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出産にかかるお金を計算。もし足りないときに相談できる窓口や制度とは
妊娠すると出産にかかるお金のことは気になりますよね。今回の記事では、出産までに必要なお金を計算してみました。また万が一出産費用が足りないという非常事態のときに、相談できる国や自治体の窓口について調べました。
出産までに必要なお金
妊婦健診
妊婦検診にかかる費用は、自治体の助成制度で補うことができます。
住んでいる自治体から妊婦健康診査助成制度に基づき補助券が発行され、病院で妊婦健診を受けた後、支払いのときに提示することで、健診費用を負担してくれます。
補助券は、保健センターで母子手帳をもらうときにいっしょに交付される場合もありますが、自治体によっては、後日郵送される場合もあるので、お住まいの自治体に確認してみましょう。
つわり、切迫早産などの妊婦健診以外に病院を受診すると使用できず、自己負担となる場合もあることを知っておきましょう。
入院(正常分娩)
病院ごとに異なりますが、入院日数が6日の場合は10万円ほどかかるといわれています。
大部屋ではなく個室を利用する場合には、別途費用がかかり1万2000円ほど。分娩費用は、分娩の介助や手術にかかる費用で、朝か夜か、平日と土日でも金額が異なる場合があります。
分娩費用は25万円ほどかかります。他には、新生児管理保育料、検査・薬剤料、処置・手当料、産科医療補償制度、その他費用を含めて計算すると約50万円ほどの費用が出産時にかかるといわれています。
その他費用
その他、マタニティ・ベビー用品や里帰りにもお金がかかります。それぞれ費用は人によって変わりますので、出産費用と合わせて事前に計算しておいたら安心ですね。
出産に関する制度と相談窓口
出産手当金
出産手当金は、出産のため休業をする被保険者に支払われます。
条件としては、事業主から報酬を受け取っていない場合であること。任意継続被保険者は、一部の人を除いてもらえません。仕事を休んでしまっている間は一カ月の給料の平均を30日で割った金額が一日当たり支払われるようです。
出産育児一時金制度
出産育児一時金制度とは、被保険者である本人または被扶養者へ出産に要する経済的負担を軽減するため、一定の金額が支給される制度のこと。
支給額は特例を除き一児童につき42万円で、多胎妊娠の場合には子どもの人数分の一時金を受け取ることが可能です。
出産育児一時金貸付制度
被保険者、被扶養者で、出産育児一時金の支給が見込まれている人が受けられるのが、出産育児一時金貸付制度です。
出産予定日まで一カ月以内であり、また病院などに支払いを行わなければならない場合に利用することができます。出産育児一時金支給の見込み額の8割相当額を無利子で前もって借りることができるため、手持ちがなく、病院に直接支払わなければならないというときに利用される場合があります。
そのため、出産児一時金を妊婦に代わり病院が請求と受け取りを行う、直接支払制度や、病院を代理人として出産育児一時金の受け取りを委任する、受け取り代理制度を利用して支払う場合には、利用できないようです。詳細はご自身が該当する医療保険者(健康保険証の発行機関)に問い合わせしてみましょう。
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度とは、生活や住宅にかかる費用が足りないときに国が貸し出す制度です。
生活支援費や、住宅入居費など資金の種類が分かれており、貸付限度額がそれぞれ決められています。条件はそれぞれ定められた要件があるので該当するかわからないときは、相談してみるのもよいかもしれません。
困ったときの相談窓口
自治体
お金に困ったときにまず相談したいのは、自治体です。各自治体では、お金が足りないときに利用できる制度をいくつか設けています。
また、自治体に自身の生活状況を把握してもらうことで、状況によっては生活保護を受けることができる場合もあります。まずは、現状について自治体に相談し、どの制度を利用できるのか問い合わせてみましょう。
出産扶助制度
お金が足りないという経済的な理由によって生活保護を受けている妊産婦が、自宅で出産した場合や国が定めた病院以外の施設を利用して出産する場合には、生活保護法によって出産扶助とみなされ、出産費用を公費で負担してくれます。
入院助産制度
入院助産制度とは、出産扶助制度と同様に、生活保護を受給している妊産婦が経済的に困窮していて健康保険などに加入しておらず、病院で出産ができない場合に受けられる制度を言います。
入院助産制度は、子どもを安全に産み育てるという児童福祉法によって、お金に困っていて病院で出産できないという事態を救うために設けられており、病院での出産費用や入院費用を公費で負担してくれるようです。
条件や詳細についてはそれぞれの自治体に相談をしてみましょう。
出産のお金がないときは自治体などに相談を
健診から分娩・入院まで、計算してみると出産に多くのお金がかかることがわかります。出産に関わる制度である出産育児一時金や、検診の助成券などによって、負担を減らすことができるかもしれません。万が一お金が足りない事態になったときは、まず国の機関や自治体に相談してみてはいかがでしょうか。
※記事内で使用している参照に関する内容は、2017年10月27日時点の情報となります。