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【小児科医監修】赤ちゃんのやけど(火傷)。起こりやすいシーンと水ぶくれの応急処置
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クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
赤ちゃんや子どものいる家庭で熱湯や暖房器具を使っていると、やけど(火傷)を心配するママも多いのではないでしょうか。そこで赤ちゃんがどのような場面でやけどしやすいのか、やけどをしてしまった場合どのように対処すればよいのかを紹介していこうと思います。
こんな場面で赤ちゃんはやけどをすることもある
熱い飲み物が入ったやかんやポット、ガスコンロ、ストーブなどのほかに炊飯器の蒸気など火以外でもやけどをすることがあるようです。
また、ママが使ったあとのヘアアイロンなどでもやけどしてしまう、赤ちゃんもいるようなので手が届かない場所や、チャイルドロックをかけるなどしてやけどを防ぐようにしましょう。
やけど(火傷)のステージ別症状
やけどには症状により3つの症状に分けられます。ステージ別に症状を見ていきましょう。
Ⅰ度
Ⅰ度は表面の皮膚のみのやけどを指します。赤くなったり、腫れたりしヒリヒリした痛みがありますが、数日で収まることが多く、跡が残ることもないようです。日焼けもⅠ度に含まれます。
Ⅱ度
比較的軽症な浅達性Ⅱ度と早めの処置が必要な深達性Ⅱ度の二つに分けられます。
浅達性は痛みが強く、そのほかにも熱を持って腫れている感じ、赤い水ぶくれなどの症状が見られます。医師の治療をきちんと受けると、1~2週間治り、傷跡はほとんどのケースで残りません。
深達性は真皮の深いところまでやけどが達している状態で、白い水ぶくれができます。場合によっては神経まで損傷していることもあり、痛みを感じにくいこともあります。傷跡も残る場合が多いです。
Ⅲ度
Ⅲ度は皮下組織までやけどで損傷している状態を指します。神経も焼けてしまっているので痛みは感じないようです。やけどした部分は白く乾燥し、皮膚がもりあがりケロイドという状態になり跡が残ります。場合によっては機能障害が残ることもあるようです。
やけどの状態や範囲によっても治療期間や方法も変わってくるので、かかりつけの小児科や皮膚科を受診し医師の指示を仰ぎましょう。
やけどの初期処置のポイント
やけどをしてしまった場合の初期処置として家で行うときのポイントを聞いてみました。
水道水などの清潔な水で冷やす
冷やすときに受傷部から雑菌を侵入するのを防ぐために清潔な水で冷やすとよいでしょう。洗面器に水を溜めながら、冷やす方法もOKです。
また、発熱時に使用する冷却シートはあまり効果がないようです。
稀に「味噌で冷やすといい」などという人がいますが、逆に傷口から雑菌が入ってしまい、悪化する可能性もあるので、水で冷やす以外はせず、病院へいきましょう。
ちなみに、専門家はこのようにアドバイスしています。
“
お家でできることは、すぐに水で冷やすことです。できるだけしっかりと冷やしてください。その後はガーゼを巻いた保冷材などで浸してもいいでしょう。赤ちゃんお肌は薄く柔らかいですから、すぐに氷や保冷材を使うと肌の損傷が強くなることがあります。水が一番です。落ち着いた後も直接は付けずにガーゼやタオルでくるんでから使ってくださいね。水ぶくれになっているので皮膚科受診をお薦めします。
出典: AskDoctors
冷やす時間は15~30分が目安に
冷やす時間の目安は15分~30分ですが、患部の痛みが消えるまで冷やしましょう。やけどが広範囲の場合はすぐに小児科や皮膚科を受診しましょう。
衣類を脱がさず、衣類の上から冷やす
衣類を着用している場合、無理に脱がせると、皮膚がはがれてしまうことも。着せたまま冷やすのがよいでしょう。
やけどの後の水ぶくれ
やけどのあとに水ぶくれになったこともあるのではないでしょうか。原因や期間、破れたときの処置の仕方を調べてみました。
水ぶくれになる原因
水ぶくれができる仕組みとは、やけどによって損傷した血管から体液が漏れ出すことで起きます。
水ぶくれになるやけどの場合Ⅱ度以上のことが多く、見た目より重症なこともあるようなので水ぶくれが白くなったときは急いで受診しましょう。
水ぶくれができる期間
やけどのステージによっても異なりますが、ひどいと3週間以上かかることもあるようです。
破れるとどうなる?
水ぶくれが破けてしまった場合、破れたところから細菌感染することもあるので清潔なガーゼなどを当てて保護しましょう。また、破けてしまった皮膚は取らずに、早めに受診することで、傷跡の有無にも関係してくるようです。
水ぶくれは、やけどの度合を知るうえでバロメーターになります。なるべく破けないように清潔なガーゼで保護して過ごしましょう。破けてしまった場合は、触らずすぐに受診しましょう。
赤ちゃんのやけど(火傷)は水ぶくれの有無と適切な初期処置が大切!
赤ちゃんのやけどは、チャイルドロックや、赤ちゃんの手の届かない位置で熱を発する家電を使うなど、日頃の工夫で防ぐことができます。
しかしやけどをしてしまった場合は慌てず、すぐにきれいな水で冷やして初期処置をしましょう。白い水ぶくれになったときには医療機関を早めに受診することで、あとが残る度合、期間も変わってきます。赤ちゃんの皮膚の状態をこまめに観察して、早めの対応を心がけてください。
監修:眞々田容子
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眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
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