子どもの賢さは「自制心」で決まる
お子さんの賢さと「自制心」の関係を知っていますか?
『最高の子育てベスト55』によると、幼児期の簡単な遊びで、自制心は育てることが可能です。
「自制心」は幼少期に育みたい重要なスキルの1つ。
・宿題などの気の進まないことを始める、続ける能力
・テレビを観るなどのしたいことをやめる能力
これは、成功する人生をつくるための強力な武器となるからです。
自制心が重要であることは、多くの研究で証明されています。
たとえば、テリー・モフィット博士が子ども1000人を32年にわたって調査した研究によると、
3~11歳の時点で自制心が弱い(粘り強さが少ない、衝動性が高い、注意力が弱い)子どもは、同じ頃に自制心が強い子どもに比べて、30年後の健康度が低く、経済力が悪く、犯罪率が高い傾向がみられました。
自制心は「実行機能」(思考や行動を制御する認知システム)と呼ばれる脳内プロセスにより統括されています。
抑制力
作業記憶
注意力
認識の柔軟性
が合わさることで、
問題解決
理由づけ
計画
報酬の遅延(ほしいものをもらうことを先延ばしにすること)
ができるようになります。
また、自制心が強い子どもは以下のことに優れています。
・課題に集中して完成させる能力
・話をよく聞き、「気をそらすものを無視する」能力
・新しい要素を「取り入れる」能力
この「実行機能」は生後1年のあいだに発達が始まり、完全に成熟するのは20代前半です。
実行機能を楽しく育む方法をご紹介します。
子どもには読み聞かせが大切と言われていますが、実は、顔と顔を合わせ、本なしで語りかけるほうが、登場人物や筋書きをよく記憶することが、多くの研究から分かっています。
絵や写真のない物語は、子どもの注意力を喚起し、細部に注意を払わせる練習になります。
どうすればいいか分からない場合は、1日の出来事を話しかけることから始めましょう。
赤ちゃんは話の内容は気にしないため、「あるところに女の子がいました……」という風に始めて、その日の出来事を話すのもおすすめです。
ダンスのステップや、歌の音程を取る、武道などの行動は、長時間の集中力と注意力が求められ、複雑なプロセスを並行して心に留める作業が必要。
これらの行動が喜びをもたらし、社会的な帰属意識を与え、運動能力、自尊心を育て、自信をつけ、「実行機能」の発達につながります。
そのほかにも以下のような方法が効果的です。
「実行機能」のスコアは、「IQ」のスコアよりも、のちに学業で成功する重要な指標になることが、多くの研究で明らかになっています。
難しく考えるのではなく、まずは日常に取り入れられる遊びから、自制心を育んでみてはいかがでしょうか。