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【体験談】娘が0歳のとき、布おむつを使ってみて考えたこと
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編集者/ライター
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1985年(昭和60年)佐賀県生まれ・都内在住。一児の父。本職は、編集者・ライター。他にも小説やゲームシナリオの執筆を手掛ける。
何かと出費のかかる育児。少しでも節約できないかと、我が家では一時期布おむつを使っていました。けれど半年を過ぎるころからリタイア。わずか数カ月でも試してみる価値はあったのでしょうか。体験談を元に布おむつの良かった点や大変だった点などをお話し致します。
必ず一度は悩む、二つの選択肢
我が家で布おむつを買ったのは、子どもが生まれるよりも前のこと。「紙おむつは高いし、買っておいた方がいいよね」と妻が、まずは布を20枚、布とお尻の間に敷く布メッシュを4つ、カバーを2つ。それから、使い捨てでメッシュのおむつライナー(220枚入り)を購入しました。
私自身は姪っ子の世話をした経験がありますが、その際、布おむつなんて一度も使ったことがありません。ベビー用品の買い物に出かけた際、買い物かごに入れられたその商品を見て、使い回しのおむつなんて大丈夫だろうかと内心ヒヤヒヤしていたのをよく覚えています。
実際に使い始めたのは1ヶ月になる少し前くらいから。紙おむつの取り替えにも慣れ、「よし、そろそろやってみようか」と妻の方から布おむつを導入。ついに運命の時がきたか、と少し憂鬱な気分になったものです。
「節約している」感がハンパない、使い始め
初めて娘につけた布おむつは、少々ブカブカでした。これでちゃんと漏れないのだろうかと不安になりながらも、3時間後。1回目の交換のときは、しっかり漏れずに吸水できていてホッと一安心。ただ逆に言えば、余裕で吸水できるくらいの量しかオシッコしていないということでもあります。
紙おむつの場合は、この状態で交換するのはなんだかもったいないと感じてしまうこともありますよね。たくさんオシッコしてパンパンに膨らんでいても、少量しか出ていなくても、交換してしまえば同じ1枚。
布おむつは、その反対。何度も使えるので、オシッコが少量でも罪悪感なくすぐ取り替えられ、赤ちゃんのお尻をサッパリさせてあげられます。また、交換途中で新しい布にオシッコしてしまっても安心。紙だと、「また1枚余計に消費してしまった」と切ない気持ちになってしまうでしょう。
洗うのも意外と簡単。お風呂場に持って行き、洗面器の中で手もみ洗いした後は、洗剤水を入れたバケツの中に浸け置きしておくだけ。あとは赤ちゃんの洗濯物と一緒に洗濯機で洗い、干すだけです。
替えても替えても終わらない。どうしても差が出る吸水量
では、ここからデメリットのお話。やはり布おむつは、吸水量の面で紙おむつに劣ります。2、3回もオシッコした後では、もうずぶぬれ。防水性になっているカバーも、端の方からじんわり漏れていきます。そうなると服まで着替えさせなくてはならず、当然カバーも交換です。カバーは結局2枚では足らず、もう2枚追加で注文することになりました。
逆に想像するより楽だったのが、ウンチをしたとき。メッシュやおむつライナーをしていても布にまで汚れてしまうことは多かったですが、洗う際は手もみの回数が増えるくらいです。「手でウンチを落とすこと自体が耐えられない」と言うパパもいるかもしれませんが、紙のおむつだって実は、ウンチは落としてトイレに流すよう注意書きがあります。大した差はなく、慣れれば問題ありません。
ただ、やはり替える頻度が増えると、時間は奪われてしまいます。妻も「今日は時間がないから紙にする」と言う日が増え、徐々に布おむつの出番は減ってしまったのでした。一度保育士さんが家庭訪問したとき、「まあ、布おむつなんて珍しい。頑張ってるわね」と褒められて気を良くしていたのに……。ただ「紙にする」と言われた瞬間、気を良くしてしまった私が非難できることではありません。
「布だけ」で頑張りすぎない。適度な切り替えが大事
結局、我が家は半年も使わなかった布おむつ。1歳になる前、また何度か使ってみたりもしましたが、さすがにオシッコやウンチの量も増え、親類から大量に紙おむつを贈ってもらったこともあって、なかなか布おむつへ戻れなくなってしまいました。
しかし無駄な買い物だったわけではなく、買った分は元が取れたと思っています。ネットなどで紙おむつの値段を見ると、全体の価格の下に小さく「1枚XX円」と書かれていることがあります。メーカーでどれが安いかの比較として便利な表記ですが、「1枚消費するごとに、これだけお金が支払われているのか」と憂鬱な気分になる人もいるでしょう。そんな方は、ぜひ布おむつの経済効果を感じてみてください。
また布おむつカバーは、月齢に合わせてボタンの位置でサイズを調整できるものもあります。位置が変わるたび、赤ちゃんの成長も感じられます。
おむつは、布なら布だけにする、紙なら紙だけにすると、どちらか片方選択しなければならないわけではありません。忙しいときは紙だけ、休日は布も使うなど、選択肢があるだけでおむつの世話はグッと楽になります。それぞれ使い分けてみてはいかがでしょうか。
ライター:平原 学
小説家、コラムニスト。1児の父。
第3回ツイッター小説大賞佳作受賞。
著書:単行本『ゴオルデンフィッシュ』(文芸社)