妊娠すると血圧が上がると思っていたけれど、血圧が下がると心配になる妊婦さんもいるかもしれません。妊娠中の血圧の正常値と血圧が低いとき、高いときのリスクについてご紹介します。また、血圧を正常に保つための対処法と処方される薬についても解説します。
妊娠中に血圧が高くなるとどのような影響があるでしょうか。
一般的に収縮期血圧が100mmHg以下は低血圧と定義されます。
妊娠中に低血圧だとどのようなリスクがあるでしょうか。
妊娠高血圧の場合は、降圧剤を使用する場合があります。内服薬と点滴があり、妊婦さんにも使われています。
降圧剤を使うと血圧は下がりますが、血圧が下がって子宮に流れる動脈血の量が減るため、お腹のなかの赤ちゃんに酸素が十分行き渡らなくなったり、栄養が足りなくなる可能性があります。
妊娠時に血圧を正常値に保つためにはどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
塩分や脂分の多い食事は、血圧が上がる原因になります。
揚げ物やラーメン、スイーツなどを控え、味付けも素材の味が楽しめる和食中心の食事がおすすめです。
妊娠するとつわりで水分を十分に摂れずに血圧が下がり、貧血気味になります。
特にお腹が大きくなる妊娠後期は多くの水分が必要になります。
一気にたくさんの水分をとるのではなく、少しずつでもこまめな水分補給を心がけることが大切です。
低血圧の場合、手足の末端の血管収縮力が弱く、血液が末端まで行き渡りづらくなります。
ウォーキングや階段の昇り降りなどで身体全体の血液の循環を促します。
お腹が大きくなってきて、足元が見えづらいときには階段を踏み外さないように、上までのぼらず玄関などの段差でやってみるとよいでしょう。
寝不足になると、ストレスが溜まります。ストレスが血圧を上昇させる原因になる場合もあります。
早寝を早起きを意識して、なるべくストレスを溜めないようにしましょう。
妊娠するとつわりの影響から水分不足になり、血圧が下がります。妊娠中期に血圧が最低値になり、妊娠後期は出産に向けて血圧が上がります。
妊娠すると血圧が上がると思っている人もいるかもしれませんが、妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期で時期によって血圧は変わってきます。妊娠中は最低血圧が85mmHg未満、最高血圧が130mmHgが平均的です。
血圧が下がると、貧血やむくみの症状が出てきて、つわりがひどくなる場合があります。
反対に、血圧が高いと頭痛やめまいが起きたり、妊娠高血圧症候群になり、低体重児が産まれるなどのリスクを伴います。
血圧を正常値に保つためには、塩分や脂分を控えたバランスのよい食事とこまめな水分補給が大切です。
妊娠時期やママの体調にもよりますが、ウォーキングやストレッチなど適度な運動や十分な睡眠をとることも重要です。
無理せずできることを取り入れて妊娠中の血圧を正常値に保ちましょう。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2019年10月10日
ウイルスによって引き起こされる風疹は、免疫が十分にない人に対して強い感染力を持っています。妊娠時期に風疹にかかった場合、どのような影響があるか気になる人もいるのではないでしょうか。今回は、妊娠中に風疹にかかった場合の影響、風疹の予防接種後に妊娠がわかったときの対応、妊娠中の風疹の感染対策などについて解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
女性の体にさまざまな変化が起こる妊娠初期。この時期、どのような食べ物に注意したらよいのか気になる人もいるかもしれません。今回の記事では、妊娠初期の食べ物や、食べ物から摂りたい栄養素、妊娠初期のつわり対策などについて紹介します。
妊娠中はホルモンバランスの乱れやつわりなど体にさまざまな変化が現れますが、なかでも気になるのが体重の増加。急激に体重が増えた場合、ダイエットをするべきか迷うこともあるのではないでしょうか。今回は、妊娠中に体重が増える原因や影響、体重管理のコントロールについて解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
子どもを出産したいと思ったときに後悔しないように、今から知っておきたい妊娠・妊活の正しい知識。前編では、妊娠・妊活にまつわる誤解についてお伝えしました。後編では、結婚適齢期がなくなっても、妊娠適齢期は変わらずにある現状をテーマに、新しい不妊治療の技術などについてお伝えします。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
「いつかは出産したい」「いつかは2人目がほしい」と考えている女性は多いのではないでしょうか。今回は、そんな「いつか」のために知っておきたい、妊娠・妊活の正しい知識をお伝えします。前編のテーマは、妊娠・妊活にまつわる誤解について。どのような誤解があるのか、なぜ誤解が生まれるのかを、産婦人科専門医の浅田先生にお話いただきました。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
卵子の質や数は妊娠に大きく関わる大きな問題。妊活において、自分の卵子はどのような状態なのか気になることもあるでしょう。今回は、卵子の老化やサイン、年齢との関係、妊娠率への影響などについて紹介します。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
妊活をスタートさせたとき、まずは妊娠の確率を上げるために排卵日を予測しパートナーとの営みに取り組むタイミング法を試す人は多いかもしれません。基礎体温を測る以外に排卵日を知る方法はあるのでしょうか。排卵日の予測の仕方や過ごし方について詳しく解説します。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
妊活のために病院で検査を受けるタイミングはいつがよいのでしょうか。いざ病院に行こうと思っても、妊活の病院選びについて悩むことがあるかもしれません。この記事では、いつから病院に行ったらよいのかや、妊活の病院選びのポイント、女性と男性それぞれ病院でどのような検査を行なうのかなどをご紹介します。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
妊娠がわかったとき、母子手帳はいつもらえるのかやどこでもらうのかを知りたいという方もいるのではないでしょうか。今回の記事では、母子手帳の交付時期や交付場所、交付に必要な持ち物と母子手帳の活用法について紹介します。
妊活中にカフェインを摂取しても大丈夫なのか気になる方もいるのではないでしょうか。コーヒーや紅茶などの飲み物を飲んでリフレッシュしたいということもあるでしょう。カフェインの作用や妊活中にカフェインを摂取するときの注意点、妊活中の男性のカフェイン摂取について解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
将来出産することを考えて、妊活を考える方もいるでしょう。妊活の準備をすることをプレ妊活と言いますが、具体的に何をすればよいのでしょうか。プレ妊活で行うことや妊娠前に受ける検査、準備で男性が心がけることや2人目について解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
お腹の赤ちゃんの性別によって、つわりの重さやお腹の出方など体調に違いはあるのか気になるママもいるかもしれません。今回は、妊娠中に女の子だといつわかるのか、女の子のママたちが妊娠中に感じていたこと、体調の変化や特徴などの体験談をご紹介します。