つわりで傷病手当は受け取れる?条件や申請について

つわりで傷病手当は受け取れる?条件や申請について

つわり中は無理せず過ごそう

妊娠中につわりで体調を崩すママもいるでしょう。つわりには個人差があるようですが、日々の生活や仕事に支障をきたすような、重いつわりを経験する方もいるかもしれません。今回は、つわりで傷病手当が受給できるかや受け取るための条件、診断が下りる目安や診断書のもらい方などをご紹介します。

傷病手当とは

傷病手当とは、全国健康保険協会の資料によると、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。

妊娠中につわりになったとき、傷病手当がもらえるとママの不安を少しでも取り除くことができるかもしれません。妊娠中のママの中には、つわりは病気ではないため、傷病手当がもらえないと思っている方も多いようです。

数日であれば有給休暇を消化してもよいかもしれませんが、頻繁に休んでしまった場合や、長期で休むことになった場合に、有給休暇を使い切ってしまわないためにも、傷病手当の制度を知っておくとよいかもしれません。

妊娠中の不安定な気持ちを払拭するためにも、傷病手当が受給できる症状の目安や診断書のもらい方などをしっかりと確認しておきましょう。

出典:病気やケガで会社を休んだとき/全国健康保険協会ホームページ

つわりで傷病手当は受給できるか

つわり
iStock.com/Orbon Alija

つわりで傷病手当が受給できるかどうかは、一般的に、つわりの症状が悪化して、医師から日常生活を送れない程の病的な状態である妊娠悪阻などと診断を受けて治療をしているかで判断されるようです。

妊娠高血圧症候群や切迫流産のように安静にしなくてはいけない期間についても対象になる場合があります。

出典:健康保険の豆知識/全国健康保険協会ホームページ

つわりで傷病手当が受給できる条件

つわりで傷病手当を受給するには、以下の全ての条件を満たす必要があります。

  • 健康保険に加入している
  • 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業である
  • 仕事に就くことができない
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けない
  • 休業した期間について給与の支払いがない

育児中のママの中にはパートで働いている方もいるでしょう。パートとして働いていても、労働時間の長さにより健康保険に加入していれば、傷病手当を受給することができるようです。

出典:病気やケガで会社を休んだとき/全国健康保険協会ホームページ

傷病手当の申請方法

傷病手当を受け取るためには、支給申請書を加入している健康保険の保険者に提出する必要があります。

申請書は、本人が記載する部分と会社が記載する部分、医師が記載する部分に分かれているため、加入している健康保険の窓口に問い合わせをして、必ず手順や書き方を確認するようにしましょう。

出典:健康保険傷病手当金支給申請書/全国健康保険協会ホームページ

つわりの診断書をもらうとき

つわりでどのような症状があるときに、仕事を休むべきなのか知りたいママもいるでしょう。傷病手当を受給するために、医師の診断が下りるつわりの症状の目安をまとめました。

診断が下りる目安

  • 食事ができない日が続く
  • 1日に複数回の嘔吐がある
  • 体重が急激に減っている
  • めまいや頭痛などで立ち上がれない
  • 電車に乗ることができない
  • 脱水症状がある

診断がおりる症状の目安は、明確に決まっているわけではないようですが、上記の症状がある場合は、つわり(妊娠悪阻)として診断書を書いてもらえることが多いようです。

症状を自己申告するだけで診断書を書いてもらえたというママや、どんなにつらい症状でも検査結果の数値から判断されたというママの声もあるので、かかりつけの医師に自分の症状を的確に伝え、相談することも大切でしょう。

診断書のもらい方

母子手帳
iStock.com/NataliaDeriabina

かかりつけの産婦人科で診断書をもらう以外にも、「母性健康管理指導事項連絡カード」という、診断書と同じ効力を持つカードもあるようです。

女性労働者から、勤務先にこのカードが提出された場合は、カードに記載された内容に応じた措置を講じる必要があると定められています。

どちらも医師の診断結果により判断されるため、医師と相談することが重要のようです。

出典:母性健康管理指導事項連絡カードの活用方法について/厚生労働省
出典:女性労働者の母性健康管理のために/厚生労働省

傷病手当を受給するときの注意点

つわりで傷病手当を受給するときには、健康保険に加入しているともらえる他の手当についても、知っておくとよいかもしれません。

出産のために会社を休み、給与の支払いが受けられない場合に、出産手当金が健康保険から支給されます。傷病手当金を受給する期間に、この出産手当金を受給する場合もあるかもしれません。

全国健康保険協会の資料によると、平成28年4月からは、傷病手当金の額が出産手当金の額より大きければ、その差額を受給することができるようになったようです。

妊娠や出産にかかる費用ともらえるお金について、しっかりと把握しておきたいですね。

出典:傷病手当金と出産手当金/全国健康保険協会ホームページ

つわり中は無理せず過ごそう

妊娠
iStock.com/west

つわりで今まで通りの生活ができなかったり、仕事に行けずに不安になるママもいるでしょう。吐き気などの不快感がひどい場合は、日常生活に支障をきたす場合もあるようです。

また、妊娠中は気持ちが不安定になりがちなので、つわりで傷病手当がもらえると、ママにとっても安心できるかもしれません。

妊娠中は無理はせず医師と相談しながら、定められた制度をうまく利用して、穏やかに過ごしたいですね。

※記事内で使用している参照内容は、2020年2月3日の記事作成時点のものです。

2020年02月03日

基礎知識の関連記事

  • 妊娠中はつわりや味覚の変化が多く、気を付けないといけないことも増えます。そのためどのような飲み物を飲んだらよいのか分からなくなることも。妊娠中におすすめしたいのは、身体を温めるホットの飲み物です。先輩ママたちはホットのどのような飲み物を飲んで、妊娠時期を過ごしていたのでしょうか。体験談をご紹介します

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 不妊検査に行ってみようと思っても、いつ、どのようなタイミングで病院に行くのがよいか迷ってしまうかもしれません。また、初めての不妊検査に行くことは不安な思いもあるでしょう。今回は不妊検査の初診に行くタイミングや、受診に必要なもの、準備しておくとよいことなどを紹介します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 不妊治療で、費用の自己負担がどのくらいになるのか心配する方は多いのではないでしょうか。2022年4月から不妊治療に対する保険適用範囲が拡大されるほか、自治体の助成金もあるため、工夫次第で負担を軽減できることをご存じですか。今回は、不妊治療にかかる費用について目安や具体的な事例、保険適用の範囲、どのくらい予算を用意しておけばよいか、費用を抑えるためにできることをご紹介します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 不妊治療には不安や悩みが付きものですが、その一つが費用負担の問題です。2022年4月からは不妊治療に対する保険適用範囲が拡大され、自治体に申請すればもらえる助成金もあり、工夫次第では以前よりも経済的負担を軽減できるようになりました。それに加え、この記事でお伝えしたいのは、不妊治療の費用を確定申告することで、税金が戻ってくること。「確定申告ってむずかしそう」「調べるのが面倒」という方に向け、メリットや手続きの方法などを解説いたします。

    福本眞也

  • 不妊にはさまざまな原因がありますが、年齢もその中の一つ。女性の人生では、年齢と妊娠の関係を考える機会が多いものですが、もちろん男性も無関係ではありません。妊娠する・させる力(妊孕力)は男女を問わず加齢によって減少します。この記事では、年齢が不妊に与える影響、対処法、妊娠のための生活習慣などを解説します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 不妊治療の結末は誰にも予想ができず、努力をしたからといって必ずしも望んでいた結果が得られるわけではない。「だからこそ、ゴールをどこに置くのかが重要」と産婦人科医の高尾美穂先生は話す。パートナーと同じゴールに向かって協力することが必要不可欠だが、不妊治療のゴールとはどのように設定するのがよいのだろうか

    高尾美穂

  • 世界で初めて体外受精による赤ちゃんが誕生したのが1978年。日本においても不妊治療を受ける方が増え、体外受精による出生児数も増えている。一方で「不妊治療を始める前に知っていただきたいことがある」と話すのは産婦人科医の高尾美穂先生。多忙な現代を生きるわたしたちは妊娠そのものをどう考えたらよいのだろうか

    高尾美穂

  • 妊娠37週から41週のママに起こる前駆陣痛。本陣痛の前に来る不規則な陣痛を指しますが、出産を控えて落ち着かない中で「この異変はもしかして本陣痛?」と勘違いしてしまうことも珍しくありません。この記事では、前駆陣痛の特徴や症状、その他の痛みとの違い、対処法や注意点、体験談をご紹介します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 「子どもがほしい」そう考える夫婦が妊娠・出産を目指して取り組む「妊活」。晩婚化が進む日本では、比例して妊娠・出産を希望する年齢も高くなり、「不妊治療」を受ける方も年々増加傾向にあります。そんな妊活や不妊治療を検討する際に役立つ、基礎知識から不妊治療の課題、海外の事例などを紹介した記事をまとめました。

  • 読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただく人生相談コーナー。今回は丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生が、「3年後に自然妊娠したい」というお悩みに答えます。

    宋美玄(ソンミヒョン)

  • 妊娠兆候のひとつである「インプランテーションディップ」。妊娠を希望する方や、妊活を経験された方は、一度は聞いたことがあるかもしれません。いつ頃に見られる現象なのか、見られなくても妊娠している可能性はあるのか。また基礎体温との関係や、妊娠検査薬はいつから使えるのか、など気になるポイントを解説します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • ふたごやみつごが生まれる割合は、約50年前と比較すると倍増していることを知っていますか?これには、不妊治療が関係しているようです。多胎妊娠のしくみや、母体と胎児それぞれのリスクや、備えておくことなどを田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生に聞きました。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

カテゴリ一覧