おせち料理の具材の意味。それぞれに込められた意味やお重への詰め方

おせち料理の具材の意味。それぞれに込められた意味やお重への詰め方

2018.08.11

おせち料理を用意しようと思ったとき、具材の意味が気になるママもいるのではないでしょうか。今回の記事では、それぞれの具材に込められた意味や、おせち料理のお重への詰め方をご紹介します。

おせち料理の由来

おせち料理の由来は、平安時代に宮中で行われていた「節日」の行事だとされており、元旦や五節句などの大切な節日に神様にお供えする料理を「御節供(おせちく)」と呼んだそうです。江戸時代には庶民も節日を祝う行事を行うようになり、元旦は新たな年を迎える特にめでたい日であることから、お正月に食べる料理を「おせち料理」と呼ぶようになったと言われています。

神様にお供えする料理が起源であるため、縁起のよい具材や意味が込められた具材を豊富に詰め込むところがおせち料理の特徴と言えるかもしれません。

おせち料理の具材と意味

縁起のよい具材を詰めるとされるおせち料理ですが、それぞれの具材にはどのような意味が込められているのでしょうか。おせち料理に使われる代表的な具材と、具材に込められた意味をご紹介します。


数の子

にしんの腹子である数の子は、卵の数が多いことから子だくさんや子孫繁栄の願いがこめられているようです。塩抜き後にだしで味付けをしたものの他、みそ漬けや、昆布やにんじんなどといっしょに松前漬けにしたものなどが食べられているそうです。


栗きんとん

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漢字では「栗金団」と書き黄金色に輝く財宝に例えられることから、「金運がよくなるように」という意味があるそうです。また、「かち栗」は「勝ち栗」に通じ縁起物と言われています。


黒豆

「黒くまめまめしく」という語呂あわせから、陽に焼けて勤勉に働けるようにという意味を持つようです。長寿を願うちょろぎを添えて、「まめに働けるように健康を願う」という意味を込めることもあるそうです。


紅白かまぼこ

赤は魔除け、白は清浄の意味を持つことから、お祝い事全般に使われます。かまぼこの半円の形が日の出を表すため、おめでたいことに使われるという説もあるようです。お正月にあわせて飾り切りをすると、おせち料理がいっそう華やかになるかもしれません。


紅白なます

にんじんと大根で作られる酢の物のことで、古くは「生の魚」を使って酢の物にしていたことから「なます」と言われているそうです。紅白はおめでたさの象徴であり、お祝い事の水引を意味するともされています。


昆布巻き

「よろこぶ」という語呂あわせから縁起がよい具材とされています。また「子生婦(こんぶ)」と当て字で書くことから、 一家の幸せと、子孫繁栄への祈りが込められているそうです。昆布だけのものもありますが、たらこや子を持つにしん、鮭などを中に巻き込んで作るものもあるようです。


田作り

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田作りとは、いわしの稚魚をしょうゆや砂糖などで味付けした佃煮のことです。田んぼの肥料に使ったところ豊作になったことからゴマメ(五万米)とも呼ばれ、「五穀豊穣」 の象徴として縁起のよいものとされています。


伊達巻

伊達巻は白身魚と卵を原料とし、見た目に鮮やかな黄金色になることから、豪華で見栄えがよくお祝い事にふさわしいと考えられていたようです。巻物(書物)に似ているため「知識が増えるように」と願ったという説や、形状が着物の布地を連想させるので「衣装に困らないように」という意味を込めたという説もあるようです。

その他にも、黄色と白で金銀を表わし財宝や富の象徴とした錦玉子や、「金冠」という当て字から「金運を得られるように」という意味できんかんを入れることもあるそうです。

スーパーや料亭で売れている最近のおせちの中には、「うなぎのぼりに出世する」という願いを込めたうなぎのかば焼きや、「子宝に恵まれるように」という意味からいくらが入っているものもあるようです。

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おせち料理の詰め方

おせち料理は、「福を重ねる」という願いを込めて重箱に詰めるようになったと言われています。与(四)段重あるいは五段重が正式と言われていますが、最近は家族の人数の変化などから「三段重」が一般的なようです。


一の重「祝い肴」、「口取り」

おせちの重箱の一番上は一の重と言われ、主に「祝い肴」と「口取り」を詰めるとされています。

「祝い肴三種」はお正月に欠かせないものと言われており、関東では数の子、田作り、黒豆が、関西では数の子、田作りまたは黒豆、たたきごぼうが入るそうです。その他に「口取り」と言われる、かまぼこや栗きんとん、昆布巻きや伊達巻などを詰めるようです。


二の重「酢の物」、「焼き物」

真ん中の二の重には、縁起のよい海の幸を使った焼き物やお口直しの酢の物などを詰めるとされています。

焼き物には「腰が曲がるまで長生きするように」という意味の海老や、出世魚にあやかって出世を願うブリ、「めでたい」にかけた鯛などが一般的なのだそうです。

酢の物には紅白なますの他、かぶを飾り切りした菊花かぶや、穴がたくさんあることから 「将来を見通せるように」との願いを込めた酢れんこんなどが詰められるようです。


三の重「煮しめ」

一番下の三の重には、山の幸を中心とした季節の野菜の煮しめを詰めるとよいとされています。

煮しめの具材には、子孫繁栄を願う八つ頭(里芋)や出世を望むくわい、深く根を張りその土地で安泰に暮らせるようにごぼうなどが入るそうです。
煮しめは家族が仲良く結ばれるようにとの意味を込めることから、家庭によってさまざまな具材を組みあわせて作ることができそうですね。

おせちを与(四)段重あるいは五段重に詰める場合は、一の重に「祝い肴」、二の重に「口取り」と「酢の物」、三の重に「焼き物」、与の重に「煮しめ」を入れるとよいようです。
また、五段重の場合は一番下の段を神様から授かった福を詰める場所として空にしておくか、家族の好物や予備の料理などを入れるとよいそうです。

具材の意味を知って、家族の幸せを願おう

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おせち料理には、子孫繁栄や長寿、五穀豊穣など、それぞれの具材によってさまざまな意味があるようです。具材に込められた意味を知り、家族の幸せを願いながらおせち料理を楽しめるとよいですね。

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