【耳鼻科医監修】子どもの鼻水。正しい鼻水のかみ方と子どもへの伝え方のコツ

【耳鼻科医監修】子どもの鼻水。正しい鼻水のかみ方と子どもへの伝え方のコツ

2018.10.17

Profile

三塚沙希

三塚沙希

エムズクリニック白金 院長/耳鼻咽喉科専門医/補聴器相談医/産業医/健康スポーツ認定医

エムズクリニック白金 院長。日本大学医学部卒業。日本大学医学部付属板橋病院にて初期研修。慶應大学耳鼻咽喉科入局後、東京都済生会中央病院、国立成育医療研究センター、山王病院に出向。わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。

子どもがよく鼻づまりや鼻水などの症状を起こし、鼻のかみ方を練習中、という家庭は多いかもしれません。子どもに正しい鼻のかみ方を伝えても、習得までママも子どもも苦労することも。子どもに伝わりやすい、正しい鼻水のかみ方や鼻のかみ方を教えるときのポイントをママの体験談も合わせて、ご紹介します。

鼻水が出る原因と対策法

子どもはどのようなことが原因で鼻水が出るのでしょうか。

子ども 鼻水
Kanjanee Chaisin/Shutterstock.com

鼻水が出る原因

子どもが鼻水を出し始める原因で多いのが、風邪です。ウイルスや細菌は鼻の粘膜に付着して炎症を起こします。

風邪のほかにも、花粉やハウスダスト、ホコリなどのアレルギー物質に反応して鼻水が出ることがあります。アレルギー反応で起こる鼻水は、くしゃみを伴うことが多いです。一定の季節になると目のかゆみを伴って鼻水が出る場合は、アレルギー性鼻炎や花粉症の可能性が高くなります。


鼻水対策

鼻のなかにはウイルスや細菌がたくさんいるので、風邪やアレルギーなどで鼻水が出てきたら、鼻水はすすらず、こまめにかんで外に出すことが大切です。鼻水が鼻のなかに溜まったままになると耳の方に流れ込んで、中耳炎や副鼻腔炎になる可能性があります。

正しい鼻のかみ方とは

子どもが2歳くらいになると鼻をかむ練習を始めた家庭もあるでしょう。3歳くらいになると自分で上手に鼻がかめるようになる子どももいます。

子ども 鼻水のかみ方
iStock.com/RyanKing999

正しい鼻のかみ方

専門家は、正しい鼻のかみ方について以下のように述べています

鼻は片方ずつ優しくかむのが耳に影響がでないかみかたです。

出典: AskDoctors

正しい鼻のかみ方をみていきましょう。


1.片方の鼻を押さえる
2.口から息を吸う
3.押さえていない方の鼻に鼻息を通す


このときなるべく力を入れずにゆっくり繰り返すことがポイントです。

また左右の鼻の穴を交互に少しずつかみます。1度に両方の鼻をかんだり、一息で強くかむと、鼻の粘膜や鼓膜を傷つける場合があるので注意が必要です。

鼻のかみ方を子どもに教えるときの方法

子どもが鼻水を出したときに、鼻のかみ方を伝えてもなかなか上手くできず、どのように教えたらよいのか困った経験はありませんか。

子どもに鼻のかみ方を教える方法をご紹介します。


お風呂で鼻から息を出す練習をする

湯船に鼻までつかり、鼻からブクブクと息を出します。子どもが湯船に鼻までつけるのを怖がったり、難しい場合は、まず口だけつけるところから始めてみましょう。

ママやパパが実際にやってみせると子どももイメージを持ちやすいかもしれません。


鼻息でティッシュを揺らす

ママが子どもの顔の前でティッシュを持ちます。口から息を吸って鼻息でティッシュを揺らします。このとき「口から息を吸って鼻からはくよ」などと声をかけると子どもがやりやすいでしょう。

鼻息をはけるようになったら、口から息を吸って息を少し止めてから鼻息をはくように段階を踏んで教えると習得しやすいですよ。

鼻から息を出すということが子どもにとって難しいようです。1回ではできないかもしれないので、何度か試してみましょう。親子やきょうだいでどっちが遠くまでティッシュを飛ばせるか競争をしても面白いですよ。

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鼻のかみ方を子どもに教えたことのあるママの体験談

鼻のかみ方
iStock.com/real444

鼻のかみ方を子どもに教えるときに、上手く鼻をかめずに苦労したママが多いようです。

子どもに、どのように鼻のかみ方を教えたのかママたちの体験談を紹介します。


段階を追って練習する

初めはティッシュなしで「チーン」って言いながら息をはくことを伝えましたが、難しく上手くいかなかったので、ママが実際にお手本を見せました。

繰り返し行うことで少しずつできるようになり、今は上手に鼻がかめるようになりました。子どもには、鼻水をかむ、という行為を理解するのがむずかしいので、段階を追って根気よく伝えることが大事だと思いました。


ゲーム感覚で楽しむ

子どもが鼻が上手くかめずに困っているので、小児科の先生に相談しました。

先生がティッシュを子どもの顔の前に置いて、鼻息でどこまでティッシュが上に上がるかをパパ、ママみんなで競争するように教えてくれたので家族で試しました。遊び感覚で教えることで子どもは楽しみながら練習できています。

しかし、実際の鼻をかむ行為はなかなかうまくいかず、今も練習中です。鼻水が出たときには、ティッシュを鼻のなかに入れて鼻水を拭きとっている状態なので、これからも繰り返し教えていくようにしたいと思います。

楽しみながら繰り返し教える

親子 鼻水 かめた
iStock.com/asiseeit

正しい鼻のかみ方として、一気にかまずに片方ずつゆっくりかむことがポイントです。しかし子どもが鼻を上手にかめずに悩んでいるママは多くいるようです。片方ずつ鼻の穴から鼻息をはいてかむように伝えると、すぐにできる子どももいれば、難しい子どももいます。鼻をかめるようになる年齢には個人差があるようですね。

ママやパパは子どもに早く自分で鼻をかめるようになってほしいと思いますが、できるようになるまで繰り返しじっくり教えることが必要です。鼻のかみ方を教えるときには言葉だけでなく、ママとパパが実際にお手本を見せたり、親子でゲームのように遊びながら伝えると子どもも楽しんでできるかもしれません。

鼻が上手にかめるときもちよいですよね。子どもが自分で鼻をかめるようになるまでは時間がかかることも多いですが、根気よく付き合っていきましょう。そして、自分で鼻がかめるようになったときには「上手に鼻かめたね」や「鼻水でたね」と褒めてあげましょう。


監修:三塚沙希(エムズクリニック白金 院長)

Profile

三塚沙希

三塚沙希

エムズクリニック白金 院長。日本大学医学部卒業。日本大学医学部付属板橋病院にて初期研修。慶應大学耳鼻咽喉科入局後、東京都済生会中央病院、国立成育医療研究センター、山王病院に出向。わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。

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