引き休暇を取得したことはあります。パートになってからは忌引き休暇は取得対象でしたが、有給休暇を取得しました。