教育熱心はどこまで?
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不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
2017.05.06
カリスマ保育士「てぃ先生」のコラムをお届けします。第3回の今回は、年度の変わり目や長期休みの後などで子どもが不安定になった時のフォローの仕方を教えてもらいました。
関東の保育園に勤めるカリスマ保育士。保育園の日常をつぶやくツイッターには40万人を超えるフォロワーがいる。著書に『ハンバーガグー』『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(ともにベストセラーズ)など。またツイートを原作とした漫画『てぃ先生』も連載中。2017年にはアニメ化も発表された。「保育・子育ては大変なことばかりではなく、楽しいこともいっぱいある」ということを伝えるために、現在も活動中。
こんにちは!てぃ先生です。今回は
「5月、不安定になった子どもへのフォロー」
についてお話したいと思います。
4月、子どもは進級したり新しい環境に入ったり、大人もどこかフワフワしていて心が落ち着かない時期ですね。
それでも何となく落ち着いてきたかなと思ったところに、ゴールデンウィークがあります。
保育士の中でも、このゴールデンウィークがなかなか厄介だと感じている人が多くいます。
先述したように、やっと何となく落ち着いてきて、子どもも環境に慣れてきたかな?と感じるところでの連休。
これが明けると、また4月初旬の状況に逆戻り…。
こんな理由からです。保護者の方も同様に感じているのではないでしょうか?しかし、実際は少し違うのではないかと僕は考えています。
何が違うかというと、4月初旬に泣いていた子どもとゴールデンウィーク明けに泣く子どもです。
4月初旬もゴールデンウィーク明けもどちらも泣く・不安定になる子どももいますが、大抵はどちらかに当てはまるのではないかと感じます。
4月初旬に泣いていた子どもは、感情を出すことができているのでフォローがしやすいです。
甘えることが多くあると思いますが、それをきちんと受け止め、外で頑張っている分、
「ご家庭でのスキンシップを多くする」
(何かをしながらではなく、子どもとだけの時間を作るなど)
「些細な対応をより丁寧にすることを心がける」
など、様々な方法があります。
一方、ゴールデンウィーク明けに泣く子どもはもっと気をつけなければなりません。
いきなり来た新しい環境をすぐに受け入れて、すぐに適応するなんていうのは大人でも無理です。
4月に「泣かなかった・不安定でなかった子ども」は大人からは手のかからない、所謂“いい子”に見えますが、
実際は“我慢強い子”です。
4月からゴールデンウィークまで、無意識に頑張っている状態だった場合が多くあります。
それが、ゴールデンウィークを迎えてご自宅で大好きなパパママと長く過ごしたあと、気持ちの切り替えが追いつかず、パンク状態になると連休明けの登園時に泣き始めます。
これを防ぐには、
とにかく日頃からのフォローです。
泣いていないから、一見不安定そうに見えないから、といってフォローを怠ると、内で溜まっていたものが溢れ出してしまいます。
子どもの気持ちが表に出ていない時こそ、パパママの方から
「保育園(幼稚園)どう?」
「頑張ってるね」
など声をかけ、子どもの無意識な頑張りを認めて、心のケアをしてあげてください。
そして、「4月初旬に泣いていた子ども」の場合でも述べたように、ご自宅で甘える姿があったらとにかくそれを受け止めて、丁寧に対応してほしいです。
ご自宅で甘えるのは、外で頑張っている何よりの証拠。子どもからのサインです。
このケアについては、「4月初旬に泣いていた子ども」と「ゴールデンウィーク明けに泣く子ども」ともに、
泣き始めてから・不安定になってからでも間に合います。
だだし、1日やったから、3日やったからといってすぐに効果の出るものではありません。
とにかく積み重ねです。
他にも、連休中だからといって生活リズムを崩さないように、通園中と同じようにすることを心がけるなどあります。
・日頃からの言葉がけ
・ご自宅での甘えは子供のサイン
・生活リズムを崩さない
この辺を意識すると良いと思います。
ご参考までに。
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