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モンテッソーリ教育とは。ねらいや特徴、ママたちの体験談
最近、よく耳にする“モンテッソーリ教育”。世界や日本で活躍する方が幼児期に受けていたことでも有名なこの教育は、具体的にはどのような内容なのでしょうか。今回は、モンテッソーリ教育とは何か、ねらいやメリット・デメリット、考案者マリア・モンテッソーリ博士とは、ママたちの体験談についてご紹介します。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育は、子どもの「自己教育力」にもとづいた世界的な教育法です。
20世紀初頭に、医師で教育家のマリア・モンテッソーリ博士が考案したことでその名がついており、海外では欧米をはじめ数多くの国で導入されています。
最近では、将棋の藤井聡太棋士やAppleのスティーブ・ジョブズ氏など数々の著名人がその教育を受けたことでも有名です。
モンテッソーリ教育の根底となっているのは、大人が教えなくても子どもは、自分で自立に向かって成長していこうとする力があるという「自己教育力」の考え方です。
この教育を受けることで子どもに積極性が身に付くと言われており、日本でも幼稚園や保育園で取り入れられるなど広がりを見せています。
モンテッソーリ教育のねらい
モンテッソーリ教育でのねらいは、自立していて有能、責任感と思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てるということです。
子どもたちが自由に自発的な行動に取り組むことが尊重されるため、周りの大人たちはそれを手伝う「援助者」として接することが求められます。
「援助」としては主に、5つの教育分野(日常生活の練習、感覚、言語、算数、文化教育)と目的に合わせて、さまざまな好奇心を刺激する教具や環境を用意します。
たとえば、日常生活の練習ではシール貼りや紐通し、感覚教育では積み木や味覚瓶といった教具があります。
教具は、色や形、手触り、重さなど子どもでも扱いやすく、手に取りたくなるようなデザインのものが使われ、素材についても慎重に扱う感覚を覚えるために陶器やガラスがあえて使われます。
マリア・モンテッソーリとは
マリア・モンテッソーリ(1870~1952)は、ローマ大学最初の女性医学博士で、卒業後はフランスの医師セガン氏の理論に従って障害児の治療教育のほか、実験心理学、教育学に携わりました。
ローマ大学付属の精神病院で働くようになったモンテッソーリはある時、知的障害のある幼児が指先の感覚的な刺激を自ら求めて、床に落ちたパン屑で遊ぶことに気づきます。
その経験を機に実験を重ね、知的障害を持っている子どもであっても、指先を動かす玩具を与えることで知的水準を向上できることを実証しました。
この結果については、1907年ローマ不動産協会が設置した保育施設「子どもの家」で、ローマの貧困層の健常児を対象に適用。
その施設でモンテッソーリは監督・指導を担当し、著しい成果を上げて独自の感覚教育法「モンテッソーリ教育」が完成しました。現在でも、モンテッソーリ教育を実践する幼児教育施設は「子どもの家」と呼ばれます。
そして、モンテッソーリ教育の普及と教師の養成に取り組み、日本に初めて紹介されたのは1912年のこと。多くの著作を残した晩年には、平和と子どもの生命の尊重を訴える運動を展開し、ノーベル平和賞の候補にもあげられました。
モンテッソーリ教育の特徴
モンテッソーリ教育のメリット、デメリットなど、特徴をご紹介します。
個性が伸ばしやすく器用になりやすい
モンテッソーリ教育のメリットとしては、以下のような点があげられます。
・個性が伸ばしやすい
・器用になりやすい
・コミュニケーション能力が向上しやすい
子どもが興味をもったものに主体的に取り組み、その子の発達や性質にあった教育がおこなわれるため、積極性が身につきやすく個性が伸ばしやすいようです。
また、幼少時から教具を使って細かい動きから大きな運動までするので、器用になりやすい点も。宿題やテストも実施されないので、子どもへの負担が軽く他者との相対評価がない点も大きな魅力でしょう。
また、クラス編成が0~3、3~6歳となっており年齢が違う友達と接するため、コミュニケーション能力が向上しやすい点もメリットです。
協調性が育ちにくい懸念も
モンテッソーリ教育のデメリットとしては、個性を尊重する教育をしているため協調性が育ちにくいとも言えます。
自己中心的な行動を起こしやすくなったり、みんなと同じことをするのが苦手になる可能性があるともいわれています。
また、1点集中型で取り組んだり、手先を器用に動かす教育が多い反面、運動能力が伸びにくいのではと懸念されることもあるようです。
しかし、モンテッソーリ教育を導入する幼稚園などでも、1日中室内の作業ばかりしているわけではなく、運動の時間や外遊びのプログラムを設けていることがほとんどなので、問題ない場合が多いでしょう。
モンテッソーリ教育についてママたちの体験談
モンテッソーリ教育についてママたちに話を聞いてみました。
知り合いのお子さんの話ですが、幼稚園ではなくご両親が家庭で取り入れていたそうです。
何をやっても否定されない、怒られないといった教育法で、小さい頃はひたすらレゴで遊んでいたと言っていました。
知的好奇心の塊で、頭がよく、親切で、哲学者のような子で、自己肯定感も高い印象です。その後も博士号まで取り、仕事もその延長のようにすごく楽しみながらやっています。
大人になってお子さんができたときに、母親からモンテッソーリの本をもらい、『この本を読んであなたを育てた』と聞いたそうで、ご自身も『お子さんにはモンテ教育をしたい』と言っていました
子どもが、モンテッソーリ教育を取り入れている保育園に通っていました。
教育内容はすべて『お仕事』と呼ばれ、色んな味を体験する味覚びんのお仕事、24g12gの板を両手のひらでわずかな重さの違いを体験する重量板のお仕事、窓や鏡をきれいに拭くお仕事があり、体験したことは細かく写真付きで連絡帳に記してもらっていました。
そのほか、コルク、大理石、木、金属、フェルトといった異なる素材をバラバラに置き同じ物を目をつぶって組み合わせていく温覚板のお仕事、色々な三角形を組み合わせ形を作っていく構成三角形のお仕事、ドライバーを使ったお仕事、時計のお仕事、靴を磨くお仕事もあり、子どもが楽しんでいました
モンテッソーリ教育を参考にしてみよう
世界各地で実践され、数多くの著名人も受けてきたモンテッソーリ教育。
どのような効果があるかは個人差がありますが、子どもの自発的な行動が尊重される教育をこれから受けさせたいと考えている方は、モンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園や保育園を検討してみるとよいかもしれません。
また、そのような園に通わない場合でも、モンテッソーリ教育に特化した書籍などを参考に家庭で取り入れてみることもできるでしょう。
モンテッソーリ教育を参考に、子どもが自分自身に合った教育を受けて伸び伸びと成長できるとよいですね。
末っ子が、小学校入学まで通っていた民間の保育園はまさにモンテッソーリ教育を取り入れていました。
保育園の全プログラムがモンテッソーリ教育というわけではなく、年少さんからスタートして3年間週に2、3回専門の先生が指導してくれていました。
モンテッソーリ教育では授業のことを『お仕事』と呼び、そろばんART、英語、体操などカリキュラムがいっぱいあって児童もいろんな国の子がいました。
私立小学校やインターに進学したお子さんもいましたが、次女は普通に地元小学校へ入学し、中学生になった今となってはどのように役にたっているのかはわからない状況です。でも、当時はとても楽しそうにお仕事をしていました