【保存版】新生児のよだれはいつから?スタイ活用やよだれ対策など

【保存版】新生児のよだれはいつから?スタイ活用やよだれ対策など

2021.10.15

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保科しほ

保科しほ

医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック

日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。

新生児のよだれはいつから出るのでしょうか。また、どうして数ヶ月経つとよだれが増えるのでしょうか。よだれの量や形状、その中で注意すべき症状にはどのようなものがあるのか、よだれによる「かぶれ」やスタイの活用方法、服やおもちゃによだれがついた時の対処法も合わせてお伝えします。

新生児のよだれが気になるのはいつから?どうして増えるの?

3カ月の赤ちゃん
LeManna/Shutterstock.com

新生児とは本来生後1カ月未満の赤ちゃんを指します。この記事では新生児=生後2、3カ月までの赤ちゃんとしてお話をします。

新生児期にはよだれは気になることが少ないと思います。

生後4~5カ月頃から、赤ちゃんのよだれが気になるママが多いようです。個人差はありますが、早くて生後3カ月くらいから赤ちゃんの消化機能が少しずつ整います。それに伴い、生後4~5カ月頃から赤ちゃんの唾液が増え、飲み込みがまだ下手なのでよだれとして外にでてきます。

よだれが多くなる時期は離乳食を開始する時期ともいえます。また歯が生え始める時期にもなります。

新生児のころはまだ難しいですが、成長とともに赤ちゃんが自分でよだれを飲み込んだり口を閉じる動作ができるようになると、よだれの量も徐々に減ります。離乳食が完了し、消化機能が整う1歳半〜2歳くらいにはよだれの量も落ち着く場合がほとんどです。

赤ちゃんのよだれの量やタイプ、注意すべき症状

赤ちゃんのよだれの量が多いことが気になることもあるかもしれませんが、一般的にはよだれの量は気にする必要はないといわれています。


よだれが多い原因と対処法

よだれが多いと衣類やスタイが濡れてしまったり、赤ちゃんによっては、口のまわりや首がかぶれてしまうこともあります。

また、冬は濡れた箇所から赤ちゃんの体が冷えてしまうこともあるので、ガーゼやタオルなどでこまめによだれを拭いたり、スタイや衣類を取り替える回数を増やしてあげましょう。


よだれが少ない原因と対処法

もし、よだれが少なくなったと感じたなら、赤ちゃんが自分で唾液を飲み込んだり、口を閉じるのが上手になったのかもしれません。

いつもはよだれが多いのに突然よだれが少なくなる場合は、脱水症状も考えられます。水分補給がちゃんとできているか、赤ちゃんのおしっこや汗もいつもより少なくなっていないか確認しておきましょう。

新生児の赤ちゃん
JetKat/Shutterstock.com

赤ちゃんのよだれのタイプ

<ぶくぶくと泡だっている>


泡立ったように見えるよだれは、赤ちゃんが自分でよだれを飲み込むことができないまま、口を動かしているのが原因かもしれません。また、赤ちゃんが自分で唇を震わせてぶくぶくする感覚をおもしろがって遊んでいる場合もあります。


<においがする>


赤ちゃんのよだれのにおいがいつもと異なると感じた場合、食べものや飲みものによる影響が考えられますが、口の中の水分が減っていることも考えられます。


<糸を引く、粘り気がある>


唾液は多くの場合、粘り気があります。赤ちゃんのよだれが糸を引くからといって気にする必要はないことがほとんどです。


注意すべき症状

よだれの量やタイプに変化を感じた際、注意すべき症状がいくつかあります。もし異変が認められた場合は早めの受診をおすすめします。

食道誤飲した場合、唾液を飲み込むことができなかったり、唾液を飲み込むときに痛みを感じることでよだれを垂らし続けることがあります。よく赤ちゃんを観察して誤飲の可能性がないか確認してください。

また、いつもよりよだれの量が多いと感じたら、赤ちゃんに熱がないか確認しましょう。手足口病やヘルパンギーナなど口腔内の炎症や病気によりよだれが増えることがあります。

5カ月の赤ちゃん
2p2play/Shutterstock.com

赤ちゃんのよだれによる「かぶれ」

よだれによって赤ちゃんの肌がかぶれてしまうことがあります。その原因と対処法についてご紹介します。


よだれによる「かぶれ」とは

よだれが赤ちゃんの皮膚につくことで炎症を起こすとかぶれてしまいます。これは刺激物質などが肌に接触することで発症する「接触性皮膚炎」の一種で、おむつかぶれなどもこれに当たります。

「接触性皮膚炎」は湿疹を伴う炎症反応で、かゆみを感じたり赤くなることがあります。症状が進行すると水ぶくれになったり炎症範囲が広がるので気をつけましょう。


「かぶれ」の対処法

赤ちゃんの肌をよだれによる「かぶれ」から守るためには、よだれがついたらこまめに拭き取ることです。

その際、ゴシゴシ擦らないように気をつけましょう。特に新生児の赤ちゃんの肌はまだ敏感なので肌トラブルの原因になってしまいます。優しく拭き取ってください。

また、保湿することも大切です。よだれと一緒に肌を守るための皮脂も拭き取られてしまいます。かぶれている肌をまずは清潔にし、保湿剤や病院から処方された炎症を防ぐための外用薬を塗りましょう。

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赤ちゃんのよだれのためのスタイ活用

赤ちゃんが成長とともに活発に動くようになると、あちこちによだれがつくことがあります。赤ちゃんのよだれが衣類を濡らすのを防ぐためにもスタイの活用を考えてみましょう。

赤ちゃんのスタイ
Daria Medvedeva/Shutterstock.com

スタイの素材や枚数

スタイは赤ちゃんの肌に触れるものなので、コットンなどの天然素材を選びましょう。よだれで濡れたり、頻繁に洗濯することを考えて乾きやすい素材を選ぶママもいます。

スタイの枚数は、赤ちゃんのよだれの量やスタイの使い方にもよりますが、5〜10枚あればよいでしょう。新生児のうちはそんなに使わなかったというママも少なくありません。


スタイの使い方

乳歯が生え始める頃や離乳食を始めるタイミング、おすわりができるようなる時期からスタイを使い始めることが一般的です。大きめのスタイがあると離乳食の際にも使えるので便利なようです。

赤ちゃんを抱っこ紐で抱っこするときは、スタイではなく「よだれカバー」を使うママもいます。

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スタイを使うときの注意点

スタイを使うときに注意したいのは、よだれをスタイで拭う場合、何度も同じスタイで拭ってしまい、それが肌トラブルの原因になってしまうことです。できれば、よだれを拭き取るのはスタイとは別のガーゼやタオルを使うといいでしょう。

また、スタイはこまめに交換し、常に清潔に保つようにしてください。よだれかぶれの症状が強い赤ちゃんは、スタイを活用するのではなく、タオルでこまめによだれを拭いてあげてください。

そして、赤ちゃんが寝るときは必ずスタイを外しましょう。スタイが赤ちゃんの顔にかぶさってしまったり、寝返りの際にスタイがなにかに引っかかって赤ちゃんの呼吸の妨げになってしまうと危険です。

赤ちゃんのよだれがどうしても気になる場合

赤ちゃんのよだれは、成長とともに徐々に減ります。そのうち自然に唾液を飲み込めるようになりますが、どうしても気になる場合は、赤ちゃんが唾液を自分で飲み込めるようになるための練習があります。

練習方法としては、赤ちゃんの口の周りや、歯磨きのときに歯ブラシで頬の裏側を刺激すること。そうすることで唾液が分泌され、赤ちゃんが自分で唾液を飲み込むことを覚えやすくなるようです。

衣類やおもちゃによだれがついた時の対処法

赤ちゃんのよだれが衣類やおもちゃについてしまったとき、どうやってその汚れを落としていたのか、ママたちに体験談を聞いてみました。

40代ママ
40代ママ

生後6カ月頃のとき、よだれの量がすごく多く、1日に5回ほどスタイを変えることもありました。白いスタイについたよだれは洗濯機で洗う前に石鹸でこすって、染みにならないように気をつけていました。

30代ママ
30代ママ

すぐに拭かないとどこによだれがついているかわからなくなってしまうので、おもちゃについたよだれは、できるだけすぐに除菌シートで拭き取るようにしていました。ぬいぐるみによだれがついてしまったときは、ウェットティッシュで軽く叩いたあと、日光で干していました。

40代ママ
40代ママ

ふとんやシーツによだれがついてしまった場合、タオルですぐに拭き取っていました。濡れた状態が長く続くと染みになってしまうことがあるので、気づいたときに拭くようにしていました。

よだれがついてしまったら「すぐに拭く」そして「長時間そのままにしないように、こまめに洗濯」をママたちは実践していたようです。

赤ちゃんのよだれには個人差があり、自然に少なくなる

赤ちゃんのよだれは自然なことであり、成長の一過程です。

スタイを活用したり、すぐに拭き取るなど、よだれが出る時期をちょっとした工夫で乗り切りましょう。

よだれの量や形状の変化で、赤ちゃんの異変に気付くこともあるようです。赤ちゃんがよだれでかぶれないように気をつけて、この時期を乗り切ることができるといいですね。


監修:保科しほ

Profile

保科しほ

保科しほ

日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。

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