こちらの記事も読まれています
【体験談】トラブルを乗り越えることで成長した、ある姉妹のお話
Profile
製造メーカーの生産開発部、情報システム会社の開発部で長く勤務。執筆活動としては、育児サイトやITサイトへのコラム執筆や教育関連の電子書籍4冊出版など。プライベートでは4児の父。
子どもは思わぬ行動をするもの。大なり小なり子どもはさまざまなトラブルに遭遇します。そのとき大人ができることはあるのでしょうか。今回は、トラブルによって成長したある姉妹のエピソードをご紹介します。
トイレに閉じ込められた次女
次女がまだ幼稚園児だったころの話です。私は次女の四つ美と4歳上の小学生の長女を連れて近所の室内プールに出かけました。そこには大人用のプールのほかに子ども用の浅いプールがあったのでそこで遊びました。
しばらくして次女がトイレに行きたがったので長女と二人で行かせました。私はこの間に大人用のプールで泳ぎながら待っていました。けれども娘たちはなかなか戻って来ません。いったいどうしたのでしょうか?
「パパ、たいへん。四つ美が閉じ込められたー!」
長女だけが戻って来ました。話を聞くとトイレの個室に入った次女が中から鍵を開けられなくなったらしいのです。長女が外からいろいろアドバイスをしたのですがダメだったのです。トイレはプールの女子更衣室の中なので、私は近づくことすらできません。
係の人に知らせて長女に案内するように言いました。私は何もできずに待つしかありません。「四つ美を励ましてあげて」と、次女のことは長女に任せました。
姉に連れて来られた係の人が外から鍵を開けようとしましたが開かなかったそうです。しばらく苦戦したあと、結局、係の人はドアの上によじ上ってホウキを使って鍵をどうにか開けました。鍵が緩くなっていて一度閉めると小さな子どもには開けにくいようなってしまっていたとのことでした。救出されるまでにはずいぶん時間がかかりました。
トラブルで妹も姉も頼もしくなる
待たされている間、次女はさぞかし心細くて怖かったかと思います。救出されたときには「よくがんばったね」とほめてあげました。今でもときどき、あのときはよくがんばったね、あの体験で強くなったね、と声をかけています。
小学生の姉は女子トイレの中でパパに助けを求めることもできず、妹を自分が助けないと、と思いました。鍵を開けさせようと外からアドバイスし、係の人を連れて来ました。そのあとも「四つ美、もうすぐ開くから大丈夫だよー」と妹を励まし続けました。
親に助けてもらえないとき、兄弟姉妹で助け合うという経験は大事だと思います。姉や兄には責任感が養われます。妹や弟からの信頼を得て兄弟姉妹の絆も深まります。
故意にトラブルを作ることはできませんが、兄弟姉妹だけに何かをやらせて任せるという機会は、子どもたちにとっていい経験だったようです。
閉じ込められには気をつけて
子どもの話ではありませんが、同じくトイレに閉じ込められた別の例も紹介します。
私の友人のD氏(男性)はマンションに住んでいました。ある日自宅のトイレに入ってから出ようとするとドアノブが空回りしてしまってロックを解除できません。ドアが開かないのです。
まずは助けを呼ぼうと思いました。けれどもそのとき家には自分しかいません。スマートフォンはトイレの外です。トイレには窓もないので、助けを呼ぶこともできません。
D氏は緩んでいたドアノブを外せないかと考えます。トイレの中にある固いもの、トイレットペーパーの芯などを使って何度かチャレンジしました。ドアノブの隙間に挟んでドアノブを外そうと試みます。しかしうまくはいかず、使ったものはことごとく折れてしまって歯が立ちませんでした。
幸いにも、D氏は一人暮らしではありませんでした。夜になって奥さんがやっと帰ってきました。ドアの下に2センチほどの隙間があったので、そこからドライバーを中に入れてもらいました。「これでドアノブを外せる、助かった」とD氏は思いました。けれどもドライバーを使ってドアノブを外しても、ドアを開けることはできません。こうなるとドアを破壊するしかありません。自力ではできないので業者の人を呼ぶことになりました。
業者の人が来るまでの間、トイレの中でヒマを持て余したD氏は、ドアの下の隙間からスマホを入れてもらって「監禁中なう」とつぶやいていました。私が彼の異変に気づいたのもそのつぶやきでした。そして業者が来てD氏が救出されたのは深夜でした。
もしもD氏が一人暮らしだったら、誰にも気づかれないまま何日も放置され、大変なことになっていたかもしれません。閉じ込められには気をつけないといけませんね。家のドアのノブが緩くなったらすぐに修理しておきましょう。
トラブルを乗り越えることが子どもを成長させる
小さな子どもにトラブルが発生すると、親は焦ったり、嘆き悲しむばかりになってしまいがちです。けれども起きてしまったことを嘆いても仕方がありません。ここは前向きに考えましょう。結果的に無事ならば、トラブルを体験したことで子どもは一つ成長したはずです。この体験で成長したね、と子どもを励ましてあげましょう。
そしてドアが開かなくなって子どもや自分が閉じ込められないように気をつけてください。
ライター: 四児の父・あべっかん
本職はIT系のエンジニアです。息子二人と娘二人を育てながら教育関係のブログを書いています。