妊娠6ヶ月である妊娠23週目は、妊娠の状態にだいぶ慣れて気持ち的にも落ち着いてくる人も多いでしょう。しかし、お腹の大きさによるお腹の張りを感じることも増えます。妊婦さんの体調や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠6ヶ月である妊娠23週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
お腹が大分大きくなり、皮膚が引っ張られて薄くなり、乾燥した体にかゆみが出ることがあります。ボディクリームやボディローションなどを塗って乾燥対策をして、どうしても我慢できないかゆみのときは、妊娠性皮膚搔痒(そうよう)の可能性も考えられます。
産婦人科や皮膚科などを受診して相談しましょう。
胎動を感じることも増え、ママの声が赤ちゃんに聞こえるようになるといわれている妊娠23週目には、赤ちゃんに向かって話しかけたり、お腹をなでたりしながら積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。
母親学級では、出産の流れや産後の赤ちゃんのお世話について教えてくれるので、これから出産し、ママになるのに役に立つでしょう。事前に申し込みが必要なことが多いため、それぞれお住まいの地域や産院に確認してみましょう。
妊娠23週になったら早めに入院セットを準備しておきましょう。ママの入院用のパジャマや授乳用ブラジャー、T字帯などを準備しておくとよいでしょう。パジャマや授乳用ブラジャーは全開タイプのものがおすすめです。
退院後のママと赤ちゃんの洋服、お世話グッズも忘れずに用意しましょう。もし、準備するものがわからないときは病院に確認するとよいですよ。
妊娠6ヶ月の健診では経腹エコーだけでなく、子宮頸部など細かいところまで観察できる経腟エコーを使用することがあります。妊娠23週の経腟エコー検査では、胎盤の位置や頸管長を確認します。
経腟エコーでは、内診台にあがるため検査がスムーズに行えるように健診時には上下に分かれている服や、ワンピースにレギンスを履くなど検査しやすい服装を心がけましょう。
この時期はママの血液が赤ちゃんに勢いよくいくため、妊婦さんは貧血になりがちです。貧血になると、息切れや倦怠感、疲労、意識が薄れるなどの症状が現われます。貧血の対策として、お肉の赤身やレバー、ほうれん草など鉄分を多く含んでいる食材を意識して取り入れるとよいでしょう。
体調が安定して食欲が出てくると、体重が一気に増加します。赤ちゃんや羊水、胎盤の重さなどを考えて、妊娠前から6kgの増加が一般的といわれています。急激な体重増加は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群を引き起こしたり、難産になるリスクがあるので注意が必要です。
質と量を考慮したバランスの良い食事を心がけ、体重をコントロールすることが大切です。
母乳の準備で乳頭から透明や黄色のドロッとした液体が出てくることがあります。そのままにしておくと乾燥して乳首が傷つくことがあります。乳頭から液体が出てきたら、シャワーで液体を洗い流したり、コットンやタオルでふき取り、乳首を清潔に保つことが大事です。
妊娠6ヶ月である妊娠23週は、胎動を頻繁に感じやすくなる時期です。胎動を感じられると、ママになる実感が強まるかもしれませんね。
赤ちゃんがお腹のなかを活発に動き回るので健診で逆子といわれることもあるかもしれません。しかしこの時期の逆子は臨月には正常になることがほとんどなので、医師に相談しながら安心して過ごしましょう。
妊娠23週目は、妊娠中の身体にも慣れてきて気持ち的には安定する時期ですが、お腹がどんどん大きくなることで身体を支えるために腰や足に負担がかかりお腹の張りや痛みを感じたり、足がつる、身体かかゆくなるなどの身体的なマイナートラブルもでてきます。安定期といわれている時期ですが、身体の不調を少しでも感じたら無理せず休んだり、ケアをすることが大切です。
お腹のなかの赤ちゃんはママの声が聞こえるようになるので、赤ちゃんに向かって話しかけたり、お腹をなでたり、たくさんコミュニケーションをとって、入院準備などを進めましょう。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2019年06月05日
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