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一升餅で1歳の誕生日をお祝いしよう。一升餅の由来や意味、作り方などを解説
子どもが初めて迎える1歳の誕生日に一升餅を食べようと考えているママがいるかもしれません。一升餅は子どもの成長を願うために作られた伝統行事のひとつです。今回は一升餅の由来や意味、お祝いの仕方、作り方などを紹介します。
そもそも一升餅ってなに?
子どもが1歳になる頃は、歩けるようになったり、おしゃべりをし始めたりと、親子のコミュニケーションもさかんになるかわいい時期にさしかかります。
ママはそんな子どもの健やかな成長を願い1歳を迎えた喜びと、これからの成長を願わずにはいられません。そんな喜びと願いを一升餅でお祝いするのにはどんな意味や由来があるのでしょうか。
一升餅とは
一升餅(いっしょうもち)は、一升のお米(約1.8kg)を使ったお餅です。1歳になった子どもの誕生日を祝う、古くからの日本の伝統行事とされています。主なお祝い方法は、一升のお餅を布や風呂敷に包んで子どもに背負わせる方法などがあります。
一升餅はお祝い用のお餅ですが、使われている材料はふつうのお餅と変わらないので食べることもできます。
また、一升餅は「誕生餅」「背負い餅」「踏み餅」「力餅」などとも言われ、地域によって呼び方や祝い方が異なるようです。気になるママは地域にいる先輩ママやおじいちゃん・おばあちゃんに聞いてみるといいかもしれません。
一升餅の由来
一升餅とは、「一升」を「一生」にかけ「子どもが一生食べるものに困らないように」「一生健康にすごせますように」という願いが込められています。
しかし、子どもが1歳の誕生日頃から歩けるようになるのは、家を早く離れてしまうのであまり良くないとされていた地域もあるようです。そのため、一升餅を背負させた子どもをわざと転ばせてみたり、餅を投げつけたりして歩かせないようにする風習もあるようです。
お餅を背負させて転んだときも「家を離れるのが遅くなる」、歩いたときは子どもが「自分の足でしっかり立つ(自立する)」という意味があるので、どちらにしても縁起が良いとされています。
また、一升餅は丸い形をしていることで、「これからの人生を円満にすごしていけますように」という意味合いも含まれています。
地域ごとに違う、一升餅のお祝いの仕方
子どもの1歳の誕生を祝う一升餅。どこの地域でも同じお祝いのやり方とは限りません。使用するお餅からその呼び方、お祝いのやり方まで地域によってさまざまなようです。そんな一升餅のお祝いを地域ごとに紹介していきます。
北海道、東北地方のお祝い
北海道から東北では一つの大きな一升餅を準備してお祝いすることが多いようです。一つの丸く大きなお餅には「子どもが一生円満に、お餅のように粘り強く」という意味合いが込められています。
地域によっては「ころばせ餅」という呼び方で、わざと転ばせて家から離れないで欲しいという願いが込められているものもあるようです。
関東、中部地方のお祝い
関東、中部地方でも多くは一つの大きな丸餅で一升餅のお祝いするのが一般的なようです。この辺りから南部の方にいくと紅白の2つのお餅でお祝いする地域も増えていきます。
紅白餅はおめでたいことを意味し、また紅白の丸(縁をかさねる)という特別なものとして語られています。
関西、中国地方のお祝い
関西地方では紅白餅、一つの丸餅を使用するなど地域によってお祝いの仕方はさまざまです。中国地方になると一つの丸餅を背負わせて立たせる、歩かせるやり方が多いようです。
またその後に、お金、電卓、ペン、本などを並べ子どもに好きな物を選ばせて将来の職業を占う「選び取り」という行事もあります。
九州、四国地方のお祝い
九州地方、四国地方でも一升餅のお祝いの仕方はさまざまです。使うお餅も一つの丸餅や紅白餅を使う地域が混在しているようです。
九州地方になると「踏み餅」という子どもに草履を履かせてお餅の上に立たせる、歩かせるという風習があります。「しっかりと自分の足で立つ」という意味合いが込められているそうです。
一升餅の作り方、切り方、食べ方
一升餅は地域によって込められている願いや祝い方が異なるようです。一升餅は購入することもできますが、自宅で手作りしたいというママもいるかもしれません。以下では一升餅の作り方、切り方、食べ方について紹介します。
一升餅の作り方
1、もち米を洗って十分に吸水させてから炊く
2、炊けたら米を混ぜるように潰していき、まとまってきたらもちをつくようにこね続ける
3、大きめの器に餅とり粉または片栗粉を多めに塗る
4、半日ほど放置し、表面が固まったらひっくり返してまた放置する。はがす際は片栗粉をつけながらゆっくり剥がしていけば完成
お餅をピンク色にしたい場合は。もち米を吸水させるときに食紅を入れると色がつきます。
また、家庭用の炊飯器は5~5.5合までのものが多いので、一升分をつくるときは二回に分けて炊飯するといいかもしれません。
一升餅の切り方
1、お餅を半分に切る。硬いときがあるので、手を切らないようにグッと力を入れる
2、半分に切ったお餅を立てて切る
3、そのまま均等にスライスするようにカットすれば完成
万が一、お餅が硬すぎてカットできないときは、電子レンジで30秒ほどあたためると切りやすくなるようです。
一升餅の食べ方
一升餅は一升分のお米を使っているので、なかなかいっぺんには食べられないかもしれません。そんなときは一升餅を別の方法でアレンジして飽きないように工夫してみてはいかがでしょうか。
たとえば、オーブンで焼いて焼餅にしたり、油で揚げて揚げ餅にするなど、さまざまな食べ方ができます。
お餅は小さく切って冷凍保存しておけば半年ほどは持つようなので、食べきれなかった場合は冷凍しておくといいかもしれません。
一升餅はどうやってお祝いしたらいいの?
一升餅は自宅でも簡単に作ることができ、また、さまざまな意味や願いも込められています。では、具体的に一升餅でのお祝いの仕方を紹介します。
どんなものが必要?
まずはお餅。一つの丸餅か紅白の2つの丸餅を用意するのがポピュラーなようです。また地域によっては小さなお餅を数個作ってまとめて使うという方やり方もあるようです。それぞれの地域で異なってきますので迷われた際はご両親や親戚、ご近所の方に聞いてみるといいですね。
さらにお餅を背負わせる場合は、お餅を包むための風呂敷や布も必要になります。最近ではお気に入りのリュックにお餅を入れて背負わせるなどその方法はさまざまです。
地域によっては一升餅を子どもが踏んでお祝いする「踏み餅」というやり方もあるので、その際は子どもに履かせる草履も必要になります。住んでいる地域によって祝い方が異なると、必要な道具も異なるので、自分はどの方法でお祝いをするのか決めてから道具をそろえてみるといいかもしれません。
お祝いをするときの注意点
一升餅は子どもに一升分の餅を背負わせ、これまでの成長や健康を家族や親戚といっしょに見守ります。しかし、まだ1歳の子どもにとって一升分のお餅を背負って上手に立つことはとても難しいですよね。なかには背負って立てずに、途中で座り込んで泣き出す子どももいるかもしれません。
また、お祝いの最中に子どもが転倒して怪我をしたり、背負ったお餅の風呂敷が首に巻きついたりするなど、予期せぬ出来事はつきものです。さらに子どもが誤ってお餅を口にしないように、お祝い中は子どもを注意深く見守りましょう。
一升餅は子どもの成長と健康を願う行事
一升餅は子どもが1歳の誕生日を迎えるための伝統的な行事です。子どもが転んでも、立って歩いても縁起がいいとされているので、ママとしても子どもの成長を実感できる機会なのではないでしょうか。
一升餅は地域によって祝い方、意味、由来が異なり、準備する道具も違ってくるので、あらかじめ確認しておくとスムーズに準備に取り掛かれそうです。
一升餅のお祝いは、子どもへの愛情や願いが込められた深い意味のある伝統行事です。一生に一度しかない1歳のお祝いを家族みんなでお祝いしてみてはいかがでしょうか。