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子どもの習字教室は根強い人気で海外でも注目の的!書道との違いとは?
ママ世代が子どものころ定番だった「習字教室」の人気は今でも不動のようです。また、日本の文化である習字・書道は海外でも注目されています。子どものうちに習字を習うと、どのようなメリットがあるのか。「習字」と「書道」はどのような違いがあるのか、について考えてみました。
子どものうちに習字を習うメリット
キレイな字の基本が身につく
何事も最初が肝心!字を書き始めるころから習字を習うことによって、正しく文字を書く基本が身につきます。
一度覚えてしまった「くせ」の矯正は難しいですが、子どものうちから正しく身につけておけば、文字をたくさん書く学生の時期に、自然とキレイでバランスのとれた文字を書くことができます。
集中力が身につく
文字を書く際、「ここから書き始めて、ここではらう・止める」と1文字に対して注意すべき点が多い習字。そのため、集中して1画1画を書いていきます。
また、文字は落ち着きがないとしっかり書くことができないので、自然に静かに作業に取り組むようになります。習字教室でみんなが無言で取り組む姿も、集中力を養う良い環境となります。
姿勢が良くなる
習字と言えば必須なのが「正しい姿勢」です。習字教室と言えば「正座」のイメージが強かったのですが、最近では椅子に座って書く教室も増えてきました。
習字では背筋を伸ばし、頭を机から離して書きます。それにより、半紙の中の文字バランスを俯瞰で見ることができます。
猫背になりがちな背中を教室で定期的に伸ばしていくことで、良い姿勢も身につきます。
習字と書道の違い
習字とは
習字は字のごとく、字を習うという意味です。
最終目標はお手本通り完璧に真似することです。文部科学省ホームページでは小学3年生から始まる「国語科・毛筆書写」を「習字」の授業と称し、年間30単位時間を充てていて、中学3年生まで授業があります。教育目的には「文字の形、大きさ、配列などを正しく整えて書く」と記されています。
書道とは
書道は書を通して精神を鍛錬し、道を開くことを意味します。ただ手本通り書くのではなく、個性を出しながら自分を表現する一種の芸術です。
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文部科学省では高校生から「芸術科・書道(※)」と定められ、教育目的を「漢字仮名交じりの書、漢字の書、仮名の書の表現及び鑑賞」としています。
出典: 現行学習指導要領における芸術科(書道)について
表現及び鑑賞というのはまさに芸術科ならではです。
※芸術科(必履修科目)は、「音楽Ⅰ」、「美術Ⅰ」、「工芸Ⅰ」、「書道Ⅰ」の4科目から1科目が選択必修となっています。
この習字から書道への流れはまさに「守破離(しゅはり)」。「守破離」は武道・華道などにも共通する修業における段階を示したものです。
「習字」は「守」。師の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階です。
書道に入って「破」。他の師の教えや良いものを取り入れ、心技を発展させる段階です。
さらに極めて「離」。一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる域です。
習字は何歳から始めると良い?
字に興味を持つとき
園で「あいうえお表」が登場したり、絵本を読みたいという気持ちから字に興味を示す機会が多いのが3~5歳頃です。
ひらがなを練習する幼稚園も増えているようですが、子どもが字に興味を持ったときは習字を習わせるチャンスです。
幼児の習字内容
幼児から習字を始めるのはハードルが高そうに思えるかもしれません。
実際に幼児を受け入れる習字教室が、第1目標とするのは「1時間座れること」。そして鉛筆の「筆圧の調整」を訓練していくそうです。そこから文字の書き順へと少しずつステップアップしていき、鉛筆での基本ができたら毛筆へ進むようです。
まだ字も書けないし、座っていられないから……と躊躇していたママ・パパたちも、これなら安心して習字教室に通わせることができますね。
大人になって重宝されるキレイな文字
履歴書・記帳
大人になって履歴書を書く際、直筆での記入が必要な企業があります。「字は性格を表す」と言いますが、その人を短い時間で知るために必要な判断材料になっているのでしょう。
また、大人になってよくあるのが冠婚葬祭の際の記帳。「お習字を習っておけば良かった」というのはよくある話です。公の場でキレイな文字を書ける人は品格を感じます。
海外でも尊敬の的
筆者は10年ほど海外に滞在しておりましたが、そのときに書道ブームが巻き起こっていました。ギャラリーでは書道の個展が行われ、外国人もこぞって書道教室へ通っていました。書道の師範を持っている日本人の友人は外国の方から「自分の名前を漢字に当てて書いてほしい」「この言葉を漢字で書いてほしい」とひっきりなしに制作の注文が入っていました。
まさに「芸は身を助く」だとその友人は言っていましたが、武道・華道・茶道に並ぶ日本の芸術文化である書道は海外の人にとっては憧れの的のようです。
キレイな字が書けるのは生涯の財産
今の時代は文字を書くよりも文字を打つ、という行為の方が圧倒的に多いかもしれません。筆離れをしている今だからこそ、キレイな文字は目を惹きます。
キレイな字は気品を感じさせ、そのスキルは生涯の財産となります。なんでも吸収しやすい、真っ白な状態の子どものうちから習字を習うことを検討してみてはいかがでしょうか。