こちらの記事も読まれています
インフルエンザ予防接種は医療費控除の対象?対象の医療費や申請方法
セルフメディケーション税制との関係
インフルエンザなどの予防接種のために通院した交通費や接種費用は医療費控除の対象になるのかや、妊婦の場合はどうなるのか知りたいこともあるかもしれません。今回の記事では、予防接種費用と医療費控除やセルフメディケーション税制との関係、医療費控除の申告方法について国税庁の資料を参照してご紹介します。
インフルエンザの予防接種を受けるとき
妊婦さんや子どもがいる家庭ではインフルエンザなどの予防接種を受けようと考えることもあるのではないでしょうか。保険診療外の予防接種は費用が高くなりがちなこともあり、家計の負担を軽くできないか考えることもあるかもしれません。ママたちは予防接種を受けるとき、どのようなことを考えたのでしょう。
「家族全員でインフルエンザの予防接種をしたら、接種費用が高額になってしまいました。年間の医療費とあわせて医療費控除を受けたいと考えましたが、予防接種は医療費控除の対象になるのか気になりました」(30代ママ)
「妊娠中にインフルエンザの予防接種を受けました。妊娠中にかかった医療費は医療費控除が受けられると聞きましたが、妊婦で予防接種を受けた費用も医療費控除の対象になるのか知りたいです」(30代ママ)
子どもを含めた家族や、妊婦のときに受けたインフルエンザの予防接種が医療費控除の対象になるのかどうかが気になる方もいるようです。
実際に、インフルエンザなどの予防接種を受けた場合は、医療費控除が受けられるのでしょうか。
予防接種は医療費控除の対象となるか
インフルエンザなどの予防接種の費用は医療費控除の対象となるのでしょうか。予防接種と医療費控除との関係についてご紹介します。
医療費控除とは
医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間にかかった医療費が一定額を超えたときに、確定申告することで払いすぎた税金が還付される制度のようです。医療費控除額は次の計算式で計算できるようです。
【(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額)-10万円又は所得金額の5%の少額の方】
また、申告者が生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費も合算して申告できるようなので、家族分もまとめた額を計算してみるとよいかもしれません。
医療費控除の対象となる費用
医療費控除の対象となる費用には、次のようなものが含まれているようです。
- 治療費
- 処方薬
- 通院のための交通費(原則として公共交通機関を利用した場合、付き添いのための交通費も可)
- 入院費(差額ベッド代は除く)
- 治療のための市販薬の購入費
- 妊娠や出産にかかった費用(補填分は差し引く)など
国税庁の資料によると、医療費控除は病気やケガの治療のためにかかった費用が対象となるようです。
一方インフルエンザなどの予防接種にかかった費用は「疾病の予防又は健康増進のために供されるものの購入」にあたるとされており、医療費控除の対象にならないようです。妊婦が予防接種を受けた場合も同様で、医療費控除の対象外とされているようです。
予防接種とセルフメディケーション税制
基本的に予防接種費用は医療費控除の対象とならないようですが、予防接種を行っている場合に、医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制を利用することで、還付金が受けとれることもあるようです。
セルフメディケーション税制とはどのようなものでしょうか。
セルフメディケーション税制とは
セルフメディケーション税制とは、特定の医薬品の購入代金が1万2千円を超えたとき、払いすぎた税金の還付が受けられる制度とされているようです。次の計算式で計算できるそうです。
〔その年中に支払った特定一般用薬品等購入費〕-〔保険金などで補てんされる金額〕-〔12,000円〕=〔セルフメディケーション税制に係る医療費控除額(最高8万8千円)〕
特定一般医薬品とは、医師によって処方される医薬品(医療医薬品)にくわえ、ドラッグストアで購入できる特定の医薬品が含まれるようです。ドラッグストアなどで購入する場合は、購入の際の領収書にセルフメディケーション税制の対象である旨が表示されているようなので、領収書をとっておくとよいかもしれません。
条件
セルフメディケーション税制を受けるには、その年のなかで健康の保持増進や病気の予防として、次のような取り組みをしていることが条件となるようです。
- 健康保険組合や市区町村国保等が実施する健康診査
- 市区町村が健康増進事業として行う健康診査
- 予防接種
- 勤務先で実施する定期健康診断
- 特定健康診査、特定保健指導
- 市町村が健康増進事業として実施するがん検診
上記のうち、一つ以上を行っていればセルフメディケーション税制が受けられるとされ、インフルエンザの予防接種も取り組みの一つとされているようです。
注意点
セルフメディケーション税制は通常の医療費控除との選択適用とされており、同じ年内に両方を受けることはできないようです。年間の医療費などの総額に応じて、どちらを申請するか考えてみるとよいかもしれません。
医療費控除を申告する場合の手続き方法
医療費控除やセルフメディケーション税制を申請したい場合は、どのようにすればよいでしょうか。具体的な方法をご紹介します。
申告時期と方法
医療費控除やセルフメディケーション税制は確定申告のひとつで、毎年2月中旬から3月中旬の約1カ月間の間に税務署に必要な書類を提出するとよいとされています。
医療費控除の申告は、税務署の窓口で直接書類に記入し提出するか、国税庁のホームページから書式をダウンロードし作成した書類を印刷、税務署に郵送または持参して提出する方法でできるようです。提出後は税務署が書類を確認し、約1カ月ほどで還付金が指定口座に振り込まれるそうです。
用意するもの
医療費控除を受けたい場合は、確定申告書と源泉徴収票、医療費控除の明細書または医療保険者から交付された医療費通知の添付が必要になるそうです。
セフルメディケーション税制を受けたい場合も確定申告書や源泉徴収票は同様のようですが、ほかにセルフメディケーション税制の明細書と、申告者本人が一定の取り組みを行った証明となる書類の提出が必要とされているようです。
また確定申告書には、マイナンバーと還付金の振込先の情報の記載が必要になるようなので、事前に準備しておくとスムーズに申告ができるかもしれませんね。
医療費控除の制度を活用しよう
国税庁の資料によると、インフルエンザなどの予防接種や接種のための通院にかかった交通費は通常の医療費控除の対象とならず、妊婦の場合でも同様のようです。しかし予防接種を受けることを条件に、セルフメディケーション税制を受けられる場合もあるようなので、そちらを検討してみるのもよいかもしれません。
制度を上手に利用して、医療費の負担を軽くできるとよいかもしれませんね。
※記事内で使用している参照内容は、2018年12月10日時点で作成した記事になります。