妊娠31週目は妊娠8ヶ月です。妊娠後期ですが、まだ胎動を激しく感じる人もいれば胎動が減ったと感じる人もいる時期です。体重増加に伴う妊娠31週の妊婦さんの体調の変化や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
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妊娠後期の妊娠31週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
里帰り出産を考えている場合は、妊娠30週前後から帰省する人もいるでしょう。赤ちゃんは予定日に必ず生まれるわけではないので、産院とのコミュニケーションをとり、安心して出産するためにこのくらいの時期に里帰りができるとよいですね。
電車、車、飛行機などで長時間かけて移動する人は、お腹が大きくなればなるほど身体に負担がかかります。特に飛行機は、気圧の変化などから体調が変わりやすいので、かかりつけの産婦人科医の意見も取り入れて帰省日を決めておくとよいでしょう。予定日が違づいている妊婦さんが飛行機に乗る場合には規定があったり、エコノミークラス症候群にも注意が必要になります。
しかし、仕事などでギリギリまで帰省できない妊婦さんもいるでしょう。なるべく広めの席を予約できるようチケットの手配などは早めの時期に済ませましょう。また移動中は身体を締めつけない楽な格好や、動きやすいように少なめの荷物をリュックにまとめて両手が自由に使えるように事前準備をしっかりすることが大事です。
妊娠31週ころにまだ逆子と診断されると心配になりますよね。近年は逆子が正常位置に戻らなければ帝王切開が打診されますが、産婦人科によっては帝王切開ができない病院もあります。
この時期に健診で逆子と診断されていても、臨月には自然と元の体位に戻る可能性がありますが、逆子体操を取り入れたり、外回転術を検討するよう促される場合があります。
外回転術は、医師がお腹に手を添えてお腹の外から赤ちゃんをぐるりと回転させ、逆子を正常な位置に戻す方法です。外回転術は必ず逆子が戻るというわけではなく、リスクも伴うので、お医者さんの説明をしっかり聞いた上で、やるかやらないかを判断するとよいでしょう。
胎児名とは、お腹のなかの赤ちゃんにつける名前です。ニックネームでもよいです。
お腹の赤ちゃんに胎児名で語りかけることで話しかけやすくなり、赤ちゃんをより身近感じたというママもいるようです。赤ちゃんはこの時期、ママの声が聞こえているので赤ちゃんがママの声を覚えることができるでしょう。
妊娠8ヶ月のである妊娠31週ころになったら、胎児名で呼んでみるのもよいかもしれませんね。
妊娠31週になるとお腹がだいぶ大きくなり、身体のバランスがとりにくくなるので転倒に注意が必要です。
人出の多い場所はなるべく控え、段差に気をつけて階段は手すりにつかまりながら上り下りするようにしたり、普段よりゆっくり行動するように心がけましょう。
妊娠31週のお腹のなかの赤ちゃんは、光をうっすら感じられるようになり、昼と夜の区別がつくようになっているので、強い光は赤ちゃんをびっくりさせてしまいます。また、聴覚が完成し、お腹のなかの赤ちゃんも音楽を楽しむことができます。
強い光や激しい音楽は避けて、音楽は心地よい大きさで聴くようにしましょう。
風疹や腟炎、尿路感染症などの感染症はお腹のなかの赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。なかでも風疹は、パパも抗体があるのかを確認しましょう。もし、パパに抗体がない場合は予防接種を受けてもらいましょう。インフルエンザなど妊婦さんでも予防接種が受けられるものは予防接種を受けることが重要です。
妊娠中は人ごみをなるべく避け、どうしても人ごみへ外出するときは、マスクを着用したり、感染症にかかっている人との接触はしないようにする配慮が必要です。感染症は、生活習慣で防げることもあるので、規則正しい生活や栄養バランスのとれた食事を意識しましょう。
妊娠31週は、血液の増加量が最大になり、血圧が高くなります。もう少しすると、血液量も落ち着いてきますが、この時期に脂肪や糖質の多いものを食べ過ぎると妊娠高血圧症候群になる可能性もあるので要注意です。
栄養バランスがとれた食事を心がけ、体重が一気に増加しないように調整しましょう。
妊娠31週にあたる妊娠後期は、お腹のなかの赤ちゃんの体重が増加し、ママはお腹に圧迫感があったり、足元が見えづらくなるでしょう。妊娠31週ころになると、前駆陣痛を起こす妊婦さんもでてきます。
今まで激しいくらいに感じられていた胎動が減ったように感じて不安になるママもいるかもしれませんが、それはお腹のなかで赤ちゃんが大きくなっている証拠の場合がほとんどです。超音波(エコー)検査で見ると、丸みを帯びた赤ちゃんらしい形や表情が見られてうれしくなるかもしれませんよ。
成長しているお腹の赤ちゃんに胎児名をつけたり、コミュニケーションをたくさんとってみてください。きっと赤ちゃんにママの声が届いていますよ。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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