こちらの記事も読まれています
【耳鼻科医監修】子どもの鼻水が原因で眠れないとき
正しい対処法とホームケア
Profile
エムズクリニック白金 院長/耳鼻咽喉科専門医/補聴器相談医/産業医/健康スポーツ認定医
エムズクリニック白金 院長/耳鼻咽喉科専門医/補聴器相談医/産業医/健康スポーツ認定医
エムズクリニック白金 院長。日本大学医学部卒業。日本大学医学部付属板橋病院にて初期研修。慶應大学耳鼻咽喉科入局後、東京都済生会中央病院、国立成育医療研究センター、山王病院に出向。わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。
子どもが鼻水で眠れないと心配になりますよね。子どもの鼻水の原因と鼻水で寝れないときの対処法をご紹介します。また、鼻水が止まらないときに注意することも併せて解説します。
子どもの鼻水
子どもの鼻の中は大人より狭く、鼻と耳をつなぐ耳管が太くて水平なので、細菌やウイルスが入りやすいです。
子どもの鼻の粘膜は大人と比べて未熟で繊細なため、細菌やダニ、ホコリなどが鼻のなかに入ると敏感に反応し、鼻に細菌などが入り込むと炎症を起こして、鼻水や鼻づまりなどの鼻トラブルを起こしやすいです。
子どもの鼻水の原因は風邪の場合が多く、風邪をひいたときに鼻水をそのままにしておくと、鼻水が悪化して中耳炎や副鼻腔炎を引き起こす可能性があります。
また子どもは鼻腔が狭く、鼻が上手くかめないと鼻水がのどに垂れ込んで痰が絡み、咳が止まらなくなる場合もあります。
子どもの鼻水がひどくて眠れないときの対処法
鼻水が止まらず、寝れないときにはどのように対応したらよいのでしょうか。
鼻水を吸い取る
鼻水が止まらないときには、鼻水が鼻の奥やのどに流れ込まないように鼻をこまめにかんだり、ティッシュでふき取ることが大事です。
子どもが3歳くらいになったら鼻水をすすらないように鼻のかみ方を教えましょう。
鼻をかむときは、片方ずつゆっくりとかむことがポイントです。強くかみすぎると、耳に響くことがあるので、優しくかむようにママやパパがお手本を見せるのもよいです。
年齢が低く、子どもが自分で上手く鼻をかめないときには、鼻吸い器を使うのも一つの方法です。鼻吸い器には、卓上式のものや電動タイプ、ハンディタイプ、据え置き対応などさまざまな種類が出ています。
上半身を少し起こして寝かせる
鼻水が止まらず眠れないときは、一度寝られてもすぐに起きてしまう場合が多いです。
眠れないときには、子どもの上半身を少し起こすと鼻の奥に鼻水が流れ込むのを防ぐことができます。
赤ちゃんの場合は、タオルを折りたたんで頭の上に入れて頭を高くすると、息がしやすくなるので眠れるかもしれません。
鼻を温める
粘り気のある鼻水の場合、鼻をかんでも上手く出てこないことがあります。
蒸しタオルで鼻を温めたり、お風呂に入ったあとだと全身が温まっているので鼻水が出やすくなります。
鼻水が出ると気持ちよいということを子どもが味わえるようにすることが大切です。
温かい飲み物を飲ませる
温かい飲み物を飲むときに湯気を鼻から吸い込むと鼻の通りがよくなります。
子どもが飲むときには、白湯や温かい麦茶などがおすすめです。
加湿する
乾燥した空気が子どもの鼻水を引き起こしている場合があります。
加湿器を使ったり、濡れたタオルを部屋に干して部屋の湿度を保つことも鼻水で眠れないときの対策になります。
鼻水が止まらないときの注意点
子どもの鼻水が止まらないときには以下のようなことに気をつけてケアをしましょう。
ティッシュを鼻につめるのはやめましょう
鼻水が止まらないからと鼻にティッシュをつめたまま寝ると、子どもは口呼吸だけになります。寝返りをうって仰向けになったときに口呼吸だけだと苦しく、鼻で呼吸できない状態は危険です。
ティッシュは鼻につめず、こまめに鼻水をふきとることが大事です。
鼻を拭くとき
ティッシュで鼻水を拭くと、鼻の下や鼻が荒れてしまう子どもがいます。
子どもの鼻が荒れるときには、普通のティッシュではなく、ノンアルコールのウェットティッシュを温めて拭くようにしましょう。
何度も拭くのではなく、1度ですばやくふき取ることがポイントです。
鼻が荒れたときのケア
鼻を何度もかむと鼻の下が荒れることがあります。
荒れると鼻水が染みて子どもが痛がることがあります。荒れるなどの症状が出てきたら、乾燥した部分にクリームなどを塗って保湿する必要があります。
止まらない鼻水には、正しい対処法とホームケアが重要
鼻水が止まらないで眠れない子どもを見ると、苦しそうでなんとか対処してあげたいと思うでしょう。
子どもの鼻は粘膜が弱く、少しの細菌やホコリにも敏感に反応しやすいので、夜中に鼻水が止まらなくて寝れない子も少なくないようです。
子どもが鼻水が止まらずに眠れないときには、鼻水をすすらせないで、外に出させることが大事です。
赤ちゃんであれば鼻吸い器を使用し、3歳くらいの子どもには鼻のかみ方を伝えてこまめに鼻をかむように教えることが必要です。
鼻水の粘り気が強いときには、鼻を温めると鼻水が出やすくなるので、蒸しタオルで温めたり、部屋を加湿して部屋の湿度をあげたり、上半身を少し起こすなど寝方を工夫すると眠れるかもしれません。
十分なホームケアをしても鼻水が止まらないときや、症状が悪化するときには中耳炎や副鼻腔炎などの病気にかかっている可能性があるため、早めに耳鼻咽喉科へ受診しましょう。
監修:三塚沙希(エムズクリニック白金 院長)
Profile
三塚沙希
エムズクリニック白金 院長。日本大学医学部卒業。日本大学医学部付属板橋病院にて初期研修。慶應大学耳鼻咽喉科入局後、東京都済生会中央病院、国立成育医療研究センター、山王病院に出向。わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。