【産婦人科医監修】妊娠20週目(妊娠6カ月)のお腹の赤ちゃんの様子

つわりや胎動について

【産婦人科医監修】妊娠20週目(妊娠6カ月)のお腹の赤ちゃんの様子

つわりが落ち着き、胎動を感じる人が増える妊娠6ヶ月の20週目。超音波(エコー)検査で性別が分かるかもしれません。妊娠20週目の体重増加やお腹の張りなど身体のトラブルや注意点、お腹の大きさ、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと、解説します。

妊娠週数20週目とはどんな時期?

妊娠20週は週数でいうと、妊娠6ヶ月の1週目で、妊娠中期の真っただ中です。個人差がありますが、赤ちゃんの性別が判明することも多い時期です。

妊娠20週目の妊婦さんの特徴

妊娠6ヶ月、妊娠20週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。


体調

画像
iStock.com/phototake

つわりが終わり、気持ち的にもすっきりして楽になる人が多いですが、ホルモンバランスの変化や子宮が急激に成長することで腸が圧迫されて便秘になったり、赤ちゃんに血液を送るために急に血液量が増えてむくみを感じる人も増えるようです。いつもより多めの水分補給を意識しましょう。

また、つわりが落ち着き食欲が増すことが多く、体重が一気に増える妊婦さんもいるようです。


お腹の大きさ

子宮の大きさは、大人の頭より少し大きい程度です。子宮の先がママのおへその近くにあり、おへそを中心にお腹が前にせり出し、妊娠6ヶ月の妊婦さんはお腹の大きさがいっそう目立つようになります。


妊娠21週目の妊婦さんの身体

胎動を感じ始める人が多い時期ですが、妊娠6ヶ月、妊娠20週の胎動はママが静かにしているときに感じられる程度です。胎動の感じ方は個人差が大きいので、妊娠20週で胎動が感じられなくてもゆっくり待つようにしましょう。

またこの時期は、お腹の大きさを支えるため、妊婦さんは反り返った姿勢になりやすいでしょう。お腹の張りやお腹が苦しいと感じたり、重心がずれるため、腰や背骨に負担がかかり、腰痛や背中の痛みを感じる人もいます。

妊娠20週目の赤ちゃん

大きさや胎内での様子

妊娠20週の赤ちゃんの身長は、19㎝程度です。

赤ちゃんは、お腹のなかで寝たり起きたりを繰り返しています。

全身の骨がよりしっかりし、身体の末端部分まで筋肉がついてくるので、赤ちゃんは子宮のなかで足を曲げたり、伸ばしたりよく動くようになります。

聴覚や、消化器官や泌尿器官などの臓器の機能が十分に成長し、身体の細かい部分も育ってきます。上下まぶたの区別がついて、顔立ちがはっきりし、表情がわかりやすくなる時期です。

頭部に生えていた産毛もしっかりとした髪の毛になります。


身体の形

妊娠20週になると、外性器が完成するので超音波(エコー)検査で男の子か女の子か性別がわかる人もいます。性別がわかると、赤ちゃんが産まれる、という実感がぐっと強くなるでしょう。

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妊娠20週目のうちにやっておきたいこと

経腟エコーに備えた服装で健診へ

妊娠中期になると、再び経腟エコーを使用することがあります。経腟エコーは子宮頸部まで観察でき、経腹エコーに比べて細かい検査ができるといわれています。内診台にあがるため、上下に分かれている服やワンピースの場合はレギンスを履くなど服装に配慮しましょう。


マタニティグッズの活用

子宮が大きくなって圧迫されたり、女性ホルモン「リラキシン」の影響で腰や、関節、じん帯に痛みを感じることが増える妊婦さんもいるようです。骨盤ベルトや妊婦さん用のガードルなどで骨格を支えて、痛みを軽減させる工夫をしましょう。

睡眠時におなかの大きさや、腰痛で寝付けなくなった、という妊婦さんもいるでしょう。抱き枕を使うことで、腰の負担を減らして楽な姿勢が保てるためで十分な睡眠がとれるかもしれませんね。マタニティ用の抱き枕は、産後に赤ちゃんの授乳時にも使えますよ。

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妊娠線のケア

妊娠線のケア
iStock.com/grinvalds

これからお腹やバストがどんどん大きくなってきます。お腹が大きくなると、妊娠線が目立ってくるので、保湿や妊娠線専用のクリームやオイルを使ってしっかりケアすることが大切です。

妊娠20週目の妊婦さんが注意すること

妊娠高血圧症候群の予防

  • 妊娠20週目から産後12週までに高血圧が見られる
  • 妊娠中に高血圧とたんぱく尿がいっしょに表れる

これらの症状が見られると妊娠高血圧症候群と診断されます。

つわりが終わると今まで落ちていた食欲が戻り、食べ過ぎて体重が増える人もいるようです。妊娠高血圧症候群は、つわりが終わった頃の食欲増加で体重が一気に増えたときに発症することがよくあります。妊娠高血圧症候群は生活習慣や食事で予防できる病気なので、塩分と糖分を摂り過ぎずにバランスのとれた食事を心がけることが大切です。


転倒

お腹がどんどん大きくなると、前にせり出す姿勢になってきます。苦しい姿勢を続けていると力が入りお腹の張りやお腹が苦しいと感じることがあるかもしれません。姿勢とお腹の大きさのせいで、全身の重心がずれて感覚がつかみにくく、バランスを崩しやすくなるため、転倒に注意が必要です。

重い荷物はなるべく持たないようにし、階段や段差などはそっとのぼるように、手すりにつかまり、足元に気をつけながら、少しずつゆっくり歩くようにしましょう。


入浴

湯船につかるときと、湯船から出るときは足が滑りやすいので気をつけましょう。また、入浴後は身体が温まり、立ちくらみを起こしやすいので、特に注意が必要です。


ストレスをためない

妊娠6ヶ月である妊娠20週になると、神経伝達ができるようになり赤ちゃんも思考を持つといわれています。

ママやパパが喧嘩をしたり、ママが嫌な思いを抱え込むとその気持ちが赤ちゃんに伝わり、赤ちゃんもストレスを感じてしまうことがあるともいわれています。赤ちゃんにストレスが伝わらないように、ストレスをためないで穏やかに過ごせるよう、なにか好きなことに集中できる時間を持てるとよいですね。

赤ちゃんの成長を大きく感じられる時期

安定期の妊婦さん
Billion Photos/Shutterstock.com

妊娠6ヶ月の妊娠20週頃になると、つわりは終わりを迎え、身体も気持ちも楽になるママが多いようですが、お腹がどんどん大きくなるためお腹の張りや、お腹が苦しいと感じる人が増えます。妊娠高血圧症候群の予防のため急激な体重増加にも要注意です。

腰痛や足の付け根に痛みを感じる人も多いので、お腹の張りや、お腹が苦しいなどの症状を感じたら休息をとったり、骨盤ベルトや抱き枕などのマタニティグッズを活用して無理をしないことが大事です。

お腹の大きさのせいで、今までの感覚がつかめず転倒する危険性もあるので、十分に気をつけてゆっくりした動作を心がけられるとよいですね。

妊娠20週になると、胎動を感じられたり、超音波(エコー)検査を通して性別が分かったり、赤ちゃんらしいしぐさがみられたりして赤ちゃんの成長を実感し、喜びを感じる場面が増えるでしょう。


監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

Profile

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。 患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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