本当の「イクメン」とは。パパにしかできない子育ての流儀

本当の「イクメン」とは。パパにしかできない子育ての流儀

2016.11.23

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平原学

平原学

編集者/ライター

1985年(昭和60年)佐賀県生まれ・都内在住。一児の父。本職は、編集者・ライター。他にも小説やゲームシナリオの執筆を手掛ける。

子育てに積極的だと思いながら、ただの「自称:イクメン」になっていませんか?子育てに参加している「つもり」から、本当にママや子どもに愛される存在になるためには、何をすればよいのでしょう。『新しいパパの教科書』(ファザーリングジャパン/学研教育出版)から、父親だからこそできる育児の方法を学びます。

1. 自然には入らない「パパスイッチ」。意識的に入れるには?

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女性は妊娠してつわりや胎動を体感し、出産後も授乳によって自然と「母親」という存在に変わっていきます。一方、体型も変わらなければ、おっぱいも出ない男性は、「父親」の実感を持つのもスローペース。意識的に自ら動かないと、父親意識を持つこともできません。

具体的にどう動くのか。本書でのオススメは、“赤ちゃんの香りや肌触りを感じながら過ごす”こと。例えばお風呂に入れてあげたり、添い寝したりを繰り返すうち、じわじわと父親になった実感が湧いてくることでしょう。

また、立ち会い出産で一気にスイッチがONに切り替わるパパも少なくないそう。仕事や経済的な問題から里帰り出産を考えるご夫婦もいらっしゃるでしょう。本書で立ち会い出産を推奨していますが、里帰りの場合もなるべくメールやSNSを駆使し、離れていても奥さんとつながりを大切にしましょう。

ちなみに私がパパスイッチを入れた瞬間は、子どもがぐずっているときに抱っこし、揺りかごのように優しく揺らして寝かしつけてあげられたときでした。最初はなかなか泣きやまずに心が折れることも多かったものの、だんだん慣れてくると落ち着いて眠るように。「子どもを安心させられる存在になれた」と嬉しくなりました。

もちろん、どうしてもママのおっぱいでないと泣きやまないときもあります。そこで無力感を抱く必要はありません。ママでも手に負えなくなるときは必ずあり、そんなときこそパパの出番。

母乳が出ないパパでもミルクを作って与えることはできますし、根気強く付き合っていれば、必ず子どもの方からパパを求めてくるようになります。子育てに臆病にならず、しっかり向き合って、パパになっていきましょう。


2. おむつ交換・お風呂タイムこそ、父子の信頼を築くチャンス!

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ところで、子どものおむつ、ちゃんと変えられますか?「当たり前だ」と言いながら、おしっこのときだけ担当して、うんちはママ任せになっていませんか。

「ムリムリ、ゼッタイ!」と言う人もいるかもしれませんが、そういうパパは、ひょっとしたら子どもから信頼される貴重なチャンスを逃してしまっているかもしれません。

“おむつを替えてくれるということは、赤ちゃんからすると、自分の不快を取り除いてくれるということ。親子の信頼関係も、ここで育まれるのです。”

生きるのに直結する、母乳やミルクを与えるという行為も当然大切ですが、意外とおむつ換えこそ親子になるために必要な儀式なのかもしれません。

また、子どもをお風呂に入れるのもパパの出番。普段は仕事で外に出ていてなかなか子どもとふれあう機会がないという方も、一緒に裸で入るお風呂タイムは、子どもとの距離を一気に近づけられる貴重な時間です。とくに女の子の場合、小学校3年生くらいになるとパパといっしょの入浴を拒み始めるそうなので、そのとき後悔しても遅いでしょう。

仕事で疲れているパパこそ、「お風呂くらい一人でゆっくり浸からせてほしい」と一緒の入浴を嫌がるかもしれません。ただ、それはママも一緒。子どもをお風呂に入れている間は髪さえ洗えず、ママにとって大きなストレスになります。

もちろん入るタイミングは同じでも、子どもだけ先に上がらせて、あとは一人でゆっくりすることもできます。ぜひ積極的に子どもと一緒のお風呂タイムを過ごしましょう。

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3. おもちゃは与えるだけで終わりじゃない。パパ流の子どもとの遊び方

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子どもを楽しませるものと言えばおもちゃ。私自身も人からもらったり、ネット通販で買ったりして子どもが喜ぶ顔を想像してみたりしますが、いざ与えてみると、意外に無反応なことが多いもの。まだおしゃべりもできない小さい子なら特に、おもちゃを与えるだけで終わりにするのはもったいない話です。

そもそも子どもにとってのおもちゃの魅力とはなにか。本書では以下の3つを挙げています。

・応答性があること(働きかけると反応がある)
・自分で操作できること(思い通りになる)
・イメージを投影しやすいこと(なりきったりすること)

ボタンを押せば音が鳴るおもちゃなどはわかりやすくありますが、例えば叩いた鍵盤ボタンによって違う音の出るピアノのおもちゃなど、パパが教えてあげることで初めて子どもの脳が活性化するものもあります。

また、男の子にリアルな車のおもちゃを買ってあげなくても、長方形の積み木を「車だよ。ブーンブーン」と手で走らせてみせることで、子どもにとってそれは車に変身します。

“おもちゃはもらった直後はすごく楽しいものですが、いずれ飽きがきます。でも、パパとの関わりはいつも新鮮。”

こうして子どもの想像力を養うことこそパパの役目。

「おもちゃで子どもを喜ばせる」のではなく、「おもちゃを通したパパとの関わりで子どもを喜ばせる」ことができれば、もう堂々と「イクメン」を名乗って差し支えないでしょう。

4. 終わりに

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「育児は女の仕事」なんて言葉が、もはや古臭くしか感じられない現代。ただ、気持ちの面では育児に関わりたくても、なかなか行動が伴わない方も多いようです。

私がいつか見た子育て番組では、「妻と子どもの連携プレーが完璧すぎて、自分の入る余地がない」と嘆くパパの姿もありました。ただいくらママが凄くても、引け目を感じる必要はありません。前述したように、パパにはパパの役割がちゃんと用意されています。

“育児は父親として育てられる「育父」でもあるのです。”

そう本書にあるように、パパも子どもと共に成長していきましょう。


ライター:平原 学

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小説家、コラムニスト。1児の父。
第3回ツイッター小説大賞佳作受賞。
著書:単行本『ゴオルデンフィッシュ』(文芸社)

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